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2015年4月 1日 (水)

渋谷区の同性婚に制度について

 同性カップルを結婚に相当する関係と認め、「パートナー」として証明書を発行する東京都渋谷区の条例が31日の区議会本会議で、賛成多数で可決、成立した。4月1日施行。同様の条例は全国に例がなく、性的少数者の権利を保障する動きとして注目されている(日本経済新聞)という話が世間では話題になっています。

 この記事の中でもパートナーシップ証明書を発行することで、不動産業者や病院に対して、証明書を持つ同性カップルを夫婦と同様に扱ってくれという話、あるいは家族向け区営住宅にも入居できるようにするよという話に過ぎないということが書かれています。つまり、「同性婚」ではなく、「家族証明」みたいなものですね。あ、携帯電話の家族割が適用になるかな?みたいな。

 なので、婚姻制度に関わる大仰な話ではないような気がしますが、「家族制度、婚姻制度が破壊される」とか反対する人もいらっしゃるようです。ただ、実務的な利便性としては、これはうまいアイデアだと思いました。同性カップルがいて、片方が盲腸になって手術をしなければならない。「家族の同意書をお願いします」と言われて、同居している相方では同意書に捺印ができないわけです、従来の流れでは。万一のことがあった時に家族として悲しむような立場の人が手術に同意すればいいんだよね、なので区役所がそれを認定してあげるよ・・・というだけの話なんでしょう。

 で、税理士としては、ちょっと考える。所得税の申告において、配偶者控除は取れるのでありましょうか? これはダメなのでしょうね。辞書的には、「法律的には、配偶者たる身分は婚姻によって取得し、婚姻の解消によって失う。」(国語大辞典(新装版)小学館 1988)みたいに書いてあるので、配偶者ではない。では、扶養控除はどうか。所得税法の中では、扶養親族とは、「扶養親族 居住者の親族(その居住者の配偶者を除く。) 並びに児童福祉法第27条第1項第3号 (都道府県の採るべき措置) の規定により同法第6条の4第1項に規定する里親に委託された児童及び老人福祉法第11条第1項第3号 (市町村の採るべき措置) の規定により同号 に規定する養護受託者に委託された老人でその居住者と生計を1にするもの(第57条第1項に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第3項に規定する事業専従者に該当するものを除く。) のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいう。」と書いてあって、今回の渋谷区の条例は、上記には当てはまらないので、ダメなのだと思います。ただ、同性カップルの片方がボケてきて、市町村からもう一方の人が養護受託者として任命されれば、大丈夫なのかな?などと考えたりします。

 というようにいろいろな制度でこの同性婚を考えていくと、いろいろ考えさせられることが出てくるのではないでしょうか。同性婚とシェアハウスの違いは何か?とか、結婚に相当する関係というのはなんなのだ?ということですね。婚姻関係でも心が離れている夫婦もあれば、内縁関係とか事実婚のような家族もある。そこに同性婚という新しい概念が加わるということになると、さらに難しくなるのだろうなぁと。

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