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2017年9月 1日 (金)

スキャナ保存で企業体質の改革を

 先月、「スキャナ保存導入は、なぜ進まない」というブログを書きました。そこでは、経理マンが慎重すぎるのではないかという仮説を提示しましたが、一般にデジタルより紙の方が真正性の確保の程度が高いという誤解があるような気がします。電子保存のツールの1つである、タイムスタンプは、電子文書が存在していた日付とそれ以後の修正・訂正・改ざんがないことを保証する仕組みです。ということは、書類の作成などを絶対にバックデートできないという紙にはない真正性が確保されることになります。
 
 契約書の作成においては、双方の都合で4月3日になってから3月31日の日付で作成して、双方捺印をするといった場合がありますが、電子保存の場合だと、そういう操作ができません。4月3日にタイムスタンプを付けたら、4月3日以後は存在していたことは証明されますが、3月31日にはまだ作成されていなかったかもしれないということが明確になってしまいます。つまりバックデートの証拠が明確に残るのです。
 
 逆に言えば、融通が利かないということでもあります。しかし、融通が利くということは、それが会社全体の認識と取引相手の合意によるものであればまだ良いのですが、経営層の都合のために行われたり、経営陣の意図の外で営業部とかに不正をされる(押込み売上とか)リスクもあるわけです。つまり、書面の契約書は、融通が利く分だけ内部統制的には弱点を抱えているとも言えるのです。
 
 そういう風に考えると、電子保存を進めたくない背景には、経営の自由度が侵されると考える経営陣の発想があるのかもしれません。そのためにスキャナ保存の導入を躊躇い、自社の内部統制を脆弱のままに放置する。そういう会社でよいのか?というのは、あらためて考えるべき課題ではないでしょうか。東芝だって、経営陣の都合で「こんな利益じゃ公表できない! チャレンジしろ」などと命令して、利益を操作する「自由度」が会社の失敗につながったわけです。

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