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2017年6月 6日 (火)

「公益」資本主義~原丈人著を読みました

 「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉 (文春新書)は、英米型資本主義の終焉というサブタイトル通り、旧来の日本の経営、従業員を大事にして、三方よしの理念こそがこれからの時代の経営スタイルであるべきだ。株主資本主義で、投資家が儲け、それに尽くした経営者が莫大な報酬を得るというアメリカ型の経営は、ダメだと断じる書です。

 実は、ジャパン・アズ・ナンバーワンと同じような気がしないでもないのですが、あの頃は、「アメリカは、四半期決算なんかやっているから、3か月で成果が出せる経営に走って、5年後10年後を考える経営者がいないんだ」といった話が出ていましたが、今や、日本も四半期決算。このままでは、日本は、ずっと駄目になるという危機感から書かれた本になっています。

 この本によれば、コーポレートガバナンスコードなども株主資本主義によって、作られているからダメだということになり、であるならば、日本企業を評価するにあたっては、「コンプライ」ばかりの企業は駄目で、「エクスプレイン」がたくさんある会社、そしてその記述内容が素晴らしい会社がよい会社だという判断基準になりそうです。

 公益資本主義の3本の矢は、(1)中長期投資、(2)社中分配(企業を支える仲間に分配)(3)企業家精神による改良改善(P.161)だと著者は、言います。そして、カジノ資本主義ではなく中長期の勝負、ゼロサムゲームではなくプラスサムゲーム、一部の超富裕層と大多数の貧困層を生むのに対して、層の厚い中間層を生む、英米の金融界やウォール街が望む資本主義ではなく世界の大多数の国民が望む資本主義(P.172)という違いがあるのが公益資本主義なのだそうです。

 久々に、読んでいて気持ちが良くなってくる本でしたので、ご紹介する次第です。

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