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2013年5月19日 (日)

賃貸住宅を買うのも一種の資金運用

 昨日、住宅ローンの話に触れたので、ついでにアパート投資について書いてみます。「30年間家賃保証だから安心」という売り文句で自宅の建て替え時などに賃貸住宅併設の家にしませんか?なんていう話をしたり、空き地をお持ちの地主さんにアパートを建てましょうと言った営業がされています。

 旭化成の大きな活字から小さな活字に縮まっていく新聞広告をご覧になったことがあるかもしれません。旭化成は普通の住宅を建てるのがメインのプレハブメーカーと言う印象ですが、レオパレス、大東建託、東建コーポレーションといった会社が30年間家賃保証をビジネスモデルの中核の1つに据えていて上場もしている大手企業なので、名前を聞いたことがあるかもしれません。

 ただ、「30年家賃保証」といったキーワードで検索すると「騙されるな」というニュアンスのページがたくさん出てきます。基本的に、30年家賃保証には、私も良い印象を持っていません。以前、見た事例では、30年間の投資回収計画といった資料を作ってくれているのですが、家賃金額が建築直後から30年間同額で並べられていました。建築直後に8万円で貸せる部屋が、5年経って、10年経って、20年経って、同じ値段で貸せるでしょうか。逆に借りる立場で考えれば簡単、新築アパート8万円と築25年のアパート8万円があって、どちらも駅からの距離などの条件が同じなら新築の方を借りますよね。つまり築年数が経てば経つほど、賃貸収入は落ちてくるものです。もちろん、物価水準が変わらない場合ですが。そこでこの投資回収計画を10年後からは7万円、20年後からは6万円といった形に置き換えると、20年目からは家主に入ってくる賃貸料が月々の借入金返済を下回ってしまったりするわけです。

 バブル崩壊後の20年が異常で、基本は物価は継続的に上がるのだから、家賃は30年間変わらなくてよいのだ、ということかもしれません。しかし、90年代前半、株価、地価はすぐに戻るだろうと思って、結局は破たんしてしまった会社、いくつもありますよね。また、賃貸料は、その地域の人口動態の変化によっても上がったり下がったりするでしょう。日本の人口は、すでにピークを付けていて、あとは徐々に人口は減るのですね。30年間、空き室リスク、家賃下落リスクはありませんか?

 土地を持っていると毎年固定資産税がかかってきます。土地の活用を考えないと納税負担が大変だというという人は、必死に勉強したうえでアパートを建てて家主になったらどうなるかを考えたり、我々のような投資回収計画を作ったり、レビューできる人間に相談したりして、建築するかどうかを考えるべきでしょう。建築会社の営業マンに勧められて意思決定するというのは危険です。だって、相手は、建築してくれれば儲かるわけで、家賃保証部分は、空き室にならないように賃料を下げていけばよいのですから。会社によっては、不当に高い建築代金を請求し、その儲けで家賃保証部門の赤字を賄っているという話もあります。そうなると、次から次へと建築をしていかないと家賃保証部門の赤字で会社は潰れてしまうので自転車操業にならざるを得ません。契約を急がせる会社は、特に危険です。

 といった情報は、ネットで検索すればすぐに出てきます。「建築の知識や家主業の知識なんかないから、そんなこと言われても無理だよ」という人は、せいぜい駐車場くらいで固定資産税プラスアルファ程度の収益を得る、つまりローリスクローリターンで行くのが良いのではないでしょうか? リスクを取らずに、ミドルリターン、ハイリターンは期待するべきではないのです。

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