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2013年5月17日 (金)

なぜマネー運用の話をするのか

 このところ、連日でマネー運用関連の話を書いています。これは、NISAが出てきたということがきっかけですが、問題意識は2012年の確定申告時期に遡ります。あまりにも投資信託で損をしているお客様が多かったのです。そのため、事務所ニュースの中で次のようなことを書きました。それを読んでいただくと、私の問題意識をご理解いただけると思います。

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       投資信託について

1.毎月分配型の投資信託
 昨年あたりから確定申告をしている際に、証券投資信託をお持ちになっている方が多いように感じております。特に毎月分配型の投資信託や海外の債券等で運用する投資信託が目立ちます。証券関連商品が銀行で販売できるようになってから、「銀行が勧める商品だから」ということと、通常の銀行や郵便局の定期預金よりも圧倒的に利率が良いように見えるからだと思います。

 ところが毎月分配型の投資信託には問題があるように思っております。もし、こうした投資信託をお持ちでしたら、分配金の計算書をご覧になってみてください。普通分配金よりも特別分配金が多いという投資信託が目立つのではないでしょうか。特別分配金というのは、払い込んだ元本を払い戻すもので、利息や配当ではありません。そのため、利息や配当に係る源泉所得税や住民税が控除されていないのです。

 つまり1万円の基準価格で購入しても、特別分配金の支払いで基準価格が落ちてしまうのです。たとえば、「グロソブ」という通称すらあるグローバル・ソブリン・オープン(国際投信投資顧問)は、毎月35円、年間で420円の分配金を出していますが、基準価格は、3年前の6500ほどから現在は5000と、分配金の合計を超えるペースで下落しています。毎年1%以上の信託報酬を払いながら、この結果では、購入者は救われません。

2.新興国への投資
 投資信託を購入する際には、「新興国の金利の高い債券で運用ができる」「中国など新興国はやがて為替が円に対して強くなるから、利息がなくても為替相場で儲かる」などといったトークで有利性を説明されます。しかし、たとえば中国の元は、ドルと基本的にリンクしていますので、この数年間で1ドル120円から80円になったことで、元も同じ程度目減りしていることになります。そして、高い金利は、高いリスクの裏返しです。安全な国がなぜ高い金利で国債を発行しなければいけないのでしょうか。大きな利益はリスクを取らねば得られないという当然の理屈です。なので、減っては困る大事なお金は、安全な運用方法によるべきなのです。金利は安くても、物価上昇もないのですから、目減りはしません。

3.銀行もリスクのある商品を売る
 かつての私たちの常識では、銀行は元本保証、証券会社はリスクのある商品を売るという区分けでした。しかし、今は、銀行も投資信託など元本割れの可能性がある金融商品を売っています。したがって、定期預金や定期積金など内容を知り尽くしている預金以外のものを購入する際には、その内容をよく聞き、リスクの有無を調べてから購入するかどうかを決めるべきでしょう。少なくとも窓口で言われるまま、即断するべきではありません。ご家族に相談してもよいし、私どもにご相談いただいてもかまいません。

 こうした問題に触れた雑誌記事がありましたので、そのコピーを同封させていただきました。

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