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2013年10月20日 (日)

行政の限界の理由

 政府は、神様ほどの目を持っているわけではないという話の続きです。なぜ、そう思うのかという理由を私の経験からご紹介します。

 昔、会社法よりもずっと前、新株引受権付き社債といった言葉があった頃、ベンチャー企業は、役員や従業員にストックオプションを渡すために分離型の新株予約権が付いた社債を発行していました。新株予約権すなわちグリコのおまけが欲しいだけなので、社債本体は発行して数日で償還してしまいます。しかし、その頃の商法では、社債の発行額は、資本金の2倍までみたいな制約がありました。

 その頃、若手の経産省のキャリアの人と話ができる関係にあり、彼から、ベンチャー振興策として何か現行法の改正のプランってありますか?と聞かれて、この社債発行額の制約をもっと緩められないか?という提案をしました。そうしたら、数週間して、「佐久間さん、社債の格付けなどをしている人に聞いてみたら、社債というのは、上場企業など大企業しか発行しないと言われたんですが、どういうことなんでしょう?」と。

 格付け機関に勤務するサラリーマンの知識としては、自分の会社がBBBとかA3みたいな格付けをしている会社の社債だけが社債だと思っているんでしょうね。ベンチャー企業の新株引受権付き社債も知らなければ、私募債も知らない。政府の方々も自分の職務の分野のことの実務をしているわけではないから、どうしても民間の人たちの意見を聞いて回る。ところが、得てして大きな会社の方々ばかりにそれが偏りがちになる。その方々が中小企業やベンチャー企業のことなど知らないから、結果としてお役所に入ってくる「現場の声」や「民間からの要望・提言」はそういう企業からのものばかりになる。

 という経験があるので、政府に入るのは、経済団体、消費者団体、大企業の声ばかりになるんだなと思ったわけです。税理士会などは、中小企業の実態をよく知っているわけですが、税制の提言しかしませんしね。というわけで、政府や行政の方々は、一所懸命に努力はされているんでしょうけど、その取り巻きによる限界があり、神様のような目は持てないんだと思っています。

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2013年10月16日 (水)

政府は神様の目は持っていない

 今晩、ある会議の中で「減税より財政支出の方が乗数効果が大きいのだから減税で経済政策を考えるのはどうなんだろうか?」という発言を聞いて、瞬間的に次のような発言をしました。

「確かに減税は財政支出の貯蓄性向が2割とすれば、0.8倍程度の乗数効果しかないと言われます。でも、財政支出は、政府がこの分野にと決め打ちで行うが、減税は、企業や個人が自由に使う余地があり、政府が見えない分野にも財政の効果を及ぼすことができる。そもそも何で日本のように豊かな国で寄附金控除などの優遇策も用意して、困った人に寄附で行うようなことを推奨するのか。政府が完全ならNPOだって要らないでしょう。でも、こういう制度や税制があるのは、国は困った人を見つけ出す能力が神様ほどには完全ではないんですよ。だから、民間の目に託すため、個人の財産処分の1つである寄附でその支援先を個人に委ね、NPOに支援する対象を探してもらうんですよ。」

 その場での思いつきで話してしまったのですが、これ、結構、本質を衝いているような気がするのですが、いかがでしょうか。もし、こんなことを書いている書籍があったら、ご紹介いただけるとうれしいです。

 でも、そうなると、地方政府、すなわち都道府県や市町村も完全な目を持っているわけではないです。だから、民生委員にラスト1マイルを託し、NPOに補助金を出したりして、活動を支援したり、業務を委託する。じゃ、都道府県や市町村に「ふるさと納税」って意味があるのか?と思ったりします。寄附金控除の枠内ですが、寄附金になじまない寄附先であるような気がします。だって、託しても完全な目を持っていないのですから。自分で支援したい先に寄附するのが一番なのではないでしょうか。

 いや、そうではなく、例えば、自分の出身地を応援したいけれど、出身地を離れて時間が経っていれば、どう応援したらよいかわからない。だから、自分よりは確かな目を持っていると期待して自治体にふるさと納税をする。そういうことなのかな。

 それで、冒頭の会議というのは、来年の公開研究討論会の研究グループの会議です。私の担当する部分の論文に使う可能性があります。もし、この「政府はなぜ民間に困っている人の救済を託すのか」「政府は神様のような眼は持っていない」という疑問・仮説に答えがあるようなら、教えていただければと思います。

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2013年10月15日 (火)

消費税経過措置への疑問

 消費税の改正附則第5条には、消費税の税率アップに伴う経過措置があり、それを具体的に政令附則第4条で詳細が記されています。
 第4条 (旅客運賃等の範囲等)
  改正法附則第5条第1項に規定する課税資産の譲渡等に係る対価で政令で定める
 ものは、次に掲げるものとする。
 一  汽車、電車、乗合自動車、船舶又は航空機に係る旅客運賃(料金を含む。)
 二  映画、演劇、演芸、音楽、スポーツ又は見せ物を不特定かつ多数の者に見せ、又は聴かせる場所への入場料金
 三  競馬場、競輪場、小型自動車競走場又はモーターボート競走場への入場料金
 四  美術館、遊園地、動物園、博覧会の会場その他不特定かつ多数の者が入場する施設又は場所でこれらに類するものへの入場料金

 これは、事業者が、旅客運賃、映画又は演劇を催す場所への入場料金その他の不特定かつ多数の者に対する課税資産の譲渡等に係る対価で政令で定めるものを3月までの間に領収している場合であって、この料金に関するサービス提供等を4月以後に行うときは、旧税率によることを定めたものです。

 たとえば、2月に4月5日の航空券の料金支払いを行った場合。3月25日に4月第2週に封切の映画の前売り券を買った場合、1月に6ケ月定期を買った場合などがこれに該当します。

 航空券の料金などは、別に4月5日のチケットは、あらかじめ8%の消費税を乗せて売ってもあまり問題ないように思うかもしれません。しかし、交通関係の料金は、認可を受けないと変えられないはずで、この結果、消費税の原則通りだと、3月以前の料金を受け取っていながら、実際に乗る前後に「追加料金を払ってください」とかお願いしないといけなくなるわけです。コンサートのチケットなども半年以上前から売る場合がありますから、10月に入って消費税の引上げが最終決定だと間に合わない場合もありますから、仕方ないかもしれません。

 では、競馬場、競輪場・・・ってのはなんでしょう? なんか年間観覧席のようなものがあるのかもしれませんが、こういった施設の入場料金に経過措置を設けて、わざわざ税収減を発生させる必要があるでしょうか? 行ったことがないから、必要性の有無が理解できません。

 美術館、遊園地、動物園なんかは、年間パスポートがあるんですかね。でも、そこに配慮するなら、自動車教習所でも入所時に卒業までの基本教程分の料金を払ってしまいますし、英会話教室なども受講の回数券を売っていたりします。上記4号の事業者と教習所や英会話教室のどこが違うのでしょうか。同じ経済効果には、同じ法律を適用しなければ不公平です。

 その違いって、財務省に影響を与えることができる後ろ盾があるかないか?だったら、すごく気分が悪いなと思います。旅客運賃は国土交通省、映画やスポーツは文科省あるいは新聞社その他のメディア企業、競馬場は総務省、美術館は文科省。自動車教習所は公安委員会が後ろにあるけど力が弱い? 英会話教室は後ろ盾無し。このあたりの違いだとしたら、結局、ロビー活動をした業界は世の中を上手に渡れるということになってしまいます。

 東京ドームの巨人戦年間シートは優遇されて、大学生が通う自動車教習所は4月以降消費税差額をポチポチ追加徴収するか、会社が増税分を負担するかを迫られるというのは社会正義じゃないという気がするのです。政令附則第4条の業種がどのような経緯で選定されたのかが明記されている書籍などがあれば、ぜひ、教えていただければと思います。

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2013年10月 2日 (水)

登記簿謄本の郵送入手の仕方

 2008年に「登記簿謄本の郵送入手の仕方」という記事を書きまして、この記事自体は、今でも「登記簿謄本 郵送」みたいなキーワードで検索すると最初の1面に出てくる大ヒットコンテンツなんですが、本日、もっと便利な郵送入手の方法を体験したものでご紹介です。

 まず「登記・供託オンライン申請システム」へ行きます。ここで、「かんたん証明書請求」というメニューを選びます。ただし、始めての場合、左側の「申請者情報登録」をしてからということになります。IDを取得してしまえば、「かんたん証明書請求」のボタンを押して、IDとパスワードを入れると、「証明書請求メニュー」が出てきます。ここで、不動産、商業・法人、動産譲渡、債権譲渡の手続の中から、目的の登記簿を選択します。普通は、不動産登記簿か商業・法人でしょう。会社の登記簿を取りたい場合「商業・法人」のところの「交付請求書(登記事項証明書)」を選択して、会社名等で検索をして、欲しい会社の社名が出てきたら、選択して「確定」ボタン。こうした作業の後で、ペイジーでネットバンキングで500円の取得手数料を支払えば、あとは郵送してくれるのみです。

 私の場合、昨日の15時半ころに手続をしたら、速達にしたわけでもないのに、今日の午前中の郵便で登記事項証明書が到着しました。申請書を郵送するような手間もないのですから、ネットバンキングができる人は、絶対これが便利だと言えます。

 そうそう、途中で「信頼済みサイトへの登録が完了しているかどうかの確認作業や、ポップアップブロック機能の設定が求められたりといった作業が必要です。前者は、ブラウザの「ツール」→「インターネットオプション」→「コンテンツ」→「証明書」→「信頼されたルート証明機関」とクリックしていき、「Japanese Government ApplicaitionCA」の証明書がインストール済みであるかどうかを確認する手続、後者は、ポップアップがブロックされた時の対応で、いずれも説明画面が用意されています。

 ということで、1度、成功したら、あとはIDとパスワードさえ忘れなければ、非常に便利です。ぜひ、ご利用ください。

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