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2018年2月20日 (火)

小学校と標準服

 銀座の泰明小学校が標準服にアルマーニを採用というところで、世間では盛り上がっています。標準服というのは、制服とは異なり、着ても着なくてもよい・・・しかし、多くの児童がそれを身に着けることで、華美な服を着る子や逆にチープな服を着る子といった差ができることを防止するという意味があったのだと思います。制服だと全員着用だが、標準服なら買えない人は買わなくてよい。
 
 さて、アルマーニの服だと5万円にはなり、セーターなども含めると8万円になるといって世間では話題になっているのは、みなさんご存知の通り。しかし、ふと、思ったのです。もともとの標準服って、いくらだったのだろうか。報道等を見ると、アルマーニになると従来の「2倍以上」とか「3倍に」といった表現が見られるので、おそらく従来は2万円ちょっと、だから、フルセットの8~9万円だと3倍ということなのだと思います。従来でも2万円以上したわけです。シャツと半ズボン、ブラウスとスカートだけだとすると、けっこう高い。上着もあるのだろうか?
 
 この2万円以上する標準服、中央区銀座に生活保護世帯の家庭があるかどうかは微妙ですが、公立小学校である以上、その可能性を勝手に捨て去ることはできません(少なくとも売上不振で課税所得がゼロ近辺となり、生活が苦しい老舗を営む家はあるはず)。いや、そもそも2万円以上する標準服は、中央区の他の小学校でも多くは採用していたわけです。そうなると、中央区に住む貧しい家庭では、標準服が買えないこともあるのではないかと思ったのです。
 
 旧来的な観点での標準服は、指定販売店となった町の洋服屋さんが縫製工場に依頼して、児童の数分だけ服を作り、販売していたのだと思います。それだと2万円にはなってしまうかもしれない。しかし、今は、ファストファッションがある。ユニクロやH&Mが全国共通の規格で標準服を作り、ワッペンや生地の色だけが違うという形で学校ごとの標準服を提供したら、1セット1万円でできてしまうかもしれません。つまり、昔と異なるビジネスモデルによって、標準服はもっと安くなる。それであれば、そうした方向性を探るのが、中所得階層が昔より細ってしまった現代日本の在り方なのではないか?と思いました。
 
 アルマーニに捉われていると、「そもそも公立小学校に標準服は必要なのか?」とか「今の標準服は、高すぎないか?」といった議論をする機会を失ってしまうのではないかと思います。義務教育の無償、教育機会の均等といった大きな話をしようと思ったら、泰明小学校ではなく、なぜ、中央区の小学校の多くは、標準服を定めているのか?というところへと話が進んでいった方が良いのではないか?と思った次第です。もちろん、そうした話をする際には、「町の中小企業のビジネスチャンスを奪うのか?」という反論も出るでしょうし、「いや、時代の流れに合わない企業は、市場から退出するのが経済の活性化だ」という意見も出てくるはずです。案外、幅の広い、骨太な話に展開するのに、アルマーニが高価という話で終わってはもったいないかなと思うのです。ちなみに中央区立常盤小学校の標準服は、三越の制服売り場で買うのだそうです。

 

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