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2015年9月12日 (土)

税制論議に参加しよう。でも,その前に

 財務省が出した日本版軽減税率制度なるもののおかげで,一般国民の間でも税制論議が活発になっている印象があります。

 そんな中,Twitterの中で,麻生大臣の「代案出せよ」に対して,「消費税を廃止して,その分法人税率を引き上げれば,一気に内需が拡大し,税収アップ」だと書いている人をみかけました。確かに,消費税がなくなったら,220万円の自家用車は,200万円で購入できるわけで,大きなインセンティブになるでしょう。そして,トヨタなどは,2兆円の経常利益を上げていて,数千億円の法人税を払っているのだから,そういう企業の負担をちょっと増やせば,めでたしめでたし・・・という風に思えるのかもしれません。

 しかし,「消費税 歳入規模」くらいのキーワードで検索をすると財務省の資料が出てきて,8%引き上げ前の平成25年度の消費税収が10兆円,法人税収は9兆円といったことがわかります。消費税を廃止したら,10兆円の税収を失い,その分,法人税を9兆円から19兆円の規模にしなければいけなくなります。ということは,法人実効税率が80%以上になってしまうのですが,そういうことをわかった上で呟いているのかなぁ。

 基本的な知識を持たずに発言するのは,怖いということでもあります。逆にちょっとでも勉強しておくと,他人の嘘やマヤカシが見抜けるようになります。国の税収とか,歳出の概略を知っておくと、「消費税を8%のまま維持して増税で期待される税収5兆円は防衛費の削減で達成しよう」なんて提案は、実行不可能であることが判断できるようになります。防衛費は総額で4.8兆円しかありません。社会保障費で、毎年1.5~2兆円増え続けている中で消費税を増税して5兆円を確保するチャンスを失ったら,代わりの歳出を削減しなければなりません。しかし,防衛費でそれをやろうとすると,自衛隊員は全員解雇しないといけないことになります。常総市で災害救助ができなくなりますね。画期的な解決策というのは,普通はないのだということを認識する必要があるのでしょう。

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コメント

そもそも、「消費税を上げないといけなくなった経緯の検証と説明」が欲しいです。

原因を確認せずに対症療法(増税)を繰り返すと、
ヤバいと思います。

「お小遣い無くなったから、もっと頂戴」に似ている気がするのです。
無知な僕としては。

投稿: 軟庭やす | 2015年9月16日 (水) 08時36分

やすさん、こんにちは。
日本の人口の世代別の構成を考えてみてください。社会保障費をたくさん使う老人が増えて、現役世代が減っています。なので、財政が厳しい。お父さんの給料が55歳過ぎて減り気味なのに、お祖父さん・お祖母さんの仕送りが始まっちゃって、家計をどうやって成り立たせようか。とりあえず、毎月の不足分は、クレジットカードのボーナス払いで済ませるとして、でも、この借金はいつか返さないとね・・・ということだと思います。
という書き方をすると、国の財政と家計は違うという反論もあり、私もそうだと思いますが、今の日本は、国債の利息だけで、税収に匹敵してしまうかも・・・みたいな状況なので、国債発行残高は心配していないものの、利払い費は、心配な水準に来てしまっているから、財政の健全化が必要という認識です。

投稿: 佐久間 | 2015年9月17日 (木) 08時28分

( ̄^ ̄)ゞ了解デス❗️

日本国は国民の高齢化に計画的に対応してなかったのかなぁ。
悲しいなぁ
確か予測はしてたはずだけど、
対策を打たずに、お尻に火がついて、
このままだと、国債格付けを下げられてしまうのかなぁ

投稿: 軟庭やす | 2015年9月17日 (木) 08時58分

80年代からずっとやってましたよね。橋本首相の行政改革とか、めざしの土光さんの行政改革とか。でも、少なくとも野党は、そういうことを真面目に考えなかったと言わざるを得ません。しかし、与党になってみて、真剣にならざるを得なくなると手を付けないわけにはいかず、民主党の野田政権の時点で、消費税の8%、10%の段階的引き上げが決まったわけです。

投稿: 佐久間 | 2015年9月17日 (木) 13時03分

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