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2014年5月11日 (日)

住宅のリフォーム

 今朝の新聞折り込みチラシに住友不動産の「新築そっくりさん」の現場見学会の案内が入っていました。50年経たずに家を壊して,新築を建てるという流れに対して,リフォームで対応というコンセプトは悪くないなと思いつつも,建築確認申請が通らないような場所で家を建てるようなイメージやら,住友不動産と言っても建てるのは各地域の下請け建築業者だから,新築以上に業者の技術力の差が出るんじゃないか?といった疑問はありました。でも,ちゃんと建築士と相談して,建て直しかリフォームか考えようよ・・・といった段取りができない人も少なくなく,だから家といえば,住宅展示場へ行っちゃうわけです。それなら,変な業者に変なリフォーム任せるくらいなら,大手が新築プレハブ住宅市場のシェア並にリフォーム市場を開拓するのも悪くないかな?とも思い,まずは,現場を見に行ってみようかと。税理士として,顧客との世間話のネタに使えるかな?という目論見もありました。

 場所は,根津2丁目。チラシの地図で場所がわかったつもりで,不忍通り沿いに立つ案内のオジサンをスルーして,現場へ・・・行けない。らしき物件がない。そこで,案内の人に声を掛けて案内してもらうと,細い道路から細い私道っぽいところへ入り,典型的な下町の軒先の間を通るような通路を5mくらい行った奥に現場が。道路に2m以上接する要件なんか満たしてないや・・・と半分納得しながら,現場へ到着。見つからないはずです。

 それで,現場にいた方に説明をしていただきました。こげ茶色の元の骨格材に並んで新しい木材での柱,梁や添木がしてあります。なんか元の柱が生きていないような気もしつつ,「古い柱では耐震上もたないんですね」とか聞いたら,間取りの変更とかで古い柱を抜いたりもするので,その柱の荷重を新しい構造材で支えたりするんだとのこと。ただ,2階床板を支える根太を支える梁は,古い梁は使われず,5センチほど高く通した新しい梁に新しい根太が付けられ,そこに床板が設置される様子でした。ということは,古い柱と梁は,構造材としての機能を果たしていないんじゃないの?という疑問も。

 ということで,あまり納得感がなかったんですが,案内の人が,「千駄木の方に完成した物件が公開されているんですよ」という話が。なので,帰りにそちらへ寄ってみました。ほとんど帰り道でしたので。しかし,これも不忍通り沿いに立つ案内人に案内されなければたどり着けないような場所。が,物件は,無茶苦茶モダン。オーナーは50代なのだそうですが,両親が亡くなって空き家になった家をリフォームして,賃貸でもしようか?ということで,子供のいない新婚世帯や独身者の個人事業主(自宅で仕事をするスペースが欲しい人)などにぴったりの家になっていました。前の家の図面と新しい家の図面を見ると,前の家は,築50年ほどだったそうですが,4隅の柱で全体を支える構造なのに,2階が半間ばかりはみ出しており,1階四隅の柱のうち1本は2階に通っていなくて,御神楽普請状態。ツーバイフォーのように壁面で荷重を支えるわけでもないでしょうから,これじゃ耐震性ないでしょ,という作り。で,今回のリフォームで,おそらく2階の柱の下に柱を継いだのかもしれませんが柱が入り,さらに要所要所に壁面で荷重を支えるような構造にした旨が,図面から読み取れました。50年前の大工って,こんな仕事をしていたのか?と思いましたが,そういう家をきちんと直すことができるという意味では,リフォームも悪くないなと思いました。

 ただ,問題は,場所ですね。どう見ても2軒とも新築では接道要件を満たしていません。ま,根津,千駄木にはそういう場所が多いので,仕方がない生活の知恵かもしれませんが,これでいいのかなぁと。少なくともこれであと30年は,接道要件を満たしていない家が存続してしまうわけで,火災時の消火にも苦労すると思います。2軒とも説明してくれる方は,役所にも行って,どういうリフォームをやるがこれは建築確認申請を要する工事ではないですよねといった確認をしますと言っていましたが,だからこそ,問題とも言える。法令違反ではないから役所はノーとは言わない,言えない。きれいな街並みを作るという理想からすれば,私権を守るために周囲の住民の権利が侵害されているとも言えなくもない。さらにここに借地権という問題も含まれているかもしれません。建て直すなら,地主に承諾料を払う必要があるが,木造から木造への改築ならこれが不要。リフォームの結果,いつまでも借地,底地の関係が残ってしまいます。なんか法律的には問題ないし,役所にも了解を得ているけれども,役所もノーと言えないシロの範疇(これをグレーゾーンといいます)を突き抜ける取引のような気もします。

 価格的には,新築の7割程度の金額でできますとのこと。家の建築費の3割くらいは構造材の工事,1割弱が基礎だと思うので,その両方が無ければ,7割でできるのもわからなくはない半面,既存の床や壁を構造材を痛めないように壊しながら,新しく工事していく手間を考えると,どうなのかな?と思ったり。でも,誰かにお任せでないと改築ができない人にとっては,悪くないのかなと思います。ということで,顧問先と話が出たら,顧問先の私権を尊重しながら受け答えするから,「改築も手ですよね。信頼できる建築士に見てもらってプランを作るか,新築そっくりさんですよ。」とか言っちゃうのかなぁ。

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