2019年10月 3日 (木)

節税商品にご注意を

 中小企業の中で「この数年,高い水準の利益が続きそうだ」といった場合には,生命保険に加入して経営陣の引退時の資金の蓄積を兼ねつつ,年1回払いの保険料の全額とか半額を損金にすることで,法人税額を減らすという節税策が広く使われていました。ところが,今年の2月に生命保険料の税務処理について大幅に変更するという通達改正の方針が打ち出され,実質的に節税を目的とする生命保険加入というのは難しくなりました。
 
 それでも,何か他には節税商品はないものか?と探したくなる中小企業経営者はいらっしゃるわけですが,そういう方々に取り入るような商品が出てきているよう体験があったので,あらかじめ注意を喚起しておこうかと思います。
 
 1つは,太陽光発電システムに絡んだ節税商品。設備投資に絡めて即時償却という全額損金の仕組みを取り入れたりすると,魅力的な商品に見えてきます。しかし,土地を所有している人がその上に太陽光パネルを設置するような場合でも,電力の買取価格が落ちてきている中では,なかなか利益にはなりにくいという話を聞きます。そんな中,パネル設置用の土地を借りたうえで,そこを小口で分譲して節税したい企業を募ったり,パネルまで設置の上で,小口で販売するような行為があったとして,果たして購入者に利益が出るのでしょうか。販売会社が儲けるだけで終わったりしないでしょうか。
 
 もう1つ見かけたのは,暗号資産(仮想通貨)のマイニングをする設備投資をして,その設置場所を借りるという小口化商品。日本のように電気代の高い国では,ビットコインなどのマイニングでは利益が出にくいと言われています。それなのに多額の設備投資をして,しかも,自分でやるのではなく,小口化して販売する会社に利益も落としながらという形態で利益が出るのでしょうか。
 
 決算対策の節税というのは,100の損金を計上して,法人税等を30減らして,その商品の満期や解約の時点で100が戻ってくることです。満期や解約の時点では戻ってきた100に法人税30がかかるので,税金の払うタイミングが遅くなるだけ・・・というのが純粋な節税商品だと思います。税金が減るのではなく、100%課税を繰り延べられれば、成功ということになります。満期や解約の時点において,役員の退職金の支給など,多額の支出,多額の費用計上がある場合には,戻ってきた100のお金が使えるし,計上される利益に対して,支出に伴う費用が相殺されるので,その期の損益が悪化しないし,資金調達も不要という意味で一石二鳥なのが良質な節税商品です。
 
 しかし,100の設備投資に対して,85しか戻ってこないような節税商品はどうでしょうか。設備投資の時点で30の法人税を減らすことができます。しかし,85が戻ってきた時にも25.5の法人税はかかります。15の投資損失を出して,法人税の支払いは投資をしなかった場合に比べて4.5(=30-25.5)だけ減るものの,それは15の損失を出したからです。会社のお金は,15-4.5=10.5だけ減ってしまっています。「節税になりますから!」と販売されるワンルームマンションなども同様です。賃貸期間中に損が出て節税ができるなら,最後にマンションを売却した時にそれまでの損失を取り戻せるだけの売却益が出なければ,ただ,損をしただけのこと。損をしたから,税金が減ることを節税と呼ぶのは,おかしいです。
 
 生命保険の場合には,多少目減りしても,死亡保障,疾病への保障機能もあるので,目減り分は,そうした保障を購入した対価だったのだと考えることもできました。しかし,設備投資による節税なら,設備投資自体で利益が出ない限り,単に損をさせられることになるだけです。小口に分割して販売するには,販売の手間等に応じた販売会社の取り分もありますから,それだけでも採算上は不利になります。機関投資家向けの社債と個人向けの社債では,前者の方が利回りが良いのも同じ理由です。小口分割の投資商品を買うくらいなら,そもそも自分のリスクで投資をした方が有利なはずで,そのあたりの知見がないから,小口分割した商品の採算性も判断できないでしょうから,近づいてはいけないのです。と言うことで、このブログを読まれた方、太陽光発電や暗号資産の節税商品を見たら、まずはその内容を吟味して、投資金額が確実に回収できるのか?ということを検討していただければと思います。

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2013年6月 3日 (月)

NISA口座をあえて作るほどのものではない?

 NISAでは、損失が出た場合にはNISA以外の他の金融商品の口座との損益通算ができません。そして、ある年に購入したNISA口座で投資の損失が出た場合、他の年に購入したNISAの投資の利益と相殺ができるとしても相殺ができることによるメリットがありません。なぜなら、たとえば20万円の損失を30万円の利益が出た部分と相殺しても、もともと利益に課税されていないため、納税額の減少などのメリットの享受ができません。

 ということは、利益が出たり出なかったりといった分散投資はあまり意味がないように思います。NISAのメリットが利益に非課税ということである以上、そして、損失へのケアがまったくない制度である以上、NISAを使う以上、必ず利益を出さねば意味がないということになります。損が出るなら、通常の特定口座などで売買をすればよいわけです。

 通常の特定口座で損失が出た場合には、他の投資商品との損益通算、あるいは損失の繰り越しにより翌年以降の投資利益との相殺が可能となり、その結果、他の投資での利益に掛かる納税額を減らす効果を得ることができます。しかし、NISAの場合には他の口座との損益通算ができません。NISAは、損失が生じた場合への恩典がないという制度です。投資は、何らかの形でリスクを取ってベネフィットも大きくする行為なので、矛盾ではありますが、そういう制度になっているのです。

 であれば、無事に利益が出たら、その20%の納税を行い、損失が生じたら他の商品と損益通算するなり、繰り越すことで翌年以降の利益と損益通算することができる一般口座はNISAより不利というわけではないように思います。

 どうしてもNISAの口座を持つなら、低PBR・高配当で業績に不安のない銘柄など底値の固い銘柄を日経平均などもあまり上がっていないような時期、できれば年初来安値を付けましたというニュースが流れているような時期に購入するのが良いのでしょう。たとえば、今みたいな時期だと一層の上昇もあるかもしれませんが、高値掴みになる恐れもあるのだと思います。もちろん投資信託やETFでも同じで、買いのタイミングが重要なのではないでしょうか。

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2013年5月31日 (金)

分配金の意味がわからない

 従来、投資信託の分配金は、収益からの分配金と元本の払い戻しに過ぎない特別分配金の合算で、この特別分配金といういかにも儲けからの分配に見える用語が曲者で、グローバルソブリンオープンのようにほとんど特別分配金による分配のため、基準価格10000円でスタートして2~3年の間に4000円以上の分配金を払ったけれど、基準価格は5000円台に落ちていた、といった喜劇が見られていました。

 これではいけないということで、収益から支払われる分配金は普通分配金、元本の払い戻しに相当するものは元本払戻金と呼ぶことになりました。そのため、今なら、投資信託の分配金といえば、普通分配金だけを指すのだと思っておりました。しかし、異なる金融機関が出している収益分配金に関するレポートの3ページにそっくりの表があり、これを見る限り、分配金というのは普通分配金と元本払戻金の合計を言うようです。
http://www.secjp.co.jp/net/file/pdf/toushin_1367993114.pdf
http://www.daiwa-am.co.jp/doc/news/news_20130528_1.pdf

 結局、追加型投信なので、投資家によってそのファンドの購入金額が異なり、「投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払い戻しに相当する場合がある」ということなのです。

 これでは、投資信託の収益性を計算しようと思っても、分配金の意味が分からないので、「現時点での実績分配金額100円」という記述の評価のしようがありません。あるサイトで一定期間の分配金と一定期間に基準価格が低下した場合の低下分を一定期間の開始時点の基準価格で割って分配金利回りを出していました。

 たとえば、1年前10500円、現時点11000円、分配金が300円なら
    300÷10500=2.857%
として、もし、1年前10500円、現時点10400円、分配金が300円なら、
    {300-(10500-10400)}÷10500=1.904%
と計算するわけです。

 しかし、この分配金に元本払戻金が含まれていた場合にどう評価を変えるべきか、変えなくてもよいとするのかが、まだ結論できません。NISAでの運用を前提とすれば、もし、300円の分配金がすべて元本払戻金だったら、配当や売却益に非課税という恩典に関係ないことになりますし、基準価格が下がった分の損失はNISAでは他の口座の利益と相殺するなどができません。これでは、NISAで運用するべき商品だと断定できないわけです。皆さんは、このあたりの回答をお持ちでしょうか?

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2013年5月30日 (木)

NISAの口座はどこで持つべきか

 最近の新聞、ネットの広告では、「NISA口座の事前申し込み」とか「申し込み予約」とか各金融機関が蠢いている雰囲気です。なので、このブログでも、何を投資対象にするべきかの結論がはっきりしていない状態なので、とりあえず、これを触れておこうかと。

 まず、今のところ、このブログでは、投資対象を勧められるまま投資信託にしてはいけないということと、投資信託よりETFがいいんじゃない?という話と、株式だっていいじゃない、という話を書いています。そして、わからなければやらなければいいじゃないという話も。

 ということであれば、みなさんも結論に確信が持てるまでは、NISA口座を作るなというのが正解のような気がしています。焦って作らされて、いいように買わされてはいけないと思います。どうしても早く作らざるを得ないなら、株も投信も・・・と幅広く扱っているところが良いのではないでしょうか。とにかく、焦るな、焦らされるな、NISAのスタートは来年1月です。10月からだったかの、正式な口座申込で動けば十分だと思いますよ。

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2013年5月28日 (火)

ETFとはなんでしょう

 ETFとは、証券取引所の上場している投資信託です。英語では、Exchange Traded Funds で、その頭文字でETFです。したがって、投資信託の1つですが、上場しているため、株式同様にネット証券などでは、300円といった極めて安い手数料で購入できるものです。一般的な投資信託は、投資家から資金を受け取る都度に受益証券を発行する形態ですが、ETFは、上場時までに受益証券が発行されていて、これが上場時に市場に放出され、一般投資家が売買することになっています。

 wikipediaの「上場投資信託」のページでは、コストについて、一般的な投資信託と異なり、投資信託そのものの販売手数料は掛からない(が、株式購入の手数料がかかる)ために「一般的な投資信託よりも売買コストが安いといえる。」「一般的な投資信託は、3%近い販売手数料のものから、ノーロード(販売手数料が無料)のものまで多様である」と書いています。また、「信託報酬は、一般的に同じ指数に連動を目指すインデックスファンドと比較して安くなる傾向がある。」と指摘しています。

 さらに東京証券取引所のETF・ETNのページでは、指数連動なのでわかりやすい、分散投資ができる、少額でOKでしかも低コストを特徴として挙げています。また、銘柄ごとの価格も日刊紙の株式相場欄に出るから通常の投資信託より容易に確認できると書かれています。ちなみにETNとは「Exchange Traded Note」の略でETFとは異なり証券に対する裏付資産を持たない(必要としない)という特徴を持っています。発行体に対する信用リスクがありますが、その分、多様な投資信託が構成できるのでしょう。

 というメリット尽くめのETFですが、ざっと次のようなものがあります(東証の案内ページより)。
・ TOPIX連動型
・ 日経225連動型
・ MSCIインデックス連動型
・ JASDAQ-TOP20銘柄連動型
・ マザーズ・コア銘柄連動型
・ TOPIXコア30銘柄連動型
・ TOPIX100銘柄大型株連動型,TOPIX中型400銘柄連動型、TOPIX小型株連動型
・ 東証業種別株価指数連動型
・ テーマ別(高配当、中国関連、アジア関連など)
・ エンハンスト型(オプション取引のカバードコール戦略を取るなど)
・ レバレッジ型(TOPIXや日経平均の変動幅の2倍で変動するもの)
・ インバース型(TOPIXや日経平均の変動幅の-1倍で変動するもの)
・ REIT指数連動型(REIT=不動産投信)
・ 外国株指数連動型(ハンセン指数、ボベスパ指数、ダウ30種、S&P500など)
・ 外国債券指数連動型
・ 商品指数連動型(金、白金、パラジウム、WTI原油など)

 これだけあると、どれを買ったらよいのかわかりません・・・というくらい、低コストで買える投資信託があるのだということを知ってほしいと思います。そして、高い販売手数料の投資信託がこれを上回っている成果を出しているのかどうか。すくなくともインテックス型の投信なんかを普通に買わされるなら、ETFで買わなきゃ損です。かといって先日このブログでご紹介したような投資信託なら、十分に中身をわかったうえで買ったのですか?という質問にもNo!でしょうから、それなら、まずは上記の勉強から始めてもよいのかもしれませんね。

 でも、障壁が高いという人もいらしゃると思います。こういう指数より、単純に「私の家はへーベルハウス建てたけど、満足しているから、旭化成の株を買おう。」「日本は輸入にしろ輸出にしろ貿易が大事だから三菱商事を買おう。」といった基準で、投資金額のごく一部で個別の銘柄の株式を購入するのもよいのかもしれません。そうすると新聞記事を読んでいても「新規住宅着工件数が増加」とか「シェールガスの採掘会社に投資」みたいな記事が目に留まるようになるのかもしれません。

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2013年5月27日 (月)

こんなETFもあります

 きちんとETFの説明をしてから個々の商品に当たりたいとは思っているのですが、とりあえず株価が下げているときなので、興味深い商品をご紹介します。

 興味深い商品とは、「NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」です。これは、毎営業日の前営業日対指数騰落率が日経平均株価の毎営業日の前営業日比騰落率のマイナス1倍になるように計算されている指数です。たとえば、ある日の日経平均が15000円。翌日は14250円と750円も下げ、騰落率は-5%だったとすると、この投信はプラス5%になります。もちろん、株価が上がれば、この投信の基準価格は下落します。ということは、「ちょっと株価が一本調子で上がりすぎていないか? どこかで調整局面があるんじゃない?」なんて思ったら買えばよいETFです。

 下がると上がる、上がるとき下がる。なんかなぞなぞみたいな投信ですが、こんなものもあります。だから、ETFって、もっと関心を持ってよいのではないかと思うのです。

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2013年5月25日 (土)

ハイリターンはリスクの裏返し

 ここまで書いてきたので、おそらくご理解いただけると思いますが、高い利回りや売却益すなわち運用益は、リスクを取ることで得られます。例えば、国債で考えてみましょう。10年もの国債で、日本が0.846%、アメリカ2.11%、ドイツ1.43%、英国1.91%です。この辺が安全と言われる国。為替変動を考えると日本国債の0.8%は安心です。でも、1%割れ。

 続いて、それよりは少しリスクがあると思える国としてオーストラリアが3.33%、ブラジル10.19%、トルコが6.24%、インドネシアが5.87%のようです。
 しかし、これらの国々は、成長度合いも高い場合があり、物価が上昇している場合があります。せっかく5%の利回りをとっても、日本とその国の物価上昇率の差で為替相場が円高になっていれば国債の償還を受けた時の円貨換算額は減っている可能性もあります。
 さらにリスクがありそうな国を見ると、アイスランド6.24%、ポルトガル5.53%、スペイン4.41%、ギリシャ9.04%です。だいぶ落ち着いていますね。一時期は、ギリシャ国債の利回り38%とか言われた時期がありました。100万円を投資すると、予定としては138万円に増えるんだけれども、もしかするとデフォルト(債務不履行)になるかも知れなかったわけで、丁半博打に近い世界です。

 このように見ていくと、安定した投資をしようと思うと、せいぜい2%。しかも、為替相場の影響があるので、これを見込まなければいけない。5%くらいとなると、成長著しい国か財政問題に不安を抱える国に投資するしかない。しかも、その国の成長により為替相場が円安、当該国の通貨が高くなってくれればよいけれど、物価上昇率で為替相場が決まる側面もあるので、円高になる可能性もある。やはり迂闊には買えない。

 これが世界の常識だと思いましょう。そうすると和牛商法(7.8%の予定利回り)にしろ、医療報酬請求権のMRIインターナショナルにしても、リスクがあったんだと思えるようになります。医療報酬請求権、つまり米国の医者が診療報酬を患者が加入する保険会社に請求する、その債権を投資家の資金で買い取って6~7%の利回りを出せると思いますか? アメリカの国債が2%ほどの利回り。米国の病院がいくらお金に困っていても、保険会社への請求を早めに資金化してくれるからといってもせいぜい4~5%の金利しか許さないとは思いませんか? そこから、米国で病院から債権を買い集める手数などのコストを引いたら、せいぜい1~2%の運用利回りしか出せないはず。それなのに6~7%で回るといっている・・・詐欺だな、と結論できるわけです。

 投資をある程度勉強すれば、こういう推論ができるようになります。「そんなに基礎知識などがないから、そんな勉強はできない」ですか? じゃあ、投資なんかやめて定期預金にしましょうよ。大事な虎の子のお金を出すんですよね。どんな金融商品なのかをわからずに買えますか? 行ったことも町の土地を買えますか? あ、そういえば昔、原野商法というのがありましたね。都会の人に「北海道のリゾート開発予定地を買いませんか?」といって、1000坪でも数万円にしかならないような土地を何百万、何千万円で買わせる詐欺。大事なお金なんだから、きちんと中身を吟味してから買いましょう。

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2013年5月23日 (木)

日経平均株価前日比1143円28銭安

 私は、10時過ぎから仕事で出かけて、戻ってきたら17時だったので、まったくわからなかったのですが、午前中の最初は、多少上げたものの、その後はズルズルというよりはスルスルないしガランガランと下げたようで、日経平均株価が前日比1143円28銭安の1万4483円98銭となったようです。これだけの下げ幅は、13年ぶりだそうです。

 最近になって株を購入された方、あるいは昨日もご紹介したように投資信託を購入された方が4月は非常に多かったそうなので、そういう方々はびっくりされたかもしれません。

 しかし、株式相場とか為替相場って、そういうものですね。ブラックさんとショールズさんという人が株価変動をモデル化する理論を作ってノーベル経済学賞を取っているんですが、その基盤は、ランダムウォークなんだそうで。要するに千鳥足。今日上がったから明日も上がるとかそういう体系ではなく、明日は上がるかも、下がるかも。わかんないから確率1/2。で、明後日も同じく上がるかも、下がるかもで1/2の確率。という風に将来へと発展させれば、正規分布で未来の株価が予想できる。その分布から外れたら買われ過ぎか売られ過ぎだから裁定取引をすれば確実に利益を出せる。ってなことを各国の為替相場でやってロングタームキャピタルマネジメントなる会社で大儲け。が、LTCM社は、ロシア金融危機の際に大損出して破たんして、世界の金融市場に大影響をもたらしました。

 実は、株価や為替の変動は、ごくごく稀に大きく動く、つまり正規分布よりはべき乗分布、ロングテールと呼ばれる分布で変動すると統計的には分析できるのだそうです。つまり、ノーベル経済学賞を受賞したブラック=ショールズ理論は、正規分布とべき乗分布の相違部分の出来事が起きた瞬間に破たんしたということのようです。私の頭の理解の範疇、記憶の範疇で書いていますので、不正確かもしれませんが、私はそんな風に理解しています。

 投資をするということは、今日みたいな相場がたまに起こって、そこで大儲けしちゃったりすることもあるけど、大損したり、少なくともヒヤリとさせられたりという事象に出会う可能性を作るということです。そんなの心臓に悪いという人は、定期預金が良いし、いや、そういうことを体験するのも勉強だ、そしてあわよくば運用利回りを高めたいという人は、投資の世界へどうぞ・・・ということなのかなと思いました。

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2013年5月22日 (水)

プロも購入するETF

 今日の日経には、投資信託がものすごく売れてたいへんだという記事が出ていました。また、同じ日経の夕刊では、著名な米国投資家ジョージ・ソロスのヘッジファンドが「iシェアーズ・MSCIジャパン・インデックス・ファンド」というETFを30万株保有していたものをこの1~3月期の間に売却した(売り抜けた)という情報を織り込んだ記事が出ていました(ウォール街ラウンドアップ欄)。

 一般の個人投資家が手数料の高い投資信託を購入し、プロの投資家がETFを買う。不思議です。要するに素人はETFという魅力的な投資信託を知らないうちに手数料の高い投資信託を売りつけられているのではないでしょうか。

 iシェアーズ・MSCIジャパン・インデックス・ファンドというのは、MSCIジャパン・インデックスによって測定される日本市場で公開取引されている証券の価格および利回りの実績に概ね対応する投資成果(手数料および経費控除前)をあげることを目標としたファンドです。管理報酬は、0.53%と低いです。保有銘柄の一覧を見ると、トヨタ、三菱東京UFJファイナンシャルグループ、ホンダ、三井住友ファイナンシャルグループ、ソフトバンク、みずほファイナンシャルグループ、キャノン、JT、武田製薬、日立などと並んでいて、「株も買いたいけど、何を買ったらよいのかわからない」と言う人にはお勧めな感じ。そりゃそうです、日本の株価指数に追随するように運用されているんですから。要は、日経225銘柄を全部購入するようなイメージ。商品の内容もリスクも期待したいリターンもよくわかる商品です。

 なんで投資の入門者がこういうわかりやすい商品を購入しないのだろう?と不思議に思いませんか? そりゃ、知らないからですね。そして、売り手から紹介されないからです。なぜ、紹介しないのかと言えば、おそらく販売手数料が低いからだと思います。だって、ETFすなわち上場している株式同様の商品なので、せいぜい数千円といった手数料しか稼げないからです。

 と言うことで、やがては、このブログでも様々なETFについて紹介しようと思っておりましたが、本日は、その第1回目と言うことになります。そもそもETFとは何か?という話も十分にはしていないし、リスクとベネフィットについてもう少し書きたいことがあったような気がしますので、明日以降、何を取り上げるか、考えておきたいと思います。

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2013年5月21日 (火)

ポートフォリオってなんだ

 昨日のブログの最後にさらりとポートフォリオという言葉を使っていました。このポートフォリオって何なんでしょうね。意外と意味を分からず使い、使われた側もなんとなく考えずに受け止めている言葉かもしれません。

 ウィキペディアによれば、「ポートフォリオ(英語:portfolio)とは、安全資産と危険資産の最適保有率のことである。」「資産選択の問題として考察すると、収益が確定し、リスクの少ない安全資産と、市場価格の変動によるキャピタル・ゲインやキャピタル・ロスが発生し収益が不確実になるような、リスクの高い危険資産を、どのような割合で保有するのがよいかという視点から貨幣需要を見るアプローチである。」といったことが
書かれています。

 でも、日常のFPなどが我々素人に語っているときには、投資先の分散状況という程度のニュアンスで使い、「あなたのポートフォリオは国内資産への投資に集中しすぎているきらいがあり、もう少し海外資産への投資を考えないと少子高齢化の日本の経済動向に運用成績の足を引っ張られる恐れがあります。」みたいな表現で使われていることが多いような気がします。要するに分散投資の状況のことですね。

 この「分散投資」ですが、ふたたびウィキペディアでは、分散投資とは、「投資金額を分散していくつかのものに投資する手法である。一つのものに投資するとなんらかの要因で投資対象の価値が下落した場合は投資資金がほとんどなくなってしまうので、そうしたリスクを軽減するために行われる投資手法である。主に、中長期の投資スタイルに向いている。」といったことが書かれています。

 そして,具体的な手法としては、(1)時間的に分散する、(2)投資先を分散する、(3)投資商品を分散する、という3つが紹介されています。
 (1)は、1度にすべての資金を投下するのではなく、毎月同額ずつ買うと平均買入れ単価が低めになるし、(2)(3)は、株だけを買うのではなく、株が上がるときに下がる性質の債券も買っておく、自動車産業が良いと思ってもトヨタだけでなく日産、ホンダも買っておく、円相場を考えれば、トヨタだけでなく、GMやボルボも買っておく、日本株を複数買うだけでなくとSP500に連動する投信を買っておく・・・のどれが(2)で(3)だかわかりずらいのですが、まあ、そんなこと。

 でも、これって、結局は投資成果をハイリターンからミドルリターンへと引き下げる行為です。例えば、自動車産業が良いと思って、トヨタと日産とホンダを買っていて、F1レースに復帰のニュースでホンダの株価が上昇したら、ホンダだけを買っていた投資家には運用成績で負けることになります。また、個人がこういうことをやろうと思ったら、多額の資金もいるし、ホンダだけでなくトヨタの決算書も日産の決算書も勉強するなんて時間に限度があるし、実は俺は昔っから日産ファンなんだという人にとってトヨタを買うのは苦痛でしかない。それなら、定期預金100万円と日産の株式を100万円分という投資の仕方だってあるんだと思います。

 ポートフォリオとか分散投資って、本来、機関投資家のためにある理論やツールであって、個人投資家としては、「資産運用は、余剰資金の範囲内で行い、すべてを株などハイリスクな投資先にするのではなく、ローリスクなものも含めて、何通りかにしようね、馬券の1本買いみたいなことはしちゃダメだよ」という程度の話なのではないでしょうか。で、そういうことも含めて、投資信託はみなさんの分散投資のニーズを叶えますみたいな宣伝文句があるのかな?などと思ったりしてます。これは、また、後日書くとしましょう。

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