2018年2月25日 (日)

栄養ドリンクで経理部門は疲労困憊?

 仕事の関連の業者さんから「確定申告の陣中見舞いです。」ってチオビタドリンクをもらいました。ラベルの真ん中に「指定医薬部外品」って書かれています。で、税金へ発想が飛ぶのが職業病。ということで、来年10月の軽減税率の話。
 
 消費税が10%になって軽減税率が導入されると、食料品と日刊新聞に8%の税率が適用です。医薬部外品は食品からは除かれているので標準税率です。オロナミンCなら飲料で軽減税率。じゃ、ほかのはどうなんだ?
 
 オロナミンC以外にもデカビタ、レッドブル、リアルゴールドが軽減税率対象の飲料、チオビタの他にもリポビタンD、ユンケル、アリナミンVドリンクは、医薬品(医薬部外品や第2類、第3類医薬品)に該当します。経済学的には、「代替財」みたいなことが起きる可能性があります。軽減税率適用の飲料が割安になり、需要が増えて、医薬品扱いのリポビタンDなどの需要が落ちる。税の中立の観点からも問題です、軽減税率は。
 
 また、実務を考えても、例えば建設業で、現場監督が自社の部下や外注さんに差し入れみたいにしてこういったドリンクを買ったという領収書を上げてきたら、経理の人は、金額チェックするだけでなく、レシートで品目や適用税率もチェックしてから、経費精算を承認しないといけません。あるいは、経費精算をする人にそもそも間違えないように十分な教育を施さないといけない。経費精算もスマホ撮影保存で一発!どころじゃなさそうな予感が。
 
 消費税区分がいい加減な経費精算書が続々と提出されてくると、経理の人は、そのチェックと訂正で疲労困憊することになります。こんな時こそ、標準税率ではあっても有効成分がきちんと含まれている栄養ドリンクを経理部門に差し入れないといけないですね。今のりこえたい疲れに、愛情一本、ファイトー!一発!で24時間働けますか?

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2018年2月21日 (水)

医療費控除の改正は、困りもの

 医療費控除の改正というタイトルを見ると、セルフメディケーション税制の話かと思われると思いますが、そうではなくて従来型の医療費控除の話です。
 
 今年から医療費控除について、従来のままで行うこともできるものの、原則は医療費控除の明細書に詳細に記入をして、その元となった医療費の領収書は、5年間自宅で保存ということになります。さらに、医療費控除の明細書には、明細を書く手間に配慮して、協会けんぽや国民健康保険から送られてきた「医療費のお知らせ」などの医療費の通知書の合計金額を転記すれば大丈夫という改正が行われています。
 
 ところが、この部分があまりにも不完全で、実務的には使えません。国保も同様のようですが、ここでは、協会けんぽの「平成30年2月に「医療費のお知らせ」を送付します」という資料をもとに列挙させていただきます。
1.確定申告に間に合わない
 所得税の確定申告は、2月16日からです。還付申告については、1月からでも受け付けます。ところが送付時期は、「平成30年2月7日(水)~平成30年2月16日(金)に郵便局へ発送準備を行った後、順次発送となります。」となっています。郵便局へ持ち込むのが2月16日までなので、それから順次配送されるので、16日の確定申告初日には間に合いません。実際、2月20日に到着している事例がありました。
 
2.事業所に郵送される
 協会けんぽは、会社などで加入しているわけですが、その事業所に「医療費のお知らせ」はまとめて送られます。そのため、従業員に配布されるには、さらに1日くらいタイムラグが生じます。
 
3.年間分ではない
 このお知らせに記載されているのは、平成29年10月分までです。そのため、資料にも「H29.11~H29.12については、医療機関からの領収書に基づき作成した医療費控除の明細書を申告書に追加して添付してください」とさらりと書いてあります。不便じゃないですか。
 
4.すべての診療が記載されているわけではない
 おそらく精神科、性病科など家族といえどもプライバシーが関わる診療科目については、記載されていないようです。「特定の診療科を有する医療機関等で受診した場合には記載されていない場合があります」と書かれています。さらに医療機関等から協会けんぽへの請求が遅れている場合、レセプトの内容を審査中の場合には、記載されていないそうです。ということは、手元の領収書と「お知らせ」の記載を1行ずつチェックして、記載されていない領収書は、明細書に個別に書き込む必要があります。
 
5.自費診療や差額ベットも記載されていない
 この「お知らせ」は、健康保険制度の下での医療費の報告なので、歯科などでの自費診療、入院時の個室料や入院時の食事の費用などは、含まれていません。
 
 ということで、上記が改善されない限りは、領収書の束を電卓で足し込んで、「大口の病院や調剤薬局くらいの小計は書くとしても、あとは税務署に送り付けた領収書をみてね」という従来方式の方が楽なような気がしてなりません。
 
 所得税法を改正して、医療費控除は前々年11月から前年10月までの医療費で申告できるといった制度変更でもないと、このままでは、医療費控除は面倒だ・・・という話になってしまうかもしれません。国税庁だけでなく、厚生労働省、協会けんぽ、健保組合、国保を運営する市区町村が絡む話だけに制度を使いやすくするのは、たいへんなことだと思います。

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2018年2月 1日 (木)

国税のクレジットカード支払い

 所得税など国税はクレジットカードでも支払うことができます。ただし、決済手数料として0.76%が上乗せされるので、それ以上のポイントが付くカードでないと支払日が延びる以外の効果がなく、お得にはなりません。
<参考>国税庁 クレジットカード納付の手続
 
 例えば楽天カードならポイントが1%となっていますが、決済手数料との差は0.24%。10万円の納付で240円しか得になりません。でも、不動産の譲渡でもして、1000万円の納税がある人なら、24,000円お得になります。
 
 でも、カードの決済の金額の上限が1000万円で大丈夫な人って、どれだけいるんでしょうか(笑)。決済手数料の0.76%というのがネックですね、もう少し安くなると良いのですが。

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2018年1月22日 (月)

スキャナ保存機器は、データをデータとして吐き出せるか?

 先日、スキャナ保存機器などを販売している企業などが所属している団体の新年賀詞交換会に出席してきました。早速、平成30年度税制改正大綱に出ていたスキャナ等で作成したイメージデータを電子申告で送信するといった措置について、数人に感想を聞いてみました。
 
 まず、「今まで、スキャナ保存機器って、電磁的記録を作って、保存して、閲覧することを考えてきましたよね。電子申告用にデータを吐き出すって、大丈夫ですか?」って聞くと、「あ、どうなんだろう。検索して閲覧は考えてきましたが、検索してデータ出力ですかぁ」って、自社の製品のことを考えはじめる雰囲気。「しかも、タイムスタンプとか付いた形できれいに出力させられる可能性あるわけですよね、要件はこれから明らかになるわけですが」って聞いたら、「そうですよねぇ。ま、枚数少ないから、紙で出力して、紙で送付してもよいのですよね」と。
 
 たしかにそうです。1枚、2枚なら、申告書データに添付するより、郵送しちゃった方が早いかもしれない。「でも、それをスキャナ機器のメーカーの人が言っちゃダメでしょ」と言ったら、苦笑しておりました。
 
 でも、こうやって、最初から電子データのものは、データのまま業務を行い、申告などでもデータのまま送信することができてこそ、業務の効率化が図れます。同時に紙に出力した方がチェックしやすいとか、間違いに気づくといった側面は、システム的なチェックがかかる形で、人の作業を支援するシステムになっていかないといけないわけです。電子帳簿保存法に関わる本を書いたりしていることは、日本の競争力強化のために少~~しだけ役にたっているのかもしれないと思いました。

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2018年1月 9日 (火)

添付書類をイメージデータで電子申告

 税制改正大綱には、「電子情報処理組織による申請等と併せてスキャナ等により作成して電磁的記録(いわゆるイメージデータ)を送信する添付書面等について、一定の解像度及び階調の要件を付した上で、税務署長による当該添付書面等の提示等を求める措置を廃止することとする。」と書かれています(大綱六1(3)②)。
 
 スキャナ保存は、保存制度だけでなく電子申告の仕組みにも取り込まれるということなのですね。そして、電子提出したら、その添付書類の原本は破棄してもよいということ。ここで悩ましいのは、原本だけでなくイメージデータの保存も不要になるのかどうかです。
 
 平成27年のスキャナ保存の要件改正の前のように電子署名が付されたイメージデータの送信であれば、書類の真正性と否認防止(本人が作ったものでないと後から否認すること)ができないので、提出済みのイメージデータの保存は不要です。まったく同じものを税務署が受領しているわけですから。しかし、タイムスタンプだけとなると、やはり会社にイメージデータの保存があることで、否認防止をするのだろうかと思ったりします。しかし、利用者識別番号(ID)とパスワードを利用して電子申告するわけで、そこで本人確認はできている。それであれば、従来の書面での申告書控えに保存義務が求められていないのと同様に添付書類のイメージデータの保存義務もないのかもしれません。
 
 「スキャナ保存制度は、保存だけではなく、電子申告の手法にもなった」と言ってよいのだろうと思っています。ますますスキャナ保存制度は、重要性を増していくようです。

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2017年12月18日 (月)

酒が飲める話

 Twitterで「去年は余裕でタクシー拾えたが今年は飲み客のせいで午前0時ごろはタクシー全然捕まらん。」という呟きを目にしました。思わず、バブルの頃を思い出します。あの頃は、11時半くらいまでに店を出損なうと、終電逃して、タクシー拾えなくて、「仕方ない、もう1軒行って、2時頃タクシー拾うか」みたいなことがありました。銀座のタクシー乗り場なんか、大行列で1時間待っても乗れなそうなので、日比谷や新橋や京橋の方へ歩いて、そちらで流しのタクシーを拾うということもありました。24時間戦って、体も疲れるので、リゲイン飲んで・・・みたいな時代でした。それが一部回帰してるのでしょうか?
 
 法人税制の観点から考えると、バブルの頃に比べて、お酒は飲みやすくなっていると思います。平成18年度の税制改正で、「1人当たり 5,000 円以下の飲食費(社内飲食費を除きます。)」が一定の要件の下で交際費等の範囲から除外されました。従来、交際費等については、資本金の額が1億円超の企業では、全額、損金不算入だったのですが、一人5千円以下なら損金に算入する余地が出てきたわけです。また、当時は、資本金1億円以下の中小企業でも400万円までの交際費等の額の90%しか損金算入できませんでした。そのため、400万円の交際費等を使っても、損金にできるのは、360万円。600万円使っても、360万円しか損金算入できませんでした。
 
 ところがこの中小企業の400万円の枠が平成20年4月1日以後に開始する事業年度からは、600万円に拡大され、平成25年4月以後に開始する事業年度からは800万円に拡大されただけでなく、10%の損金算入できない部分がなくなりました。
 
 また、資本金1億円超の会社でも平成26年4月1日以後に開始する事業年度では、交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用の50%に相当する金額までは損金算入できるようになり、中小企業でも800万円とこの基準のいずれかが適用できるようになりました。
 
 これで、思う存分酒が飲める。でも、繁華街に思ったほどの活気が蘇ってこないのは、人口が最も多い団塊の世代がバブル当時は40歳だったのに、今は70歳になろうとしているからなのでしょうね。役員になっている人を除いて、交際費を使えるような地位どころか、退職しつつあるわけですから。「今の若い人たちは酒を飲まなくなった」のではなく、「酒を飲む年齢階層の人口は少ない」ということなのかもしれませんね。

 

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2017年12月 1日 (金)

法定相続情報証明制度

 法定相続情報証明制度がスタートしたってご存知ですか? 相続登記や被相続人の預金解約などの都度、被相続人の戸籍謄本の束を用意しなくても家系図のようにまとめた一覧図1枚で手続ができます。
 
 相続手続の書籍の改訂にあたって、私もお客さんの相続税申告の際に法定相続情報一覧図を作成し、法務局に認証してもらい、写しを5枚ほど発行してもらいました。なんと、手続に当たり手数料は、無料です。
 
 この手続に当たって、戸籍謄本の一式を提出する必要がありますが、法定相続情報一覧図写しと共に返却してもらえます。うちの事務所での相続手続では、この取得もサービスメニューの1つにしていこうと考えています。

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2017年11月26日 (日)

給与所得控除の最低額65万円の改正?

 平成30年度税制改正では、給与所得控除の最低限を少し下げて、その分、基礎控除の増加に回そうという動きが注目されていますね。もちろん、大綱が発表されるまでは、わからないのですが。個人事業者の比率増加を考えるとこの改革はあるべき改革だと思います。
 
 それで、ちょっとググってみたら、経済産業省「『雇用関係によらない働き方』について (現状と課題)」という資料が出てきました。この所得税改革って、働き方改革の一環でもあるんですね。
 
 この資料によると、日本における広義のフリーランス数は、1,064万人(昨年度比+17%) なんだそうです。副業系すきまワーカー416万人みたいなのも含んでいるので、給与所得者とも重複カウントの可能性もあるでしょうけど。アメリカでは、フリーランサーが35%なんていう数字も紹介されています。ただ、日本の場合、所得税が累進課税、法人税が一定率での課税なのと、給与所得控除が大きいため、個人事業者が儲かってくると会社にしちゃうという違いがあります。プログラマーでも八百屋さんでも株式会社といった状況、皆さんもご存知の通り。
 
 という意味では、給与所得控除を圧縮して、基礎控除を増やすという所得税改革は、「法人成り」と呼ばれる節税のための個人事業者が会社を設立する流れを逆転させるかもしれません。個人成りです。会社に対する社会保険の強制加入要請の強化もこの動きを促進しています。会社の数が増えない、減ってしまうという現象は、税理士としては寂しいものがありますが、租税の中立性が失われて不必要に会社組織が多かったのかもしれないと考えると、これもより好ましい税制への改正なのかもしれません。

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2017年11月14日 (火)

年末調整でもスキャナ保存

 これから年末調整の季節です。扶養控除異動等申告書もスキャナ保存の対象になっているという記事が出ていました(週刊税務通信No.3482、P.4)。これは、ちょっと盲点でした。記事によれば、従来、所得税基本通達で定められていた事項が平成24年度税制改正により所得税法施行規則の中に扶養控除等申告書が規定され(所規76の3)、これにより「国税に関する法律の規定により保存しなければならないこととされている書類」という電子帳簿保存法の国税関係書類の定義に当てはまることになりました。
 
 これまでは、経費精算システムがスキャナと組み合わさって、経費精算に関する証憑の電子保存、会計システムがスキャナと組み合わさって、請求書や領収書の電子保存という形が考えられましたが、今度は、給与計算システムとスキャナの組み合わせというものが登場することになりそうです。
 
 スキャナ保存もまだまだ広がるような気がしますね。ということで、拙著「国税庁Q&A対応 実践 税務書類のスマホ・スキャナ保存」(ぎょうせい刊)もご利用いただき、スキャナ保存の導入をしていただければと思います。

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2017年11月 6日 (月)

「メロンです、請求書です。」

 これは、テレビ朝日のテレビドラマ「ドクターX」で岸部一徳演ずる榊原名医紹介所の晶さんが西田敏行演ずる蛭間先生に請求書を手渡す際のセリフです。
 
 「に、に、二千万?! ぼったくりでしょ。」
 「いいえ、××を利用した日本初の術式による手術を成功させ、VIP患者の命を救い、△△先生が術例紹介の論文も書けることになったわけで、リーズナブルな料金であると思料しております。」
みたいな会話が展開するのですが、私は、このセリフが好きです。
 
 日本では、知的財産や特殊な技能、分野ごとの知識など目に見えないノウハウにお金を払わない傾向が強いと思っています。青色ダイオードの開発者だった中村教授は、学会で「スレーブ(奴隷)中村」というニックネームを持っていたそうで、ノーベル賞を受賞した後、勤務していたN化学を退職して、カルフォルニアの大学へ移ってしまいました。
 
 「私、失敗しないので」とまでは言えないし、米倉涼子演ずる医師や中村教授などには及びもつかないことは百も承知ですが、私たち税理士も一応は知的産業の1つのつもりです。帳簿の作成を請け負い、申告書を作成・提出代理するような仕事とみられることが多いですが、実は、毎月の顧問契約で社長とやり取りをする中で、社長の問題意識をくみ取ったり、他の人には話せない愚痴を聞いてあげたり、しかし、そうした話の中から、解決策のヒントにつながる会話を展開したりというところに私たちの存在意義があると思っています。
 
 「なるほど、売上が上がらないんですね。では、こんな切り口で商品をアピールするってどうでしょう」などとコンサルタント的に話をする税理士もいるでしょうし、「売上をもっと増やしたいのですね。会社の持つ資源、つまりお金、設備、人員といったもので、何かできることはありますか?」と社長に考えさせるコーチング型の税理士もいるかもしれません。そして、そんなやり取りの中から、「それをやるなら、設備投資の税額控除が取れますよ。」「雇用促進税制を適用できるようにハローワークに雇用促進計画を提出しておきましょう。」といった税制的な助言が出てくることもあります。
 
 「顧問料、×万円? ぼったくりでしょ」と言われないように、日々、税制の改正を追い、経営に関する話題や関心事をフォローして、経営者のお役に立てる存在でありたいなと考えております。

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