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2018年5月24日 (木)

新しい会計ソフトは怖い

 あるクラウド会計のシステムの話です。請求データを作ると、売上、売掛金が計上できて、翌月とかに預金データを取り込むと、入金消込、売掛金入金の仕訳が作成されるというのは、かつての伝票を起こして、ソフトに入力という手順からすると画期的です。
 
 ところが、顧問先の資料で、いやに消費税額が多く出る。あれ、課税売上が多いぞ?と思って、調べると前受金が課税売上になっている。なるほど、前受金の請求データを作った際に、当然ながら消費税も請求するので、前受金が課税売上として入力されてしまっていました(正しくは課税対象外。売上への振替時に課税売上となります)。これに気づかずに消費税の申告書を提出すると、前受金請求額の8%分(正しくは8/108%)だけ課税売上が多くなって、消費税納税額が大きくなってしまいます。お客さんに損をさせる。おそらく、前受金の入金時には課税売上のマイナスになるのでしょうから、2期を通せばセーフで、期末をまたぐ場合にだけ問題が生じるのでしょう。
 
 新しいシステムって、ちょっとルーチンではない取引(前受金の請求はルーチンですけど)などでバグが隠れている恐れがあります。クラウド会計のシステムって、みんな新しいシステムなので、こういう不安が残っているわけです。あらためて、システムって、頭から信じて使ってはいけないのだという教訓を得ました、3月決算5月申告の1年で一番忙しい時期の月末に。

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2018年5月21日 (月)

消費者庁の軽減税率対策の文書

 「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」という文書が消費者庁から公表されています。軽減税率が導入された際の2種類の価格表示についての案内です。たとえばハンバーガーを店内で食べると外食10%、テイクアウトは食品8%なのでメニューの価格を2段書きにする等を例示しています。

 消費者庁:消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について http://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/consumption_tax/pdf/consumption_tax_180518_0002.pdf

 値付けは事業者の自由だから、店内で食べてもテイクアウトでも同じ値段にしてもいいよ、とも書いてあります。その方がオペレーションが楽かもしれませんね。ただ、その結果、消費税の申告はどうするのかが難しくなります。テイクアウトだと紙袋を使うので、その枚数をカウントしておいて、来店客総数との比で、人数比で店内、テイクアウト比率を取ったら良いのか、ダメなのか、消費税の通達で出てくるかもしれませんね。でも、トレイに載せるか、紙袋に入れるか、決めないといけないから、必ず「店内でお召し上がりですか?」とか聞くわけで、それに応じて、レジ打ちの際に打ち分ければよいのですね。

 外食とテイクアウトの値段が同じなら、お客は、嘘の返答はしないでしょう。値段が違うと、「テイクアウトです。」とか言いながら、テーブルに座ったりするお客が出てくると思いますが。ということで、軽減税率を導入しても、それをお店で実感できるとは限らないわけで、やはり、つまらない制度は入れない方がよいのではないかと思ったりする次第です。

 

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2018年5月 7日 (月)

外資系企業のサラリーマン

 今日、事務所に外資系企業に勤務するサラリーマンの妻と名乗る方から電話がありました。夫がストックオプションの付与をされて、行使をしたりしているのでその税金が・・・というご相談。続いて、所得税が大変なのだが、節税を考えないでよいのだろうか?という心配をされているとのこと。
 
 そうなのです、外資系企業に勤務しているストックオプションを付与されるような幹部従業員は、この数年でものすごく増税になっているはずなのです。まず、給与所得控除の上限が定められました。以前は、無制限に5%は給与所得控除が取れたものが、平成25年からは1500万円以上の給与については給与所得控除に245万円の上限が設けられ、その後、上限が引き下げられて、平成29年度からは、1000万円を超えると給与所得控除は、220万円から増えません。年間の課税所得が1800万円を超えると、所得税率は40%ですから、この5年間で、同じ給与でも課税所得は、25万円以上増えた計算になり、10万円以上も所得税が増えたわけです。当然ながら税率10%とはいえ、住民税も増えています。
 
 さらに平成30年からは、所得900万円(給与額面だと1120万円)以上の人は、配偶者が専業主婦だったりする場合の配偶者控除を利用することができなくなっています。そのため、今年の1月からは、給与から天引きされる所得税が増えているはずです。配偶者控除は、38万円ですから、所得税率40%が適用されるような所得の人だと、152,000円年間の所得税が増えます。毎月の給与からの天引される所得税は、1万円以上増えているのでしょう。
 
 こうした「取れるところから取る」増税の典型的なターゲットが「外資系企業に勤務する幹部従業員」であるわけです。相談の電話を受けながら、「痛税感があるのだろうなぁ」と思いました。だからといって、節税対策用のマンションなんかセールスマンに勧められるがままに買ってはいけないのですけどね。庶民から見れば、羨ましいだけの話に思えると思いますが、数年間で30万円も納税額を増やされた人たちもいるのだということは、知っておいてください。

 

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2018年5月 6日 (日)

法人税法第22条の2の条文

 今日は、読み物ではなく、単純に税法の条文を掲げておくだけです。「収益認識の会計基準」が公表され、それを受けて、法人税法の肝と言われる第22条第4項に改正が入り(といっても、「別段の定めがあるものを除き、」が加わっただけですが)、第22条の2という新条文が加わりました。また、施行令でも第18条の2が新設されました。しかし、案外、この条文を丸々掲げているサイトって、無いようです。官報から、とりあえず引っ張ってきて、ブログに貼っておくだけでも役に立つかな?ということで、置いてみます。税務六法などが発売になるまでの意味しかないのですけどね。

法人税法第二十二条
 4 第2項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

第二十二条の二
 内国法人の資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
2 内国法人が、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の前項に規定する日に近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、同項の規定にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、当該事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
3 内国法人が資産の販売等を行つた場合(当該資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて第一項に規定する日又は前項に規定する近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合を除く。)において、当該資産の販売等に係る同項に規定する近接する日の属する事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載があるときは、その額につき当該事業年度の確定した決算において収益として経理したものとみなして、同項の規定を適用する。
4 内国法人の各事業年度の資産の販売等に係る収益の額として第一項又は第二項の規定により当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、別段の定め(前条第四項を除く。)があるものを除き、その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とする。
5 前項の引渡しの時における価額又は通常得べき対価の額は、同項の資産の販売等につき次に掲げる事実が生ずる可能性がある場合においても、その可能性がないものとした場合における価額とする。
一 当該資産の販売等の対価の額に係る金銭債権の貸倒れ
二 当該資産の販売等(資産の販売又は譲渡に限る。)に係る資産の買戻し
6 前各項及び前条第二項の場合には、無償による資産の譲渡に係る収益の額は、金銭以外の資産による利益又は剰余金の分配及び残余財産の分配又は引渡しその他これらに類する行為としての資産の譲渡に係る収益の額を含むものとする
7 前二項に定めるもののほか、資産の販売等に係る収益の額につき修正の経理をした場合の処理その他第一項から第四項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

法人税法施行令
第十八条の二
 内国法人が、法第二十二条の二第一項(収益の額)に規定する資産の販売等(以下この条において「資産の販売等」という。)に係る収益の額(同項又は法第二十二条の二第二項の規定の適用があるものに限る。以下この条において同じ。)につき、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて、法第二十二条の二第一項又は第二項に規定する事業年度(以下この条において「引渡し等事業年度」という。)後の事業年度の確定した決算において修正の経理(法第二十二条の二第五項各号に掲げる事実が生ずる可能性の変動に基づく修正の経理を除く。)をした場合において、当該資産の販売等に係る収益の額につき同条第一項又は第二項の規定により当該引渡し等事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された金額(以下この項及び次項において「当初益金算入額」という。)にその修正の経理により増加した収益の額を加算し、又は当該当初益金算入額からその修正の経理により減少した収益の額を控除した金額が当該資産の販売等に係る同条第四項に規定する価額又は対価の額に相当するときは、その修正の経理により増加し、又は減少した収益の額に相当する金額は、その修正の経理をした事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。
2 内国法人が資産の販売等を行つた場合において、当該資産の販売等に係る収益の額につき引渡し等事業年度後の事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る当初益金算入額を増加させ、又は減少させる金額の申告の記載があるときは、その増加させ、又は減少させる金額につき当該事業年度の確定した決算において修正の経理をしたものとみなして、前項の規定を適用する。
3 内国法人が資産の販売等に係る収益の額につき引渡し等事業年度の確定した決算において収益として経理した場合(当該引渡し等事業年度の確定申告書に当該資産の販売等に係る収益の額の益金算入に関する申告の記載がある場合を含む。)で、かつ、その収益として経理した金額(当該申告の記載がある場合のその記載した金額を含む。)が法第二十二条の二第一項又は第二項の規定により当該引渡し等事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入された場合において、当該引渡し等事業年度終了の日後に生じた事情により当該資産の販売等に係る同条第四項に規定する価額又は対価の額(以下この項において「収益基礎額」という。)が変動したとき(その変動したことにより当該収益の額につき修正の経理(前項の規定により修正の経理をしたものとみなされる場合における同項の申告の記載を含む。以下この項において同じ。)をした場合において、その修正の経理につき第一項の規定の適用があるときを除く。)は、その変動により増加し、又は減少した収益基礎額は、その変動することが確定した事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入する。 4 内国法人が資産の販売等を行つた場合において、当該資産の販売等の対価として受け取ることとなる金額のうち法第二十二条の二第五項各号に掲げる事実が生ずる可能性があることにより売掛金その他の金銭債権に係る勘定の金額としていない金額(以下この項において「金銭債権計上差額」という。)があるときは、当該対価の額に係る金銭債権の帳簿価額は、この項の規定を適用しないものとした場合における帳簿価額に当該金銭債権計上差額を加算した金額とする。

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