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2017年8月 1日 (火)

高負担&高福祉の社会

 朝日新聞の報道によると(記事はこちら)、民進党の党首選挙に当たり、前原誠司さんは、党のマニフェスト案として「増税で段階的に年間10兆~30兆円の財源をあつめ、保育や教育、職業訓練、介護など幅広い世代にむけた生活保障を実現する。」という構想を持っているようです。
 
 これは画期的だと思います。日本の政治や行政には無駄があって、それを解消すれば、増税なんかしなくても済む。「増税の前にすることがある」と散々言ってきた旧民主党が事業仕分けをすれば、「2番ではダメなんですか」という名言は生みつつも、成果は生まれなかったことは皆さん、ご承知のところ。
 
 これに対して、年間10兆円から30兆円の財源を集めて、厚い福祉を提供しましょうというのは、これまでの野党の主張にはなかったものです。増税は反対、でももっと福祉をというあり得ない主張から、現実的な主張になりました。消費税1ポイントで2.5兆円の税収がアップすると言われています。すでに10%への増税は決まっており、その使途も決まっているので、新しいマニフェスト(案)は、消費税だけで財源を集めるならば、14%から22%の消費税率にする代わりに、高校も無償化かもしれないし、大学を出ても就職をうまく見つけられなかったら職業訓練が提供され、子育てのための支援により保育園の順番待ちなど解消されるのかもしれません。
 
 これは、消費税率25%の北欧諸国などと共通する「高負担&高福祉」という主張だということができるでしょう。アメリカなどは、低負担&低福祉。健康保険の皆保険を狙ったオバマ・ケアにも反対の声があるくらい。日本の現状は、中負担&中福祉でしょうか。
 
 対する野党第一党が「高負担&高福祉」で行きたいと言えば、初めて経済政策論争が成立することになります。今までは、「増税反対、福祉にお金を回せ」で、「低負担&高福祉」というあり得ない主張でしたから。念のため、説明しておくと、我が国の防衛費が約5兆円。国、年金特別会計、地方自治体などの合計での社会保障費は、110兆円を超え、高齢者層の増加という自然増で、毎年1兆円前後増え続けています。防衛費を減らして、社会保障費の増加を賄おうとしたら、5年くらいで、防衛費はゼロとなって、自衛隊員の給与も払えなくなります。こういう現実を前に、日本は、どうするべきか。
 
 昔の社会党とかは、良かったんです。高度経済成長期は、経済とか財政を心配する必要がなかったから、単純に佐藤栄作さんや田中角栄さんを批判していれば、党の存在意義が保てました。しかし、少子高齢化の今日の日本では、現実を見据えた野党というものが求められます。「高負担&高福祉」が国民の支持を集められるかどうかはわかりませんが(そもそも民進党のマニフェストになるかどうかもわからない)、1つの対立軸として、こうした主張があることは、国民の選択の幅を拡げてくれると思った次第です。

 

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