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2018年2月21日 (水)

医療費控除の改正は、困りもの

 医療費控除の改正というタイトルを見ると、セルフメディケーション税制の話かと思われると思いますが、そうではなくて従来型の医療費控除の話です。
 
 今年から医療費控除について、従来のままで行うこともできるものの、原則は医療費控除の明細書に詳細に記入をして、その元となった医療費の領収書は、5年間自宅で保存ということになります。さらに、医療費控除の明細書には、明細を書く手間に配慮して、協会けんぽや国民健康保険から送られてきた「医療費のお知らせ」などの医療費の通知書の合計金額を転記すれば大丈夫という改正が行われています。
 
 ところが、この部分があまりにも不完全で、実務的には使えません。国保も同様のようですが、ここでは、協会けんぽの「平成30年2月に「医療費のお知らせ」を送付します」という資料をもとに列挙させていただきます。
1.確定申告に間に合わない
 所得税の確定申告は、2月16日からです。還付申告については、1月からでも受け付けます。ところが送付時期は、「平成30年2月7日(水)~平成30年2月16日(金)に郵便局へ発送準備を行った後、順次発送となります。」となっています。郵便局へ持ち込むのが2月16日までなので、それから順次配送されるので、16日の確定申告初日には間に合いません。実際、2月20日に到着している事例がありました。
 
2.事業所に郵送される
 協会けんぽは、会社などで加入しているわけですが、その事業所に「医療費のお知らせ」はまとめて送られます。そのため、従業員に配布されるには、さらに1日くらいタイムラグが生じます。
 
3.年間分ではない
 このお知らせに記載されているのは、平成29年10月分までです。そのため、資料にも「H29.11~H29.12については、医療機関からの領収書に基づき作成した医療費控除の明細書を申告書に追加して添付してください」とさらりと書いてあります。不便じゃないですか。
 
4.すべての診療が記載されているわけではない
 おそらく精神科、性病科など家族といえどもプライバシーが関わる診療科目については、記載されていないようです。「特定の診療科を有する医療機関等で受診した場合には記載されていない場合があります」と書かれています。さらに医療機関等から協会けんぽへの請求が遅れている場合、レセプトの内容を審査中の場合には、記載されていないそうです。ということは、手元の領収書と「お知らせ」の記載を1行ずつチェックして、記載されていない領収書は、明細書に個別に書き込む必要があります。
 
5.自費診療や差額ベットも記載されていない
 この「お知らせ」は、健康保険制度の下での医療費の報告なので、歯科などでの自費診療、入院時の個室料や入院時の食事の費用などは、含まれていません。
 
 ということで、上記が改善されない限りは、領収書の束を電卓で足し込んで、「大口の病院や調剤薬局くらいの小計は書くとしても、あとは税務署に送り付けた領収書をみてね」という従来方式の方が楽なような気がしてなりません。
 
 所得税法を改正して、医療費控除は前々年11月から前年10月までの医療費で申告できるといった制度変更でもないと、このままでは、医療費控除は面倒だ・・・という話になってしまうかもしれません。国税庁だけでなく、厚生労働省、協会けんぽ、健保組合、国保を運営する市区町村が絡む話だけに制度を使いやすくするのは、たいへんなことだと思います。

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