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2014年7月 1日 (火)

安倍首相を考える

 世間のイメージでは,安倍首相というのは,自民党右派,タカ派であり,軍国主義者のようなイメージで語られています。で,本日の閣議決定なわけで,その賛否は,ちょっと置いておいて,どうもその安倍首相の考えがどうも革新的であるようにも見えて,何とも不思議に思ったので,ブログにしてみました。

1.医薬品販売のネット解禁
 従来の自民党の政治家であれば,医師会と薬剤師会が反対するようなことは絶対にしないはず。岩盤規制の1つが医療業界と言われていますね。ところが,そこにネット販売の解禁を言い出したのは安倍政権。どうして,そんなことを言えちゃったのでしょうか。安定的な政権基盤があるから? だとすると,自民党の政治家は,安定的な政治基盤を与えてあげれば,真に国民のためになる政治を打ち出したのに,なまじ野党が頑張っているから,政治基盤に不安を抱え,医師会などの票田の言うとおりにならざるを得なかったということになってしまいます。そしたら,民主党と社民党と共産党を世の中から消し去ると自民党はすばらしい政治をする・・・わけないですよね。安倍さんの発想が従来の自民党と違うのだと思った最初のきっかけです。

2.農協改革
 自民党は,農家のための政治ばっかりで,都会の住民のことを考えないと言われてきました。ところが,第三の矢の中には,全農中央会の解体などという恐ろしい(笑)提案が織り込まれています。自民党って,農協の票田で当選してきたんじゃなかったでしたっけ。あとは,郵政ですね。そう,郵政の民営化を果たした後の郵貯のローン商品の解禁なども郵政の票田を考えれば,早く解禁してあげなきゃいけないのに,金融庁が厳しい態度でいるのを放置(?)している状態です。安倍さんの政策は,従来の自民党の政治の流れと全然違って,むしろ都会の住民,浮動票の人たちの希望にかなり近い政策を打ち出しているように思います。

3.憲法解釈
 従来,自民党政権は,アメリカの言うとおりの政治をしていて,車を輸出しすぎるなと言われれば,ハイ,そうですかと輸出台数規制を設定したり,牛海綿状脳症(BSE)に怯えた時も「うるさい早く輸入再開しろ」と言われたら,「じゃあ,全頭検査で再開し,徐々に検査対象月齢を引き上げましょう」とやってきました。
 そして,日本の防衛は,安保条約により,アメリカの傘の下に入るという戦略でした。安倍首相の祖父,岸首相は,まさに安保条約を締結しに動いたわけで,日本の防衛面での自律性を失う方向で動いていたように見えます。ところが,近年,アメリカは世界の警察でいることを止めようとしている雰囲気が感じられ(イラクにも派兵しませんね),日本にももっと自立してほしいという働きかけがあるように思えます。安倍首相は,「はいそうですか」とそれに従っているようにも見えますが,結果としては,対米従属ではなく,日本の判断としての防衛への道を踏み出すとも言えるわけです。もう巣立ちなさいと言われての巣立ちかもしれませんが,巣立ちであることは確か。これも,自民党的でないとも言えるし,まあ,タカ派的だねといえばそうですが,従来の自民党歴代政権とは違うことをやろうとしているといえるでしょう。

 と,書くと,なんか安倍さん,新鮮ですよね。農家のための政治と言えば,民主党政権時代に小沢が導入した農家の所得戸別補償制度なんか,完全に自民党的な政策だったよなと思うわけです。零細農家を救っちゃうわけですから。それに比べて,アベノミクスの方が農家に厳しいわけです。

 郵政解体1本で走った小泉純一郎よりも幅の広い形で改革政策を打ち出す安倍首相。改革なのか改悪なのか,人により意見は違うと思いますが,この人は,現状を打破することに意義を感じる政治家であることは間違いがないのではないでしょうか。こういう人が保守本流のサラブレッドの家系から出てきたことも不思議ですね。

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