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2013年5月13日 (月)

投資信託ってどんなもの?

 投資信託って、はたしてそんなに有利なものなのか、販売手数料と信託報酬合わせて2~3%も払って、それを超えるリターンを投資家にもたらしてくれるものなのでしょうか?
 ネットにあった日経マネー2013年2月号の記事を基に再構成された国内の全公募投資信託を対象にした過去6カ月間の資金純流入額ランキング(2012年10月末時点)なるデータでベスト5の投資信託を調べてみました。

 首位、すなわち一番売れた投信は、フィデリティの「フィデリティ・USリート・ファンドB」です。信託報酬1.47%。フィデリティのサイトの情報によれば、この投信は、「主として米国の取引所に上場(これに準じるものを含みます。)されている不動産投資信託(リート)に投資を行ないます。」とのことです。そして、この名称の中のファンドBというのは為替ヘッジなしの商品で、為替ヘッジをするものはファンドAです。このランキングの作成基準時点2012年10月以降日本の株価は調子が良かったですが、米国でも現状、最高値圏ですから、基準価格は上がっていることと思います。しかも、円高のメリットを享受しているはず。

 しかし、このファンドを購入された方は、「これから、円安に向かうはずだから為替のヘッジなど不要だ」と判断した結果、この為替ヘッジなしの商品を購入したのだろうか?というと疑問だと思います。売り手に推奨されたから購入したのではないかと。このファンドの値動きは、米国のREITの相場変動と円ドル相場の変動の2つの影響を加味したものとなるということを認識されて購入されたのでしょうか。損をする可能性もある商品だということは読まれている方もご理解できると思います。このブログでご紹介しているNISAで買う商品としてはどうなのかな?と思う次第。

 続いて2位が野村の「米国ハイ・イールド債投 豪ドル 毎月」です。こちらは、信託報酬が0.92%です。野村のサイトによれば、このファンドは、「17本のファンド(「毎月分配型」と「年2回決算型」を有する、為替取引手法の異なる8つのコース(円コース、米ドルコース、ユーロコース、豪ドルコース、ブラジルレアルコース、南アフリカランドコース、トルコリラコース、通貨セレクトコース)およびマネープールファンド(年2回決算型))から構成されています。 」とのこと。さらにファンドである豪ドルコースは、「米ドル建て資産について、原則として米ドルを売り、豪ドルを買う為替取引を行ないます。 」となっています。米国のハイ・イールド債券を運用対象とすると同時に、米ドルを売って豪ドルを買う取引で豪ドルの高い金利を獲得しようという狙いを含めているのではないかと思います。つまり、債券価格の変動に加えて、米ドルと豪ドルのスワップが絡むのかなと。昨日のブログで書いたマネー運用の5原則の「気分の上での納得ではなく、数字を計算した上での冷静な損得判断が重要」とか「毎月分配型の投信は損だと山崎さんは断言しています。」という基準からすると失格だと思います。

 続いて3位は、ピクテの「ピクテ新興国インカム株式F(毎月決算型)」で、信託報酬は1.21%です。これは、「主に新興国の高配当利回りの株式に投資します。特定の銘柄、国や通貨に集中せず、分散投資します。毎月決算を行い、収益分配方針に基づき分配を行います。」ということで、「約70か国の6000~6500社の中から魅力的な高配当利回り銘柄を絞り込み投資」ということになっています。
 これと東証にETFとして上場されている「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) 」(上場コード1681)とどれだけ内容が違うのかなと思います。もちろん高配当銘柄に投資するのとインデックスファンドではまったく内容が異なりますが、その違いよりはエマージング市場や為替相場の影響の方がはるかに大きいと思われます。それで、ETFの方は、ネット証券で注文すれば数百円の手数料で購入でき、信託報酬も0.25%程度とのこと。さらに毎月分配型は駄目ですよね、山崎説によれば。

 4位は、「野村豪ドル債オープン・プレミアム毎月」で、信用力の高い、豪ドル建て公社債を実質的な主要投資対象としつつ、「円に対する豪ドルのコール・オプションを売却し、オプションのプレミアム収入の獲得を目指す「通貨プレミアム戦略」を実質的に活用します。 」ということで、やはり投資家には理解できない商品だと思います。
 この通貨プレミアム戦略によれば、通貨オプションの満期時における対円での豪ドルの為替レート が権利行使価格と同じか、権利行使価格より円高・豪ドル安となった場合には、プレミアムと呼ばれる報酬がもらえることになります。しかし、権利行使価格を超えて円安・豪ドル高となった場合には、プレミアムの受け取れるものの、オプションにおける支払が発生し、損をする取引です。要するに為替相場に賭けているわけです。

 5位が「日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン毎月リラ」です。信託報酬がなんと1.68%。2020年のオリンピックが開催されるかもしれないトルコリラが登場しますが、みなさんトルコについてそれ以上の知識をお持ちですか? さらにこのファンドは、「円建外国投資信託PIMCO エマージング・マーケット・ボンド・ファンドⅡ トルコリラクラス」と証券投資信託「マネー・オープン・マザーファンド」への投資を通じて、主に米ドル建の新興国ソブリン債に投資するのだそうで、「PIMCO エマージング・マーケット・ボンド・ファンドⅡ」なるものがどのような投信なのかも理解しないと買えないはずの商品です。

 私は、ここまで書いて、どれも欲しいとは思えなかったです。これを何千億円と売ったわけですから、同額だけ購入した投資家がいたわけです。たぶんこの半年で儲かったのではないかとは思いますが、来年NISAのスタート時に購入して儲かるかどうかは、まったく想像が付きません。みなさんはいかがでしょうか。

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