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2013年5月 1日 (水)

少額投資非課税制度

 先般もこのブログで触れたISAの話ですが、日本証券業協会では4月30日、2014年1月に開始される「少額投資非課税制度」(日本版ISA)の愛称を「NISA(ニーサ)」に決定したと発表したそうです。

 名前は、なんでもイーサなんですが(おじさんギャクです)、この利用の仕方については、きちんと詰められていないような気がしました。今朝の新聞では、投資信託についてのブログを書いている人に取材して「NISAでは投資信託を買うのが良いと思います。」というコメントを載せています。そりゃ投資信託のブログ書いている人に聞けば、そう答えるよなと。

 そこで私自身の頭で考えようと思います。これは、非課税制度です。単なる投資の優劣を考えるなら、運用資金の目的と狙うベネフィットとリスクの兼ね合いの中から検討すればよい。しかし、NISAが非課税制度であることに着目して、NISAで何を運用するべきかを考えたら、非課税額がマキシマムになり得るものを狙うべきなのではないかと。

 そこで試算です。3つの運用形態を考えます。
1.毎年4%の分配金がもらえると期待される投資信託100万円。
2.毎年3%の配当がもらえると期待される株式100万円で5年後に10%値上がりすると仮定。
3.1~2年で30%は値上がりすると期待できる株式100万円。

 NISAは、買ってから5年間非課税です。一見すると3の1~2年で売却してしまうのは枠を使い残すようなものでもったいない。でも、計算してみましょう。
1.毎年4万円の分配金が5年で20万円。その源泉税20%4万円が非課税となる。
2.毎年3万円の配当5年で15万円、5年後の売却益10万円の合計25万円の源泉税20%5万円が非課税となる。
3.1~2年で売却した売却益30万円の源泉税20%の6万円が非課税となる。

 この試算では、3が一番有利ということになりました。では、相場の状況が期待に反して、値上がり等がない場合にはどうなるか。相場の値上がりがほとんどない状態だと、債券利息や株式配当を原資に分配金が期待できる1と配当金が期待できる2が有利で、3が不利。損が出る場合も同じということになります。なお、私は投資信託が嫌いなので、補足するならば、もし、株式相場がこう着状態ならば、そして2の株式というのが株式相場に比例的に動く日経225連動のETFなどであったとすれば、1より2の方がお得です。1は、信託運用報酬分だけ毎年1%以上の率で基準価格が落ちるはずだからです。ETFの運用報酬比率の方が低いはずですので。

 と書いたところで、賢明な読者は、この試算例でなんで1は5年後の基準価格の上昇による利益を見込んでいないんだ?という疑問を持たれていることと思います。ここは説明をしておかないとフェアでないですね。1の試算の背景としては、配当で3%、株式や債券の売却益で2%の運用を行い、1%の信託運用報酬を抜き、4%の分配金を払うので、基準価格は上昇しないという想定なのです。世間一般で見られる人気のある毎月分配型の投資信託なんてものは、多額の分配金を支払いながら基準価格を同じ程度切り下げているわけですから、それに比べれば良心的な投資信託を想定しています。という良心的な投資信託が1なんだということを前提としているということをご理解いただければと思います。

 ということで、NISAが他の口座と違うのは、「非課税」というところだとするなら、5年という期間に縛られず、いかにして多額の運用益を上げるかに着目して投資対象を選択するのが良いように思います。100万円の株が500万円に値上がりすれば400万円の利益、その結果80万円の節税ということになるわけですから。

 といった想定でNISAが設計されたのではないような気がするので、自分で書いておきながらもなんか変な制度だなぁと思うわけです。ま、とりあえず、配当ではなく株主優待が魅力的といった銘柄をこの口座で買ってはいけないということは、ご理解いただけると思います。カゴメ、キリンビール、スターバックス、ゼンショー、オリエンタルランド・・・みたいな銘柄は向いていないということになります。

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