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2017年1月26日 (木)

リノベーションの投資意思決定

 リノベーションって、ご存知でしょうか。賃貸住宅において、壁紙を張り替えるといった店子の入れ替え時の修繕ではなく、畳の部屋をフローリングにしたり、ホテルのようなバス・トイレ一体型のユニットバスをやめて、バスとトイレを分離したりという本格的な改装工事のことです。この工事を請け負う顧問先で、決算の打ち合わせをしてきて、リノベーションについて書いてみる気になりました。
 
 このご時世、賃貸物件探しもネットですから、検索時の条件でフローリングにチェック、畳にはチェックを入れてもらえない場合には、床が畳の物件は検索結果に出てきません。どんなに外装が良くて、フローリング物件より割安でも検索に出てこない限り、物件はないのと同じ。抹殺されてしまうわけです。
 
 ということで、200万円かけてもしっかりしたリノベーションをしよう!ということになる・・・わけですが、200万円は妥当なのかどうか?というのをどう検討しようかというのが税理士のブログ。従来、私は次のように考えていました。
 
 「今まで、8万円で貸してきたがここしばらく入居者が決まらない部屋がある。物件見学にすら来ない。やはり部屋に問題があるのかも。6.5万円に落とせば、借り手はあるだろう。リノベーションをすれば、200万円かかるけれども8.5万円で貸せるらしい。差額は2万円。200万円÷2万円=100カ月なので、8年も投資回収に時間がかかる。200万円は高いのではないか。」
 
 しかし、こんな風に考えることもできます。
「8万円で貸していた部屋を6.5万円で貸せば、入居者は、8万円の入居者とは異なる価値観を持った人になるに違いない。そういう人が入ってきて、他の部屋も空く都度、6.5万円に下げていくと、やがて物件の入居者層が入れ替わってしまって、私の物件はこれまでと異なるものになることを覚悟しなければならない。かといって、8万円のままでは空室のままだ。つまり、部屋を貸せない(貸さない)か、6.5万円の物件にしてしまうか、200万円かけて8.5万円の物件にするかの選択なのだ。それなら、200万円÷8.5万円=23.5カ月という計算で、2年で元が取れると考えてもよいのではないか。」
 
 一般的に不動産賃貸関連の業者が言う投資回収期間の計算は、後者の「投資金額÷設定予定の賃貸月額」です。しかし、それを安易に信じてよいのか?というのが疑問でした。でも、上記のように部屋に8万円とか8.5万円を出せる人に借りてほしいという気持ちがある場合に限って、この計算を使うのであり、建物の経年老化に応じた賃料の下落をやむを得ないものとして受け入れるのであれば、「投資金額÷(設定予定の賃貸月額-値下げすれば入居してもらえる賃貸月額)」で計算するべきなのだと思います。
 
 どちらの計算式で計算するかを真剣に考えるからこそ、賃貸事業なのでしょう。もしかすると、6.5万円に下げて、あるいは定期借家権を設定して6万円で賃貸して、すべての店子に6~7年後に退去してもらったうえで、建物を立て替えるとか更地にして土地を売却するという意思決定だって考えられます。今日の顧問先も「アパートでも建てて賃貸でもするか」くらいの「考えない大家さん」がけっこういると話されていました。今の世の中、あらゆるビジネスは、真剣に数字と向き合わないとやっていけないのだと思います。税理士は、リノベーションの検討にあたってもお役に立てると思います。

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