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2014年8月25日 (月)

組織の末端が崩壊している場合の組織運営

 店舗で確保すべきアルバイトが十分に確保できず、その中で手間のかかるメニューを導入し、さらに2~3月の大雪での流通の大停滞もあって、店のオペレーションが崩壊したり、アルバイトが大量に辞めていったりしたチェーン店がありました。こう書けばどの会社かわかってしまいますが、たまたま複数の関係者(インサイダーではなく、同社・同業界に関心を持つ人物)と話していて、どうもトップはそこまで悲惨な状況だったとは知らなかったらしいと。上から見ても下から見ても完全なオーナー企業ですから、特にグループの中核事業である問題の飲食チェーンについてはトップダウンで意思決定していたはず。そのトップのジャッジに必要な情報が集まっていなかったとはどういうことだ?と。
 でも、似た事象は、今年の2~3月の関東甲信地方の大雪でも見られました。Twitterなどで見ていても「政府はなんで自衛隊を派遣しないんだ!」とか山梨県に自衛隊が派遣された後にも「秩父地方もたいへんな状況だ。それなのになんで埼玉県知事は自衛隊の派遣を要請しないのだ?」とか。そう、自衛隊は、県知事の要請で派遣されるんですが、おそらくは、県庁に「とんでもない状況になってます」という情報が入ってこなかったんだと思います。つまりは、市町村役場が機能停止状態に陥っていたのではないかと。
 てんやわんやの状態になると、上げるべき情報を上に上げる前に「目の前のタスクを片付けないと」という状況になってしまいます。目の前のタスクが溜まった状態自体がその現場としては日頃の不行き届きが顕在化したような場合だと余計にそうなります。アルバイトをたくさん雇って深夜のワンオペはなくしなさいという指示が下りてきているのに、アルバイトの確保が困難で、それができないでいたら、「お店のアルバイトが出てこないんです」みたいなSOSコールが入る。「じゃ、店長、お前が深夜のシフトに入ってくれ。本来お前が入るべき店の仕事は、本部から応援を出すから」みたいになったら、本部も手薄になっちゃって・・・って、見てきたかのように書いてますが、全部、想像上の話。
 それで、後日、「そんな状況で、店舗では完全にアルバイトが足りません。アルバイト単価を引き上げるなり、店が安全だというイメージができるようなイメージアップの戦略をお願いします。」なんて情報を上に上げたら、「なんで、ここまで放置していたんだ!」って怒鳴られそうだから、余計に黙って、自分たちの権限でできる範囲のことで対処しようとするから、何も改善しない。
 雪の市町村役場だって、そもそも土日で役所が閉まっているところ、幹部職員が「これは出勤しないとだめかも」と思った人が役所に出ようとするが、そもそも1mとか降雪していたら、車で20分の役所まで2時間かかってもたどり着けないと思います。ここで、その状況だけ見て県庁に電話する職員っていますかね。「で、周辺はどんな状況ですか?」と聞かれて、「いや、私が役所に行けない状況で、それ以外何もわかりません。」「詳細な状況も説明できないで、自衛隊を要請しろと言われても、知事に説明できないじゃないですか。」と怒られそうな気がします。だから、とりあえず、雪をかき分け、役場まで出ていく。そして、2~3人が出てきたところで、村長が来ていれば相談し、来ていなければ村長の自宅へ電話して、「救援要請をするということでよいですね。」と許可を得る。そこまで、何時間かかるかなぁ・・・という状況にイラついているTwitter都民がいるみたいな。これも想像上の風景ですが。
 水戸黄門が諸国を漫遊したり、遠山の金さんが庶民になって市内を・・・みたいなのはフィクションですが、トップって、何かの時にかなり末端に近いところの人が直接電話できる、面談できるみたいなルートを確保しておかないといけないのかな?と思ったりします。以前、ミサワホームの創業者が、「私が他社を買収する際には、買収会社の課長と面談します。取締役とか部長と話してもダメ。現場の課長が優秀だったら、その会社は買っても大丈夫なんです。」って話していました。これも、買収されるような会社、すなわち末端が崩壊している可能性がある組織を買う場合に、末端の状況を持っている人に話を聞くということかなと思ったりしました。
 これって、内部統制とか一般的な組織論で求められるものではないので、難しいのかなぁと。もちろん、内部通報窓口とかは整備されるべきという教科書論はありますが、これとてトップが直に現場と話をするというのとは距離感が違うような気がします。「この通報者が大げさなんでしょ」と思われるリスクがありますので。「あいつが言ってくるからには、現場じゃ大騒動なんだ」みたいにトップが理解できるそういう現場の人を確保したい。でも、そういう現場の人って、オーナー会社だとどんどん出世しちゃうんですよね。

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2014年8月14日 (木)

真正の所有者が不明な森林・農地

 本日の日経新聞によれば,森林や農地で所有者が亡くなった際にきちんと相続人に名義の変更の登記をしていないものが多く,所有者不明の面積が57万ヘクタールにも及ぶと推測されているのだそうです。明治時代から名義が変わっていないものもあるんだそうです。

 所有者の戸籍から子供を探し,結婚すると新しい戸籍ができるから,それを取得し,その人が死んでいたら子どもはどうなっているかを戸籍から辿り,もし,子供がいない人なら,元の所有者の親を経由して兄弟の戸籍へ進み・・・ってやらないと相続人に到達できないです。森林,農地って固定資産税かからないことが多いから,市町村で固定資産税の納付書をどの住所に送っているかから探索することは不可能なんだろうと思います。
 また,相続の際にも固定資産税がかかってこないので,抜けても支障が出ないし。

 こういう事態を解消するには,たとえば,固定資産税評価額が低い森林や農地の登記の変更の際の登録免許税を引き下げただけじゃ真正な所有者への変更の促進はできないと思います。だって,司法書士の報酬は発生するし,森林なら間伐とか崖地なら崩落防止の保全策の義務も出てくるわけです。

 ということで「50年名義変更がない森林は,ここから10年間の間に登記変更しなかったら国の所有にすることとする法律」とか作って,所有の意思があるならお金がかかっても名義を変更してもらう。所有の意思がないなら,国の所有にして,国が管理して保全していくというのがよいのではないかと思いました。

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