2019年2月13日 (水)

極ZERO裁判、国側勝訴

 このブログでは2017年に触れた話題ですが、酒税の改正で2020年、2023年という2段階で、ビール、発泡酒、新ジャンル(第3のビール)の税率が統一され、ビールの税率は下がるが、第3のビールの税率が上がることになる、という話を紹介しました。同時に日本酒などの税率は下がることで、第3のビールやチューハイの値段が上がり、日本酒は下がることで、お酒の種類のシェアが変わるかもしれないことに触れました。また、第3のビールといった区分は、日本の酒税法上のものなのでガラパゴス商品だという指摘と税制の原則である公正、中立性、簡素の3つに反すると考えていることも書かせていただきました。その時のブログが、こちらです。「メディアは税制をきちんと伝えているか?」

 
 さて、そんな中、納税通信という媒体の記事で見たのですが、サッポロの「極ZERO」の裁判の判決が出たようです。極ZEROという第3のビールとして発売された商品が、国税庁に発泡酒ではないかと指摘され、115億円の追徴課税を受けました。現在は、発泡酒として販売しつつも、サッポロでは不服申し立てを行い、東京地裁への提訴も行いました。しかし、その判決で、敗訴となったというのです。
 
 判決文は、製法という企業秘密に関わる事項が掛かれているため、閲覧制限があるようで記事を読んでも詳細のところはわかりません。しかし、裁判にまで持ち込まないと判断がつかないような酒税法の条文は、税制の原則である「簡素」ではないということになります。そして、ビールもどきを安く販売できるような税制は、日本酒やワインのメーカーにとっては不利であるわけで公正とは言えず、また、税率の高い安いが企業の製品開発に影響しているという意味では、中立性にも欠けます。消費者にとってどうかは別として税法の在り方としては、3原則すべてで問題があるビールの税制です。2023年のビール類の税率の統一が心待ちにされるところです。
 
 上述の2017年のブログの最後は、次のように締めくくっております。「日本のビールメーカーは、ガラパゴス商品による国内競争に会社資源を投下して、国際競争に目を向けることができなかったのです。バドワイザーやハイネケンと並んで世界中で飲まれる日本のビールブランドの成長を期待する税制改正であるとも言えるのです。」

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2019年2月 4日 (月)

合意された手続

 みなさん、合意された手続って、ご存知ですか? AUPと省略されて呼ばれることもあります。公認会計士が行う保証業務の1つですが、監査ともレビューとも違った性格を持っています。
 
 AUPは、企業が提供する情報に信頼性を持たせるため、その情報に対して公認会計士がどのような手続業務を行うか、その手続を合意するので、「合意された手続」です。日本公認会計士協会が公表している契約書ひな型などを見ると、例えば、以下のような例示があります。
  「私どもは、会社との間で合意された以下の手続を実施した。
  1.私どもは、平成×年×月×日現在の売掛金補助元帳残高
  と総勘定元帳の「売掛金」勘定の残高を突合した。
  2.・・・・・
  3.私どもは、平成×年×月×日現在の棚卸資産台帳と総勘
  定元帳の「棚卸資産」勘定の残高を突合した。
  4.私どもは、棚卸資産台帳に記載されている商品Yの平成×
  年×月×日現在の数量について、同日に会社が実施した実
  地棚卸の記録と突合した。」
 
 そして、報告書の中では、たとえば
  「上記4の事項については、以下のとおり棚卸資産台帳と実
  地棚卸記録は一致しなかった。
               商品Y
     棚卸資産台帳の数量 ◯◯◯
     実地棚卸記録の数量 ×××」といった記述があります。
 
 これによって、例えば、この会社を買収する会社に決算書を提供するうえで、売掛金と棚卸資産について情報としての利用可能性の度合いを把握してもらうことができます。
 
 こんなひな型を見ていたので、M&Aや事業再生などの局面で使われることが多いのかと思っておりましたが、今般、東京オリンピック、パラリンピックの公式グッズの製造・販売会社がライセンス料の元となる製造数について合意された手続が求められているというのを知りました。なるほど、大きなコストを掛けずにライセンス料の確からしさが高まります。そして、実際に作業をしてみましたが、こうした業務が広まると取引の透明性が高まって、企業間でより円滑で安全な契約業務の遂行ができるということを実感しました。

 

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2018年12月25日 (火)

電子帳簿保存法及びスキャナ保存制度の改正

 平成31年度税制改正で電子帳簿保存法による国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度,スキャナ保存制度について改正がありました。

1.新たに業務を開始した個人の承認申請書について,業務を開始した日から2か月以内に提出することができることとする
 これは,本来,事業年度の開始の3か月前に承認申請書を提出するのが原則ですが,新規に業務を開始した個人については,事後提出を認めるというものです。

2.承認申請手続等についての運用上の対応
 (1) ソフトウェアの要件適合性の確認業務を行う公益社団法人による確認を受けたソフトウェアを利用する者が行う承認申請書の提出手続の簡素化を行う。
 (2) 受託開発されるシステム等を利用する者が要件適合性を事前に国税当局に確認できる体制を構築する等の対応を行う

 (1)は,不思議に思われるかもしれません。なぜ,確認業務を行う公益社団法人であって,公益財団法人やNPO法人や株式会社が入る余地のない書き方なのでしょうか。おそらく今後,国税庁の告示で明らかになるのではないかと思われますが,JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)というところが,すでにこの認証業務を行っているからなのですね。下記のページを見ると,アーカイブ用光ディスク認証,電帳法スキャナ保存ソフト認証,電子帳簿ソフト法的要件認証を実施しており,この2つ目と3つ目が緩和策として活用されることになったのです。
   JIIMA認証
 
3.スキャナ保存の承認を受けている者への対応
 スキャナ保存の承認を受けている者は,その承認以前に作成及び受領をした契約書・領収書等の重要書類について,所轄税務署長等への届出書の提出等の一定の要件の下,スキャナ保存を行うことができることとする
 これは,スキャナ保存を開始した場合,承認を受けた後の契約書等は,スキャナ保存できるものの,過去の書類が引き続き紙保存をしなければならないのでは紙と電子と2種類での保存が並行してしまう手数に対応したということなのでしょう。
 
 いずれも抜本的な改正ではないものの,逆に言えば,運用部分に目を向けた改正が行われるということは,電子保存も実務上で浸透してきているということなのではないかと考える次第です。人手不足が顕著になってきている昨今です。電子保存でホワイトカラーの生産性を向上させなければ,人件費で企業の利益が圧迫されてしまう時代になろうとしているのかもしれません。

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2018年11月10日 (土)

軽減税率でプラスチック・ゴミが激増する

 という予測をした方がいます。足立明穂さんというITコンサルタントの方です。その予測は、次のようなものです。
 
 1.軽減税率で、『飲食はお控えください』と書かれた休憩スペースが激増する
  ↓
 2.律儀な日本人は、『持ち帰り』で頼むから、すべて持ち帰り用になる
  ↓
 3.律儀な日本人は、決して休憩スペースでは食べられないから、公園とか外で食べる
  ↓
 4.コップや食品ケース、袋を捨てる
  ↓
 5.プラスチック・ゴミが増える
 
 コンビニなどで、イートイン・コーナーが備えられている場合にどうするか?というのが話題になっています。イートインは、外食なのでそこで食べるものは軽減税率の対象となりません。そのため、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認を行うなどの方法で、軽減税率の適用対象となるかならないかを判定しせざるをえません。ただし、「イートインコーナーを利用する場合はお申し出ください」等の掲示をして意思確認を行うなどの方法も実態に応じて差し支えないというのが国税庁のQ&A(消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)問45)です。
 
 レジで「イートインで食べます」と言わない、すなわち持ち帰りを装い、軽減税率で食品を買っておいて、イートインコーナーで食べるような「嘘つき」は日本人にはいないだろうというのですね。そうすると、公園などで食べざるを得なくなります。公園にゴミ箱がきちんと備えてあればよいのですが、ない場合もあるでしょう。また、多くの人が公園で食事をするようになると、プラスチック・ゴミで公園のゴミ箱が溢れます。溢れると周囲にこぼれ落ち、風に吹かれ、カラスに突つかれ、ゴミは、散乱します。ゴミは小さくなり、下水などを経由して、やがては海へ。海洋のマイクロプラスチック汚染は、一層ひどくなるのでしょうという話です。
 
 カナダでしたかね、外食と持ち帰りの区分を購入数で決めるというルールがあって、ドーナツ6個以上ならお店で食べきれないから持ち帰りだろう・・・とみなして軽減税率0%が適用、5個までは外食扱いとされるのだそうです。ドーナツ買う人を見つけて「僕もドーナツ買うので、一緒に6個買いましょう。」と声を掛ける人がいるという話も聞いたような。
 
 消費者の生活の知恵ではありますが、脱税だとも言えなくもない。そういう嘘をつかせる税制は良くない制度だと思うのですが、さらにプラスチック・ゴミが増えるのであれば、「コンビニで飲食を扱うな!」という話になるのかもしれません。税制の3原則として、「公正」、「簡素」、「中立」というのがありますが、軽減税率は簡素じゃないし、イートインコーナーを廃止しようかな?などと企業に店舗レイアウトの変更まで検討させるという意味では、中立でもない。嘘つきが得をするという意味では、公正でもない。3原則違反の駄目税制だと確信する次第です。

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2018年10月27日 (土)

消費税(軽減税率)に関する記事を深読みする

 本日10月27日の日経朝刊に「免税事業者に課税 軽減税率、財源1兆円確保へ財務省案」という記事が出ておりました。軽減税率を導入することにしたものの、軽減税率を入れない場合より税収が1兆円減ってしまうため、その財源を確保しなければならなかったのですが、すでに7千億円については目途を付けているものの、残り3千億円をどうするか、それについて財務省では捻出策を考えたので、与党に案を出す方向だという記事です。

 そもそも民主党野田政権時代に消費税を10%までアップしていこうと決めた際には、軽減税率は想定していなかったわけですが、その後に自公連立政権になって、10%時には軽減税率を入れようという法改正がなされました。しかし、必要な財源までは未検討のままの法案可決で、施行までに財源を探すこと、という条件が付いておりました。それを今頃、目途をつけようというのが記事の背景です。

 目途のついている7千億円というのは、「4千億円は低所得者の医療や介護の負担を軽くする『総合合算制度』の見送りでメドをつけた。3千億円程度はたばこ増税と給与所得控除の縮小で確保する。」と記事に書かれています。結局、食品は、少しだけ安く買えるけれど、4千億円の部分は、低所得者のための総合合算制度の見送りなので、ようは低所得者の負担増によって賄われるという「行って来い」の政策です。3千万円の給与所得控除の縮小は、65万円の給与所得控除の最低額を10万円減らすという改正のことでしょうか。でも、セットで基礎控除が10万円増やされていて、合わせ技で個人事業者など給与所得者以外の人への減税となり、全体では財源は増えていないと思うのです。記事ではこういう部分には触れられていません。

 そして、1兆円までの残り3千万円ですが、免税事業者への課税2千億円と社会保障費の効率化1千億円で捻出すると書かれています。この「免税事業者への課税2千億円」の解説をしておいた方が良いかな?というのが本日のブログのテーマです。

 2023年10月からインボイス制度が始まります。これは、インボイスと呼ばれる所定の記載事項を入れた請求書なり領収書を発行し、消費税の申告に当たっては、課税売上で受け取った消費税からインボイスの裏付けのある課税仕入税額を控除して、納税額を算出するという制度です。インボイスには、消費税のインボイスを発行する課税事業者の登録番号を付さなければならないので、免税事業者はインボイスを発行することができません。従来、課税売上高が1千万円未満の事業者は、消費税については免税事業者として消費税申告をしないでよかったのですが、インボイスを発行する必要があるならば、課税事業者を選択することで消費税の申告をスタートしなければなりません。

 たとえば、バルブやボルトなどを製造して納入している小さな工場、大企業に名刺などを納品している町の印刷屋さんなどが、インボイスを発行してほしいと言われる可能性があります。先日、床屋さんで話をしていたら、芸能人など常にきちんとした身なりを求められるお客さんは領収書をくださいと言われるそうです。となると、売上高1千万円未満の理髪店もインボイスを発行するために課税事業者にならないといけないかもしれません。といった結果として、1千万円の税収増加があると見込まれるので、軽減税率の財源になるという話になります。

 しかし、このように軽減税率の財源を何で確保しようとしているのかを考えると、結果として、小規模な事業者や低所得者の負担増加で賄われるのだということに気づきます。軽減税率制度って、本当に意味があるものなのでしょうかね。スーパーで食料品を買うときには有難味を感じるのでしょうけれど、逆に言えば、目先の痛みを消しておいて、他で増税されて、ちゃんと計算したら負担の方が大きかったなどという話にならなければよいのだが、と考えた次第です。

 

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2018年5月24日 (木)

新しい会計ソフトは怖い

 あるクラウド会計のシステムの話です。請求データを作ると、売上、売掛金が計上できて、翌月とかに預金データを取り込むと、入金消込、売掛金入金の仕訳が作成されるというのは、かつての伝票を起こして、ソフトに入力という手順からすると画期的です。
 
 ところが、顧問先の資料で、いやに消費税額が多く出る。あれ、課税売上が多いぞ?と思って、調べると前受金が課税売上になっている。なるほど、前受金の請求データを作った際に、当然ながら消費税も請求するので、前受金が課税売上として入力されてしまっていました(正しくは課税対象外。売上への振替時に課税売上となります)。これに気づかずに消費税の申告書を提出すると、前受金請求額の8%分(正しくは8/108%)だけ課税売上が多くなって、消費税納税額が大きくなってしまいます。お客さんに損をさせる。おそらく、前受金の入金時には課税売上のマイナスになるのでしょうから、2期を通せばセーフで、期末をまたぐ場合にだけ問題が生じるのでしょう。
 
 新しいシステムって、ちょっとルーチンではない取引(前受金の請求はルーチンですけど)などでバグが隠れている恐れがあります。クラウド会計のシステムって、みんな新しいシステムなので、こういう不安が残っているわけです。あらためて、システムって、頭から信じて使ってはいけないのだという教訓を得ました、3月決算5月申告の1年で一番忙しい時期の月末に。

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2018年5月21日 (月)

消費者庁の軽減税率対策の文書

 「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」という文書が消費者庁から公表されています。軽減税率が導入された際の2種類の価格表示についての案内です。たとえばハンバーガーを店内で食べると外食10%、テイクアウトは食品8%なのでメニューの価格を2段書きにする等を例示しています。

 消費者庁:消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/consumption_tax/pdf/consumption_tax_180518_0002.pdf

 値付けは事業者の自由だから、店内で食べてもテイクアウトでも同じ値段にしてもいいよ、とも書いてあります。その方がオペレーションが楽かもしれませんね。ただ、その結果、消費税の申告はどうするのかが難しくなります。テイクアウトだと紙袋を使うので、その枚数をカウントしておいて、来店客総数との比で、人数比で店内、テイクアウト比率を取ったら良いのか、ダメなのか、消費税の通達で出てくるかもしれませんね。でも、トレイに載せるか、紙袋に入れるか、決めないといけないから、必ず「店内でお召し上がりですか?」とか聞くわけで、それに応じて、レジ打ちの際に打ち分ければよいのですね。

 外食とテイクアウトの値段が同じなら、お客は、嘘の返答はしないでしょう。値段が違うと、「テイクアウトです。」とか言いながら、テーブルに座ったりするお客が出てくると思いますが。ということで、軽減税率を導入しても、それをお店で実感できるとは限らないわけで、やはり、つまらない制度は入れない方がよいのではないかと思ったりする次第です。

 

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2018年5月 7日 (月)

外資系企業のサラリーマン

 今日、事務所に外資系企業に勤務するサラリーマンの妻と名乗る方から電話がありました。夫がストックオプションの付与をされて、行使をしたりしているのでその税金が・・・というご相談。続いて、所得税が大変なのだが、節税を考えないでよいのだろうか?という心配をされているとのこと。
 
 そうなのです、外資系企業に勤務しているストックオプションを付与されるような幹部従業員は、この数年でものすごく増税になっているはずなのです。まず、給与所得控除の上限が定められました。以前は、無制限に5%は給与所得控除が取れたものが、平成25年からは1500万円以上の給与については給与所得控除に245万円の上限が設けられ、その後、上限が引き下げられて、平成29年度からは、1000万円を超えると給与所得控除は、220万円から増えません。年間の課税所得が1800万円を超えると、所得税率は40%ですから、この5年間で、同じ給与でも課税所得は、25万円以上増えた計算になり、10万円以上も所得税が増えたわけです。当然ながら税率10%とはいえ、住民税も増えています。
 
 さらに平成30年からは、所得900万円(給与額面だと1120万円)以上の人は、配偶者が専業主婦だったりする場合の配偶者控除を利用することができなくなっています。そのため、今年の1月からは、給与から天引きされる所得税が増えているはずです。配偶者控除は、38万円ですから、所得税率40%が適用されるような所得の人だと、152,000円年間の所得税が増えます。毎月の給与からの天引される所得税は、1万円以上増えているのでしょう。
 
 こうした「取れるところから取る」増税の典型的なターゲットが「外資系企業に勤務する幹部従業員」であるわけです。相談の電話を受けながら、「痛税感があるのだろうなぁ」と思いました。だからといって、節税対策用のマンションなんかセールスマンに勧められるがままに買ってはいけないのですけどね。庶民から見れば、羨ましいだけの話に思えると思いますが、数年間で30万円も納税額を増やされた人たちもいるのだということは、知っておいてください。

 

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2018年5月 6日 (日)

法人税法第22条の2の条文

 今日は、読み物ではなく、単純に税法の条文を掲げておくだけです。「収益認識の会計基準」が公表され、それを受けて、法人税法の肝と言われる第22条第4項に改正が入り(といっても、「別段の定めがあるものを除き、」が加わっただけですが)、第22条の2という新条文が加わりました。また、施行令でも第18条の2が新設されました。しかし、案外、この条文を丸々掲げているサイトって、無いようです。官報から、とりあえず引っ張ってきて、ブログに貼っておくだけでも役に立つかな?ということで、置いてみます。税務六法などが発売になるまでの意味しかないのですけどね。

法人税法第二十二条
 4 第2項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

第二十二条の二
 内国法人の資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
2 内国法人が、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の前項に規定する日に近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、同項の規定にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 内国法人が資産の販売等を行つた場合(当該資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて第一項に規定する日又は前項に規定する近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合を除く。)において、当該資産の販売等に係る同項に規定する近接する日の属する事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載があるときは、その額につき当該事業年度の確定した決算において収益として経理したものとみなして、同項の規定を適用する。
4 内国法人の各事業年度の資産の販売等に係る収益の額として第一項又は第二項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とする。
5 前項の引渡しの時における価額又は通常得べき対価の額は、同項の資産の販売等につき次に掲げる事実が生ずる可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合における価額とする。
一 当該資産の販売等の対価の額に係る金銭債権の貸倒れ
二 当該資産の販売等(資産の販売又は譲渡に限る。)に係る資産の買戻し
6 前各項及び前条第二項の場合には、無償による資産の譲渡に係る収益の額は、金銭以外の資産による利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡しその他これらに類する行為としての資産の譲渡に係る収益の額を含むものとする
7 前二項に定めるもののほか、資産の販売等に係る収益の額につき修正の経理をした場合の処理その他第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

法人税法施行令
第十八条の二
 内国法人が、法第二十二条の二第一項(収益の額)に規定する資産の販売等(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額(同項又は法第二十二条の二第二項の規定の適用があるものに限る。以下この条において同じ。)につき、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて、法第二十二条の二第一項又は第二項に規定する事業年度(以下この条において「引渡し等事業年度」という。)後の事業年度の確定した決算において修正の経理(法第二十二条の二第五項各号に掲げる事実が生ずる可能性の変動に基づく修正の経理を除く。)をした場合において、当該資産の販売等に係る収益の額につき同条第一項又は第二項の規定により当該引渡し等事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された金額(以下この項及び次項において「当初益金算入額」という。)にその修正の経理により増加した収益の額を加算し、又は当該当初益金算入額からその修正の経理により減少した収益の額を控除した金額が当該資産の販売等に係る同条第四項に規定する価額又は対価の額に相当するときは、その修正の経理により増加し、又は減少した収益の額に相当する金額は、その修正の経理をした事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2 内国法人が資産の販売等を行つた場合において、当該資産の販売等に係る収益の額につき引渡し等事業年度後の事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る当初益金算入額を増加させ、又は減少させる金額の申告の記載があるときは、その増加させ、又は減少させる金額につき当該事業年度の確定した決算において修正の経理をしたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 内国法人が資産の販売等に係る収益の額につき引渡し等事業年度の確定した決算において収益として経理した場合(当該引渡し等事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載がある場合を含む。)で、かつ、その収益として経理した金額(当該申告の記載がある場合のその記載した金額を含む。)が法第二十二条の二第一項又は第二項の規定により当該引渡し等事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された場合において、当該引渡し等事業年度終了の日後に生じた事情により当該資産の販売等に係る同条第四項に規定する価額又は対価の額(以下この項において「収益基礎額」という。)が変動したとき(その変動したことにより当該収益の額につき修正の経理(前項の規定により修正の経理をしたものとみなされる場合における同項の申告の記載を含む。以下この項において同じ。)をした場合において、その修正の経理につき第一項の規定の適用があるときを除く。)は、その変動により増加し、又は減少した収益基礎額は、その変動することが確定した事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。 4 内国法人が資産の販売等を行つた場合において、当該資産の販売等の対価として受け取ることとなる金額のうち法第二十二条の二第五項各号に掲げる事実が生ずる可能性があることにより売掛金その他の金銭債権に係る勘定の金額としていない金額(以下この項において「金銭債権計上差額」という。)があるときは、当該対価の額に係る金銭債権の帳簿価額は、この項の規定を適用しないものとした場合における帳簿価額に当該金銭債権計上差額を加算した金額とする。

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2018年2月25日 (日)

栄養ドリンクで経理部門は疲労困憊?

 仕事の関連の業者さんから「確定申告の陣中見舞いです。」ってチオビタドリンクをもらいました。ラベルの真ん中に「指定医薬部外品」って書かれています。で、税金へ発想が飛ぶのが職業病。ということで、来年10月の軽減税率の話。
 
 消費税が10%になって軽減税率が導入されると、食料品と日刊新聞に8%の税率が適用です。医薬部外品は食品からは除かれているので標準税率です。オロナミンCなら飲料で軽減税率。じゃ、ほかのはどうなんだ?
 
 オロナミンC以外にもデカビタ、レッドブル、リアルゴールドが軽減税率対象の飲料、チオビタの他にもリポビタンD、ユンケル、アリナミンVドリンクは、医薬品(医薬部外品や第2類、第3類医薬品)に該当します。経済学的には、「代替財」みたいなことが起きる可能性があります。軽減税率適用の飲料が割安になり、需要が増えて、医薬品扱いのリポビタンDなどの需要が落ちる。税の中立の観点からも問題です、軽減税率は。
 
 また、実務を考えても、例えば建設業で、現場監督が自社の部下や外注さんに差し入れみたいにしてこういったドリンクを買ったという領収書を上げてきたら、経理の人は、金額チェックするだけでなく、レシートで品目や適用税率もチェックしてから、経費精算を承認しないといけません。あるいは、経費精算をする人にそもそも間違えないように十分な教育を施さないといけない。経費精算もスマホ撮影保存で一発!どころじゃなさそうな予感が。
 
 消費税区分がいい加減な経費精算書が続々と提出されてくると、経理の人は、そのチェックと訂正で疲労困憊することになります。こんな時こそ、標準税率ではあっても有効成分がきちんと含まれている栄養ドリンクを経理部門に差し入れないといけないですね。今のりこえたい疲れに、愛情一本、ファイトー!一発!で24時間働けますか?

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