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2018年8月12日 (日)

褒めるべき時には褒めよう

 週刊東洋経済8月13日号の9頁に経済評論家の小峰隆夫氏が「褒めるべき時には褒めよう」というコラムを書かれていました。

 世界では、トランプ大統領が仕掛けた保護貿易主義により、米中だけでなくEUやカナダまで報復関税合戦を始めている経済情勢であることが述べられています。経済学的には、貿易の振興は善、関税障壁など貿易を妨げる行為は悪です。とはいえ、貿易により海外から商品が流入することで競争力がない商品を生産していた事業者は、危機に直面し、もしかするとその生産を止めなくてはならなくなります。

 しかし、安い商品が入ってくれば、その国の消費者は、良いものを安く買うことができ、余ったお金で他の商品も買うことができます。また、その国に良質で安価に作れる商品があれば、貿易によってより多くの売上高を獲得して、多くの労働者を雇用することになるでしょう。こうした効果は、貿易の相手国にも生じます。その結果、それぞれの国で社会的余剰が増えるというのが貿易の理論。ま、競争力のない商品の生産に関わっていた労働者が、優位性のある商品の生産に関わる労働者に転換できれば・・・の話なのかもしれません。そこの転換が容易ではないから、トランプさんは、貿易不均衡を怪しからんといい、新しい業種へ転換できない労働者はトランプさんを支持するのでしょう。実際、フィラデルフィアで製鉄所に勤めていた50歳のオジサンに「シリコンバレーではエンジニアが高給を取れるらしいよ」といっても、エンジニアになれる人はいないと思います。しかし、そういうオジサンへの救済策は必要かもしれませんが、若い人は、エンジニアになる勉強をすればよい。なので貿易は振興したほうが国民のため、世界の人々のためになるのでしょう。

 それなのに報復関税により貿易が縮小させられようとしている。そんな世界情勢の中で、日本はTPP11を発効させようと頑張ってきました。アメリカが抜けてもそれ以外の国で発効させようと働きかけてきました。また、RCEP(東アジア地域包括経済連携)の合意も目指しているそうです。小峰先生は、日本のそうした貿易振興への尽力を解説し、日本の頑張りは評価されるべきだという意見なのですね。日本のマスコミも評論家も政府を批判すると仕事をした気になるのか、まず褒めるようなことはしません。しかし、誉めるべきときには大いに誉めるべきだというのが小峰先生の論考なのですね。

 確かにTPPについては日本でも農家が反対したり・・・というのもありますが、平均年齢70歳の農家が日本人や海外の人に喜ばれる良質な産物を作れるのだろうか?と考えると、TPPを実施しつつ、農家の若返り策を検討・実施したほうが良いのかもしれません。マスコミも評論家も政府を批判していれば頭よさそうに見えたり、有識者っぽくみえることを期待してしまうのかもしれません。しかし、是々非々で、良いことをしている時にはそれを褒めるというのは大事なことだと思います。このところ、政府への批判が日本中に渦巻いていたので、褒めるべき時には褒めるという当たり前のことがかえって新鮮に感じられました。

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