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2013年5月15日 (水)

国債の値動きの理論

 一般論として、株式は値動きが大きくてリスキー、それに対して国債や社債などの債券は値動きが小さく、安定的だという考え方があるように思います。しかし、債券も値動きがあり、これについてきちんと理解していないと、現在のような低金利時代における国債や社債のリスクを評価することができないと思います。

 まず、理論を単純にするために償還期限まで1000年くらいある超ウルトラ長期国債を考えてみます。ある時に発行された国債が額面100万円で利率5%とします。年間5万円の利息が1000年にわたってもらえることになります。ところが翌年には金利の水準が4%に下がりました。そこで額面100万円利率4%の国債が発行されました。さて、5%の金利の国債はどうなるでしょうか。その国債を買うと5%の金利がもらえてしまうので、4%の国債よりありがたい。だから、みんなそちらを購入する。その結果、値段が上がります。どこまで上がるのか。5万円を4%で割り戻した金額である125万円まで値上がりしてもよいという計算になります。

 この結果、5%債は125万円で売り買いされて、購入金額の4%に相当する5万円を受け取ることになり、4%債は100万円で売り買いされて、購入金額の4%に相当する4万円を受け取るということで、均衡することになるでしょう。償還期限を考えない場合、国債の値段は、25%も動く可能性があることになります。

 しかし、実際に発行されている国債は、3年とか10年とか30年です。それであれば、125万円も出して金利5%の国債を買ったら、償還時には100万円しかもらえないので、25万円も損することになります。たとえば、10年の国債なら、1年あたり、2.5万円損するので、4%国債の4万円より高い5万円の利息をもらえても、125万円で購入したのでは割に合わないということになります。

 では、110万円ならどうか。10年で10万円、1年あたり1万円の償還損があり、しかし、4%国債よりは1万円利息が多い。それなら、金利5%の国債は110万円なら買ってもいいかな?という雰囲気になるのでしょう(厳密には償還損の時期と毎年の利息での時間差があるので割引現在価値の計算が織り込まれなければなりません)。

 つまり、国債の価格変動は、額面に対する利率と市場金利、そして償還期限の長短の関係の中から決定されることになります。これが国債価格の変動の理論の基本だということで理解しておくとよいと思います。また、次回に続きを書きます。

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