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2016年12月28日 (水)

お金で人が動かない時代?

 クリスマスの晩、ドミノピザの店舗でピザの受け取りに来る人で行列ができて、店のオペレーションが大混乱したという記事を見かけました。記事の雰囲気では、「ピザを配達ではなく、受け取りに来るならピザもう1枚が無料」というキャンペーンに魅かれて多くの注文が集まったという雰囲気で書かれていました。
 しかし、数か月に一度程度ですが、ドミノピザを利用している私からすれば、このキャンペーンは普段からのルールであり、車で受け取りに行くという作業をたまにしている次第。つまり、この混乱は、クリスマスのパーティにあたって「そうか! ドミノだったら、1枚無料でほかのピザ屋さんより安いんだ」と気づいた人が多かったということかと思います。
 しかし、あと1つ、私の推測に過ぎないのですが、混乱の原因の1つに店舗でのアルバイト店員のシフト割れがあったのではないかと思うのです。「今の若い人は」という言い方はしたくないのですが、美意識としてクリスマスにアルバイトなんかしているのは恥ずかしい、寂しいという感覚があるのではないでしょうか。草食系の時代なので、若い人すべてにクリスマスデートの予定があるとは思いません。しかし、バイトしているのはあまりにも寂しいという美意識はあるのではないかと。だから、暇でもバイトにはいかない、店長にお願いされても、すげなく断る。
 人が集まりにくい時期であれば、雇用者側もバイト料1割増しとか、対策を打っているのかもしれませんが、950円のバイト料が1050円になろうと、稼ぎたいときに稼げばいいのだし・・・というのが今の感覚なのではないかと。昔の(要するに我々の年代の)バイトは、3万円より5万円、5万円より7万円とか稼げるなら稼いじゃおう、みたいな雰囲気があったと思います。そして、お金が入れば、バイク買おう、車買おうみたいな「欲」があったと思います。しかし、最近は、「携帯電話代と友達との交際費程度の3万円も稼げれば、それでいいんだ」というバイトが多いというのがチェーン展開している飲食店の社長の話。そのため、ドミノピザの店舗のバイト人数は、たくさんの注文を受けるには耐えられない体制だったのではないかと想像するのです。もともと、ピザ釜というボトルネックを抱えている業態で、バイトが足りなくて、ピザのトッピングなどの製造作業と来店客の対応の両方が降りかかってきたのが大混乱の原因になっているのではないかと。
 日中のアルバイト、パートの時給より深夜の時給の方が高いのですが、これからは深夜のバイトも集まりにくい時代かもしれません。そして、バレンタインデー、クリスマスイブ、正月などは、バイトが確保できないということが一層深刻になるかもしれません。人が集まりにくい時には、時給を上げて・・・というので対応できれば苦労はないのですが、そういう欲がない人が多くなっているのであれば、お金で釣ることはできません。何をインセンティブにするのか、何でモティベートするのか、経営者は悩まなければいけない時代だと思います。と、同時に「欲」って、本当は大事だと思うのですけどね。
 <追記>Web予約サーバーが落ちてしまって、混乱したらしいという情報もありました。ピザの場合、焼き釜がボトルネックになるわけで、各店舗ごとにそのキャパを超えないように予約を受け付けないといけないはずですが、そういうロジックがなかったり、サーバーが落ちて、そのあたりがうまく回らなかった可能性はあります。しかし、12月28日21時現在でドミノピザのホームページにはニュースリリース的なものは見当たらず、何とも後味が悪い状況だと私は思いました。

 

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2016年12月12日 (月)

ふるさと納税しましたか?

 ふるさと納税は、素敵な特産品などを送ってもらえるからという魅力から多くの方が行われているようです。そこで、注意事項を1つ。ふるさと納税での特産品等は、所得税の申告においては、一時所得になります。

 これは、総務省のふるさと納税のページでも案内されています。
「ふるさと納税のお礼の特産品は課税対象になりますか?
A 自治体によっては寄附者へのお礼として特産品を送る場合がありますが、これは一時所得に該当します。
これは、ふるさと納税(寄附)が収入(特産品)を得るための支出として扱われず、寄附金控除の対象とされていることに伴うものであり、一時所得は、年間50万円を超える場合に、超えた額について課税対象となります。
なお、懸賞や福引きの賞金品、生命保険の一時金や損害保険の満期払戻金なども、一時所得に該当しますのでご注意ください。」

 つまり生命保険での満期返戻金などで50万円近い一時所得があったりすると、数万円相当のふるさと納税の返礼品で一時所得が課税される域に入ってしまう恐れがあります。ご注意ください。

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2016年12月 7日 (水)

トランプ次期大統領の35%の関税って

 トランプ次期米大統領は、12月4日、「米企業が工場を国外に移転した場合には、その国外工場から米国に輸入する製品に35%の関税を課す」とツイッターに投稿したそうです。一般的な経済学の観点からは、貿易によって、交易を行う双方の国が豊かになると言われますので、トランプさんの発言は、一見するとトンデモ発言です。つまり、18世紀のイギリスであれば、ラシャとワインの両方を無理に作るより、そして、ポルトガルもラシャとワインを自国用に作るより、イギリスはラシャに特化して、ポルトガルはワインに特化してこれを貿易でやり取りすれば、より安くて品質が高いラシャとワインを両国民は消費でき、消費量も増える(価格が下がるから)ので経済厚生は高まるというのが比較生産費説という貿易を論じる経済学説です。
 このニュース以来、国際貿易の効能よりも国内の雇用や安定を優先するって考えはありなのか、あるいは鎖国的な政策で雇用を確保するのは、合成の誤謬にすぎず、結果として国全体、そして世界全体の社会厚生を落として、デフレと同様にみんなが苦しい思いをするのだろうか?などと考えています。つまり、各国が農業、漁業、工業、サービス業などを一定割合で持っていて、ある程度自給自足的に成り立っていた方がよいのかどうか?ということを考えております。
 実は、業種、職種を超えての職業の転換がシームレスであるならば、農業が廃れた国の農民は、都会で工場やサービス業に行けばよいわけです。しかし、そんなことは、すべての対象者ができるものではありません。農業に限らず、旋盤工は、ミクロン単位で削れるから彼の仕事に付加価値があり、本人の満足がある。その旋盤工に畑仕事させても、トラックドライバーさせても、給与は変わらなくても本人は不幸なのではないかなぁ。旋盤工の仕事がある国へ行って、そこでやればいいじゃないという発想も、やはり現実的じゃないです。
 職や住まいを変えるって、たいへんなことだと思います。それを考えると、京都で両替商をやっていた明治時代の三井さんが東京へ出てきて、銀行業に転換したり、写真フィルムを捨てて医療や電子事務機器へ軸足を移した富士写真フィルム、家康と一緒に浜松から江戸へ移ったであろう商人たちは偉いなあと思う次第。それが簡単ではないことは、NHKの「あさが来た」を見ていても(ちょうど1年前の朝ドラ)、コダックやポラロイドのチャプターイレブン申請(日本の民事再生法に相当します)を見てもわかるわけですが、そういうたいへんなことを国民一人一人に期待するということ自体、政策としては下の下です。それなら、トランプさんの言っていることは、立派なことなのではないか?ということにはなりはしないでしょうか。
 国際貿易の利益を説く際のラシャとワインにしても、イギリスの中でも辛うじてブドウが生産できる場所で細々とブドウを作ってワインを製造している人にまで、「マンチェスターへ行って毛織物工場で働け」って言い、ポルトガルで羊飼って毛織物を作っている人たちに「ワイン工場で働け」というのはマクロはともかくミクロ、個々人の幸福感で言えば間違っています。大きな傾向として、イギリスのワイン業者は苦しくなり、ポルトガルのワイン業者は業績を伸ばしやすいということは説明できても、当事者がそうするべきかどうかは別の問題。そうはできない人がいるなら、その人たちに国は何をするべきか?という話です。産業保護をするべきか、自由競争の結果に任せて、敗れた人には生活保護などのセーフティネットを用意すればよいのか。自由競争じゃダメなんじゃないの?と言っているトランプさんが自由競争主義の共和党から立候補していたのは、大いなる矛盾ですね。そうか、それだから、社会福祉は大事だという民主党から票がトランプさんに流れたのですね。
 経済学的な帰結としては、どんどん貿易が進むということであっても、それが国民を不幸にするなら、経済学はそれを抑制する理論を構築すべきだと思われます。経済学の理論として、こうなっていく方向になる(なりやすい)というのと、市場参加者が全員残らずその方向性に従うべきだというのは別の話だからです。そして、「そうなる方向」がよろしくなければ、例えば、独占、寡占に対しては弊害があるという帰結なので、放置しないで独占禁止法や政府による価格規制などが行われますし、公害といった負の公共財についても税金、賦課金で生産費を引き上げたり、公害を生まない代替財に補助金といった政策介入を提案するわけです。それであれば、「トランプの言うことは経済学の論理をわかっていない」とか批判するのではなく、「過度な貿易は、各国の国民を不幸にしたりはしないか?放置していてよいのか?」と、仮定や前提を吟味する丁寧な検証が必要なのではないかと思うわけです。
 財政学者の神野直彦先生がフィンランドの話を書いていて、向こうの村人が「食料品が高くて困る」というので「ヘルシンキまで1時間もあれば車で行けるのだから、ヘルシンキの量販店で買えばいいじゃないですか」と言ったら、「何言ってるの。そんなことしたら、村の食料品店が潰れてしまうじゃないの」と言われたというのです。非効率ではあっても、自分たちの近隣を大事にするというのは、経済原理のような効率性とは別の観点から大事なことなのかもしれません。それであれば、自分の得意な仕事で働ける幸せを確保するために、貿易を制限して、みんなで少しずつ高いものを買うことを許容するというのは、国というコミュニティの維持のために大事なことなのかもしれません。今回は、少し長い文章になってしまいました。

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2016年12月 2日 (金)

12月になりました、スキャナ保存の申請です

 平成28年度税制改正でスマホ撮影保存が解禁されて、その施行日が本年9月30日。そして、日本の大企業の多く、そしてその関連企業の多くが3月決算です。スマホ撮影保存を導入しよう、あるいは平成27年度税制改正で要件が緩和されたスキャナ保存をスタートしようという企業にとって、今月は、いよいよスキャナ保存の承認申請書を提出する月です。承認申請は、保存を開始する3カ月前に提出する必要があります。したがって、今月中に申請書をまとめて、提出までする必要があります。
 申請書には、システムの概要を記載した書類、事務手続の概要を明らかにした書類、申請書の記載事項を補完するために必要となる書類その他を添付する必要があります。事務手続の概要って、どんなことを書けばよいのか、クラウドなどシステムがアウトソーシングの場合のシステムの概要ってどう書くのか?などの不明点は、国税庁のホームページを見ると、概要のパンフレット、申請書とその記載要領、取扱通達、Q&Aなどが掲載されています。そして、要領よくまとめた1冊が欲しい方には、「国税庁Q&A対応 実践税務書類のスマホ・スキャナ保存」があります。ぜひ、スキャナ保存に関心がある方は、ご購入いただければ幸いです。

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