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2018年2月 6日 (火)

相続税対策で賃貸住宅するべきか?

 今日、顧問先の社長からメールが飛び込んできました。兄弟が土地を購入して賃貸住宅を建築するというプランに飛びつきそうなのだが、サラリーマンが急にやってうまく行くとは思えない、相談に乗ってもらえるか?というお話。
 
 ということで、私の著書「税理士も知っておきたい相続手続・書類収集の実務マニュアル」の最後のページから引用しておきます。
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 7.賃貸住宅の建築

 

 これは,自宅や遊休の土地に賃貸マンションや賃貸アパートを建築して,建物の取得原価の金額と相続の際の固定資産税評価額との差額を節税し,さらに土地の評価額を下げるといった節税手法です。最近では,タワーマンションの高層階を購入するといった手法も耳にします。

 

 これについては,相応の効果があるのは確かです。ただし,借り入れをしてマンションを建築したにも関わらず,満室にすることができず,借入金の元利返済に苦労するといった話もしばしば耳にするところです。こういう話は,自分の営業のマイナスになりますから建築業者はしません。そのため,相続税対策をしようとしている人に税理士が伝えてあげないといけない事項だと考えています。人口が増えている時代なら部屋は放っておいても埋まったかもしれませんが,人口減少時代です。全国の自治体で空き家対策といった話が出ている時代だということを認識したいものです。賃貸住宅を建てるなら,相続対策ではなく,不動産賃貸業を始める覚悟で建てるべきだと顧客に助言しています。

 「30年一括借り上げ」だから安心といった話もよく耳にしますが,こあれにも注意が必要です。業者が用意してくる収支計画表は,多くの場合,30年間同じ賃料で賃貸できる前提で収支計画が作られています。しかし,築20年以上の部屋が新築当時の値段で貸せるわけがありません(少なくとも物価が上昇しない限り)。賃料の低下を織り込むと借入金の返済額を割り込んでしまう事例を見ることがあります。

 こうした経済情勢を考えながら,顧客にアドバイスするのも税理士の仕事だと考えています。
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 ここでの「不動産賃貸業を始める覚悟で建てるべき」というのは、不動産屋さんから「良さそうな物件が出ました」と言われたら、直後の仕事や約束を放り出して現場を見に行く、そういうプライオリティを不動産に関して持つということ。億単位の投資をするかどうか、良い物件なら、翌日には他の人に買われちゃうかもしれない、それが不動産です。建築業者が持ち込んできた案件というのは、そういう風に右から左に動かなかった物件なわけですから、良質な物件ではないわけです。
 
 土地と建物の金額を考えたら、1億円、2億円という単位の買い物です。車を買うときに「あと10万円値引きできないの?」って聞きませんか? それなら、1億円の買い物で、「あと5百万円安ければ、考えてもいい」くらいの話をするべきじゃないですか? 昨日お会いした地主さんには、「いろいろな建設業者が建てないか?って話に来るけど、得する気がしない。何もしないで駐車場にしておくのは駄目ですか?」って聞かれました。「リスクを取らない、その代わりに利益も狙わないというのも立派な意思決定なので、よいと思いますよ。」ってお返事しました。土地を持っていて、アパートを何棟か所有している地主さん(ある意味、不動産屋さん)がそういうくらいですから、素人は迂闊に手を出すものではないと思います。

 

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