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2018年7月 9日 (月)

「AIvs.教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著)

 今頃ですが、話題の本を読みました。東ロボくんを開発していた新井紀子さんの著作です。東ロボくんの躍進と限界にだけ触れている本ではなく、それを受けてシンギュラリティは来ないというAIのことだけを書いた本でもなく、限界はあっても、とりあえずMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)くらいには合格するAIが普及してくる中で、AIと同じ部分で戦うと8割の人は負けちゃうわけで、日本の教育は大丈夫か、日本の未来はあるか?という本になっています。
 
 未来において、AIができない仕事をできる人が不足して、結果としてAIに仕事を奪われた人が失業するという姿になっては困るという観点で書かれており、そのために必要なのは、読解力だという結論。その検証のために、リーディング・スキル・テストを大きな規模で実施してきた著者。英語でも、プログラミングでもなく、読解力が大事。そして、それは成人になってからでも伸びるという明るい仮説まで提示してくれています。
 
 AIに単純思考の仕事は奪われても、人間はAIにできない仕事をすればよいし、そういう仕事が生まれてくるよ、車ができて、馬車の御者は仕事を失ったけれど、自動車整備工やタクシー運転手という仕事が生まれたじゃない・・・みたいなことにはならないかもという指摘は怖いです。新しい産業が興っても、その担い手となる労働者の能力が足りなくて、企業は人材不足だけれども、巷には失業者が溢れているという状況では、新しい産業は伸びないというのですね。
 
 でも、その解決策は、ベーシックインカムではなく、ブルーオーシャンで戦えという話が興味深かったです。経済学の需要曲線と供給曲線の交点で決まる最適価格という他社同様のコストダウンができなければ市場退出というレッドオーシャンではなく、「ほぼ日手帳」のように独自性ある商品やサービスで需要が供給を常に上回っているような状況に持ち込めという言うのですね。
 
 「重要なのは柔軟になることです。人間らしく、そして生き物らしく柔軟になる。そして、AIが得意な暗記や計算に逃げずに、意味を考えることです。生活の中で、不便に感じていることや困っていることを探すのです。」(P.279)というのは、勇気づけられるように思いました。

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AIでは絶対に代替できない仕事の多くは、女性が担っている仕事です。(259ページより) [続きを読む]

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