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2013年5月31日 (金)

分配金の意味がわからない

 従来、投資信託の分配金は、収益からの分配金と元本の払い戻しに過ぎない特別分配金の合算で、この特別分配金といういかにも儲けからの分配に見える用語が曲者で、グローバルソブリンオープンのようにほとんど特別分配金による分配のため、基準価格10000円でスタートして2~3年の間に4000円以上の分配金を払ったけれど、基準価格は5000円台に落ちていた、といった喜劇が見られていました。

 これではいけないということで、収益から支払われる分配金は普通分配金、元本の払い戻しに相当するものは元本払戻金と呼ぶことになりました。そのため、今なら、投資信託の分配金といえば、普通分配金だけを指すのだと思っておりました。しかし、異なる金融機関が出している収益分配金に関するレポートの3ページにそっくりの表があり、これを見る限り、分配金というのは普通分配金と元本払戻金の合計を言うようです。
http://www.secjp.co.jp/net/file/pdf/toushin_1367993114.pdf
http://www.daiwa-am.co.jp/doc/news/news_20130528_1.pdf

 結局、追加型投信なので、投資家によってそのファンドの購入金額が異なり、「投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払い戻しに相当する場合がある」ということなのです。

 これでは、投資信託の収益性を計算しようと思っても、分配金の意味が分からないので、「現時点での実績分配金額100円」という記述の評価のしようがありません。あるサイトで一定期間の分配金と一定期間に基準価格が低下した場合の低下分を一定期間の開始時点の基準価格で割って分配金利回りを出していました。

 たとえば、1年前10500円、現時点11000円、分配金が300円なら
    300÷10500=2.857%
として、もし、1年前10500円、現時点10400円、分配金が300円なら、
    {300-(10500-10400)}÷10500=1.904%
と計算するわけです。

 しかし、この分配金に元本払戻金が含まれていた場合にどう評価を変えるべきか、変えなくてもよいとするのかが、まだ結論できません。NISAでの運用を前提とすれば、もし、300円の分配金がすべて元本払戻金だったら、配当や売却益に非課税という恩典に関係ないことになりますし、基準価格が下がった分の損失はNISAでは他の口座の利益と相殺するなどができません。これでは、NISAで運用するべき商品だと断定できないわけです。皆さんは、このあたりの回答をお持ちでしょうか?

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2013年5月30日 (木)

NISAの口座はどこで持つべきか

 最近の新聞、ネットの広告では、「NISA口座の事前申し込み」とか「申し込み予約」とか各金融機関が蠢いている雰囲気です。なので、このブログでも、何を投資対象にするべきかの結論がはっきりしていない状態なので、とりあえず、これを触れておこうかと。

 まず、今のところ、このブログでは、投資対象を勧められるまま投資信託にしてはいけないということと、投資信託よりETFがいいんじゃない?という話と、株式だっていいじゃない、という話を書いています。そして、わからなければやらなければいいじゃないという話も。

 ということであれば、みなさんも結論に確信が持てるまでは、NISA口座を作るなというのが正解のような気がしています。焦って作らされて、いいように買わされてはいけないと思います。どうしても早く作らざるを得ないなら、株も投信も・・・と幅広く扱っているところが良いのではないでしょうか。とにかく、焦るな、焦らされるな、NISAのスタートは来年1月です。10月からだったかの、正式な口座申込で動けば十分だと思いますよ。

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2013年5月28日 (火)

ETFとはなんでしょう

 ETFとは、証券取引所の上場している投資信託です。英語では、Exchange Traded Funds で、その頭文字でETFです。したがって、投資信託の1つですが、上場しているため、株式同様にネット証券などでは、300円といった極めて安い手数料で購入できるものです。一般的な投資信託は、投資家から資金を受け取る都度に受益証券を発行する形態ですが、ETFは、上場時までに受益証券が発行されていて、これが上場時に市場に放出され、一般投資家が売買することになっています。

 wikipediaの「上場投資信託」のページでは、コストについて、一般的な投資信託と異なり、投資信託そのものの販売手数料は掛からない(が、株式購入の手数料がかかる)ために「一般的な投資信託よりも売買コストが安いといえる。」「一般的な投資信託は、3%近い販売手数料のものから、ノーロード(販売手数料が無料)のものまで多様である」と書いています。また、「信託報酬は、一般的に同じ指数に連動を目指すインデックスファンドと比較して安くなる傾向がある。」と指摘しています。

 さらに東京証券取引所のETF・ETNのページでは、指数連動なのでわかりやすい、分散投資ができる、少額でOKでしかも低コストを特徴として挙げています。また、銘柄ごとの価格も日刊紙の株式相場欄に出るから通常の投資信託より容易に確認できると書かれています。ちなみにETNとは「Exchange Traded Note」の略でETFとは異なり証券に対する裏付資産を持たない(必要としない)という特徴を持っています。発行体に対する信用リスクがありますが、その分、多様な投資信託が構成できるのでしょう。

 というメリット尽くめのETFですが、ざっと次のようなものがあります(東証の案内ページより)。
・ TOPIX連動型
・ 日経225連動型
・ MSCIインデックス連動型
・ JASDAQ-TOP20銘柄連動型
・ マザーズ・コア銘柄連動型
・ TOPIXコア30銘柄連動型
・ TOPIX100銘柄大型株連動型,TOPIX中型400銘柄連動型、TOPIX小型株連動型
・ 東証業種別株価指数連動型
・ テーマ別(高配当、中国関連、アジア関連など)
・ エンハンスト型(オプション取引のカバードコール戦略を取るなど)
・ レバレッジ型(TOPIXや日経平均の変動幅の2倍で変動するもの)
・ インバース型(TOPIXや日経平均の変動幅の-1倍で変動するもの)
・ REIT指数連動型(REIT=不動産投信)
・ 外国株指数連動型(ハンセン指数、ボベスパ指数、ダウ30種、S&P500など)
・ 外国債券指数連動型
・ 商品指数連動型(金、白金、パラジウム、WTI原油など)

 これだけあると、どれを買ったらよいのかわかりません・・・というくらい、低コストで買える投資信託があるのだということを知ってほしいと思います。そして、高い販売手数料の投資信託がこれを上回っている成果を出しているのかどうか。すくなくともインテックス型の投信なんかを普通に買わされるなら、ETFで買わなきゃ損です。かといって先日このブログでご紹介したような投資信託なら、十分に中身をわかったうえで買ったのですか?という質問にもNo!でしょうから、それなら、まずは上記の勉強から始めてもよいのかもしれませんね。

 でも、障壁が高いという人もいらしゃると思います。こういう指数より、単純に「私の家はへーベルハウス建てたけど、満足しているから、旭化成の株を買おう。」「日本は輸入にしろ輸出にしろ貿易が大事だから三菱商事を買おう。」といった基準で、投資金額のごく一部で個別の銘柄の株式を購入するのもよいのかもしれません。そうすると新聞記事を読んでいても「新規住宅着工件数が増加」とか「シェールガスの採掘会社に投資」みたいな記事が目に留まるようになるのかもしれません。

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2013年5月27日 (月)

こんなETFもあります

 きちんとETFの説明をしてから個々の商品に当たりたいとは思っているのですが、とりあえず株価が下げているときなので、興味深い商品をご紹介します。

 興味深い商品とは、「NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」です。これは、毎営業日の前営業日対指数騰落率が日経平均株価の毎営業日の前営業日比騰落率のマイナス1倍になるように計算されている指数です。たとえば、ある日の日経平均が15000円。翌日は14250円と750円も下げ、騰落率は-5%だったとすると、この投信はプラス5%になります。もちろん、株価が上がれば、この投信の基準価格は下落します。ということは、「ちょっと株価が一本調子で上がりすぎていないか? どこかで調整局面があるんじゃない?」なんて思ったら買えばよいETFです。

 下がると上がる、上がるとき下がる。なんかなぞなぞみたいな投信ですが、こんなものもあります。だから、ETFって、もっと関心を持ってよいのではないかと思うのです。

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2013年5月25日 (土)

ハイリターンはリスクの裏返し

 ここまで書いてきたので、おそらくご理解いただけると思いますが、高い利回りや売却益すなわち運用益は、リスクを取ることで得られます。例えば、国債で考えてみましょう。10年もの国債で、日本が0.846%、アメリカ2.11%、ドイツ1.43%、英国1.91%です。この辺が安全と言われる国。為替変動を考えると日本国債の0.8%は安心です。でも、1%割れ。

 続いて、それよりは少しリスクがあると思える国としてオーストラリアが3.33%、ブラジル10.19%、トルコが6.24%、インドネシアが5.87%のようです。
 しかし、これらの国々は、成長度合いも高い場合があり、物価が上昇している場合があります。せっかく5%の利回りをとっても、日本とその国の物価上昇率の差で為替相場が円高になっていれば国債の償還を受けた時の円貨換算額は減っている可能性もあります。
 さらにリスクがありそうな国を見ると、アイスランド6.24%、ポルトガル5.53%、スペイン4.41%、ギリシャ9.04%です。だいぶ落ち着いていますね。一時期は、ギリシャ国債の利回り38%とか言われた時期がありました。100万円を投資すると、予定としては138万円に増えるんだけれども、もしかするとデフォルト(債務不履行)になるかも知れなかったわけで、丁半博打に近い世界です。

 このように見ていくと、安定した投資をしようと思うと、せいぜい2%。しかも、為替相場の影響があるので、これを見込まなければいけない。5%くらいとなると、成長著しい国か財政問題に不安を抱える国に投資するしかない。しかも、その国の成長により為替相場が円安、当該国の通貨が高くなってくれればよいけれど、物価上昇率で為替相場が決まる側面もあるので、円高になる可能性もある。やはり迂闊には買えない。

 これが世界の常識だと思いましょう。そうすると和牛商法(7.8%の予定利回り)にしろ、医療報酬請求権のMRIインターナショナルにしても、リスクがあったんだと思えるようになります。医療報酬請求権、つまり米国の医者が診療報酬を患者が加入する保険会社に請求する、その債権を投資家の資金で買い取って6~7%の利回りを出せると思いますか? アメリカの国債が2%ほどの利回り。米国の病院がいくらお金に困っていても、保険会社への請求を早めに資金化してくれるからといってもせいぜい4~5%の金利しか許さないとは思いませんか? そこから、米国で病院から債権を買い集める手数などのコストを引いたら、せいぜい1~2%の運用利回りしか出せないはず。それなのに6~7%で回るといっている・・・詐欺だな、と結論できるわけです。

 投資をある程度勉強すれば、こういう推論ができるようになります。「そんなに基礎知識などがないから、そんな勉強はできない」ですか? じゃあ、投資なんかやめて定期預金にしましょうよ。大事な虎の子のお金を出すんですよね。どんな金融商品なのかをわからずに買えますか? 行ったことも町の土地を買えますか? あ、そういえば昔、原野商法というのがありましたね。都会の人に「北海道のリゾート開発予定地を買いませんか?」といって、1000坪でも数万円にしかならないような土地を何百万、何千万円で買わせる詐欺。大事なお金なんだから、きちんと中身を吟味してから買いましょう。

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2013年5月23日 (木)

日経平均株価前日比1143円28銭安

 私は、10時過ぎから仕事で出かけて、戻ってきたら17時だったので、まったくわからなかったのですが、午前中の最初は、多少上げたものの、その後はズルズルというよりはスルスルないしガランガランと下げたようで、日経平均株価が前日比1143円28銭安の1万4483円98銭となったようです。これだけの下げ幅は、13年ぶりだそうです。

 最近になって株を購入された方、あるいは昨日もご紹介したように投資信託を購入された方が4月は非常に多かったそうなので、そういう方々はびっくりされたかもしれません。

 しかし、株式相場とか為替相場って、そういうものですね。ブラックさんとショールズさんという人が株価変動をモデル化する理論を作ってノーベル経済学賞を取っているんですが、その基盤は、ランダムウォークなんだそうで。要するに千鳥足。今日上がったから明日も上がるとかそういう体系ではなく、明日は上がるかも、下がるかも。わかんないから確率1/2。で、明後日も同じく上がるかも、下がるかもで1/2の確率。という風に将来へと発展させれば、正規分布で未来の株価が予想できる。その分布から外れたら買われ過ぎか売られ過ぎだから裁定取引をすれば確実に利益を出せる。ってなことを各国の為替相場でやってロングタームキャピタルマネジメントなる会社で大儲け。が、LTCM社は、ロシア金融危機の際に大損出して破たんして、世界の金融市場に大影響をもたらしました。

 実は、株価や為替の変動は、ごくごく稀に大きく動く、つまり正規分布よりはべき乗分布、ロングテールと呼ばれる分布で変動すると統計的には分析できるのだそうです。つまり、ノーベル経済学賞を受賞したブラック=ショールズ理論は、正規分布とべき乗分布の相違部分の出来事が起きた瞬間に破たんしたということのようです。私の頭の理解の範疇、記憶の範疇で書いていますので、不正確かもしれませんが、私はそんな風に理解しています。

 投資をするということは、今日みたいな相場がたまに起こって、そこで大儲けしちゃったりすることもあるけど、大損したり、少なくともヒヤリとさせられたりという事象に出会う可能性を作るということです。そんなの心臓に悪いという人は、定期預金が良いし、いや、そういうことを体験するのも勉強だ、そしてあわよくば運用利回りを高めたいという人は、投資の世界へどうぞ・・・ということなのかなと思いました。

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2013年5月22日 (水)

プロも購入するETF

 今日の日経には、投資信託がものすごく売れてたいへんだという記事が出ていました。また、同じ日経の夕刊では、著名な米国投資家ジョージ・ソロスのヘッジファンドが「iシェアーズ・MSCIジャパン・インデックス・ファンド」というETFを30万株保有していたものをこの1~3月期の間に売却した(売り抜けた)という情報を織り込んだ記事が出ていました(ウォール街ラウンドアップ欄)。

 一般の個人投資家が手数料の高い投資信託を購入し、プロの投資家がETFを買う。不思議です。要するに素人はETFという魅力的な投資信託を知らないうちに手数料の高い投資信託を売りつけられているのではないでしょうか。

 iシェアーズ・MSCIジャパン・インデックス・ファンドというのは、MSCIジャパン・インデックスによって測定される日本市場で公開取引されている証券の価格および利回りの実績に概ね対応する投資成果(手数料および経費控除前)をあげることを目標としたファンドです。管理報酬は、0.53%と低いです。保有銘柄の一覧を見ると、トヨタ、三菱東京UFJファイナンシャルグループ、ホンダ、三井住友ファイナンシャルグループ、ソフトバンク、みずほファイナンシャルグループ、キャノン、JT、武田製薬、日立などと並んでいて、「株も買いたいけど、何を買ったらよいのかわからない」と言う人にはお勧めな感じ。そりゃそうです、日本の株価指数に追随するように運用されているんですから。要は、日経225銘柄を全部購入するようなイメージ。商品の内容もリスクも期待したいリターンもよくわかる商品です。

 なんで投資の入門者がこういうわかりやすい商品を購入しないのだろう?と不思議に思いませんか? そりゃ、知らないからですね。そして、売り手から紹介されないからです。なぜ、紹介しないのかと言えば、おそらく販売手数料が低いからだと思います。だって、ETFすなわち上場している株式同様の商品なので、せいぜい数千円といった手数料しか稼げないからです。

 と言うことで、やがては、このブログでも様々なETFについて紹介しようと思っておりましたが、本日は、その第1回目と言うことになります。そもそもETFとは何か?という話も十分にはしていないし、リスクとベネフィットについてもう少し書きたいことがあったような気がしますので、明日以降、何を取り上げるか、考えておきたいと思います。

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2013年5月21日 (火)

ポートフォリオってなんだ

 昨日のブログの最後にさらりとポートフォリオという言葉を使っていました。このポートフォリオって何なんでしょうね。意外と意味を分からず使い、使われた側もなんとなく考えずに受け止めている言葉かもしれません。

 ウィキペディアによれば、「ポートフォリオ(英語:portfolio)とは、安全資産と危険資産の最適保有率のことである。」「資産選択の問題として考察すると、収益が確定し、リスクの少ない安全資産と、市場価格の変動によるキャピタル・ゲインやキャピタル・ロスが発生し収益が不確実になるような、リスクの高い危険資産を、どのような割合で保有するのがよいかという視点から貨幣需要を見るアプローチである。」といったことが
書かれています。

 でも、日常のFPなどが我々素人に語っているときには、投資先の分散状況という程度のニュアンスで使い、「あなたのポートフォリオは国内資産への投資に集中しすぎているきらいがあり、もう少し海外資産への投資を考えないと少子高齢化の日本の経済動向に運用成績の足を引っ張られる恐れがあります。」みたいな表現で使われていることが多いような気がします。要するに分散投資の状況のことですね。

 この「分散投資」ですが、ふたたびウィキペディアでは、分散投資とは、「投資金額を分散していくつかのものに投資する手法である。一つのものに投資するとなんらかの要因で投資対象の価値が下落した場合は投資資金がほとんどなくなってしまうので、そうしたリスクを軽減するために行われる投資手法である。主に、中長期の投資スタイルに向いている。」といったことが書かれています。

 そして,具体的な手法としては、(1)時間的に分散する、(2)投資先を分散する、(3)投資商品を分散する、という3つが紹介されています。
 (1)は、1度にすべての資金を投下するのではなく、毎月同額ずつ買うと平均買入れ単価が低めになるし、(2)(3)は、株だけを買うのではなく、株が上がるときに下がる性質の債券も買っておく、自動車産業が良いと思ってもトヨタだけでなく日産、ホンダも買っておく、円相場を考えれば、トヨタだけでなく、GMやボルボも買っておく、日本株を複数買うだけでなくとSP500に連動する投信を買っておく・・・のどれが(2)で(3)だかわかりずらいのですが、まあ、そんなこと。

 でも、これって、結局は投資成果をハイリターンからミドルリターンへと引き下げる行為です。例えば、自動車産業が良いと思って、トヨタと日産とホンダを買っていて、F1レースに復帰のニュースでホンダの株価が上昇したら、ホンダだけを買っていた投資家には運用成績で負けることになります。また、個人がこういうことをやろうと思ったら、多額の資金もいるし、ホンダだけでなくトヨタの決算書も日産の決算書も勉強するなんて時間に限度があるし、実は俺は昔っから日産ファンなんだという人にとってトヨタを買うのは苦痛でしかない。それなら、定期預金100万円と日産の株式を100万円分という投資の仕方だってあるんだと思います。

 ポートフォリオとか分散投資って、本来、機関投資家のためにある理論やツールであって、個人投資家としては、「資産運用は、余剰資金の範囲内で行い、すべてを株などハイリスクな投資先にするのではなく、ローリスクなものも含めて、何通りかにしようね、馬券の1本買いみたいなことはしちゃダメだよ」という程度の話なのではないでしょうか。で、そういうことも含めて、投資信託はみなさんの分散投資のニーズを叶えますみたいな宣伝文句があるのかな?などと思ったりしてます。これは、また、後日書くとしましょう。

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2013年5月20日 (月)

リターンを高めるためにはリスクを取るしかない

 給与は上がらないし、老後は不安だし、投資によって今あるお金を増やさないと自宅購入資金なり老後の資金なりが貯まらない。やはり投資を考えざるを得ないという人もいらっしゃると思います。それであれば、以前にご紹介したマネー運用の5原則を再度勉強して、投資を検討するしかないのだと思います。

 なぜなら、今の銀行の定期預金金利,たとえば0.3%で1年複利で運用しても100万円は10年で1,030,408円にしかならず、20年でも106万円ほど。仮に毎年100万円ずつ貯蓄しても20年間で2064万円にしかなりません。しかし、もし、1%で運用できたら、100万円は10年後に1,104,622円になります。もし、5%で運用できたら1,628,894になります。これだと増えた感じがします。また、毎年100万円ずつ貯めた場合にも1%なら2223万円になり、5%なら3472万円と大きく差が出てくることになります。

 しかし、このリターンを自分のものにするには、リスクを取るしかないわけです。0.3%の定期預金か5%の運用方法を取れるかで20年の間に1400万円の差が出るのだとすれば、必死に勉強する意味があると思えませんか?

 でも、これだけ儲かるのであれば、なぜ、その方法を他人に教えるのでしょうか。なぜ、その商品を他人に売るのでしょうか。もし、絶対確実に5%の運用ができるなら、住宅ローンでも企業向けのローンでも固定金利2%台で借りられるわけです。あらゆるつてを使って2~3%で借りまくり、その絶対確実な運用方法で5%の利益を取りに行くのが普通です。それをしないということは、絶対確実ではないから、すなわちリスクがあるからです。

 金融機関がやっているのは、自分では運用する気にならない金融商品を組成して、販売や運用の部分で利益を出そうとしているのだと考えればよいと思います。もし、銀行が5%で運用できたら、なんで住宅ローンを必死に貸して1~2%の金利を稼ごうとするのでしょうか。そんな風に考えれば、大きなリターンが得られる金融商品にはリスクがあり、毎年安定して利益を出せるとは限らない。もちろん7%で運用できる年があるかもしれませんが、-1%に落ち込む年もあるかもしれない、だから、企業の全資産を投入するわけにはいかないということなのでしょう。

 ということは我々も同じです。そこに全資産を投入してはいけないし、一部が運よく5%で運用できたとしても、ポートフォリオの中には0.3%の定期預金もあるので、資産全体の運用利回りはそれほど良くなるわけではないということ。夢みたいな運用方法や運用成績はないということをまず理解して、それから勉強を始めればよいのではないでしょうか。その意味では、年間100万円だけしか枠がないNISA(日本版ISA)というのはポートフォリオを考えるうえで悪くない仕組みかもしれません。

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2013年5月19日 (日)

賃貸住宅を買うのも一種の資金運用

 昨日、住宅ローンの話に触れたので、ついでにアパート投資について書いてみます。「30年間家賃保証だから安心」という売り文句で自宅の建て替え時などに賃貸住宅併設の家にしませんか?なんていう話をしたり、空き地をお持ちの地主さんにアパートを建てましょうと言った営業がされています。

 旭化成の大きな活字から小さな活字に縮まっていく新聞広告をご覧になったことがあるかもしれません。旭化成は普通の住宅を建てるのがメインのプレハブメーカーと言う印象ですが、レオパレス、大東建託、東建コーポレーションといった会社が30年間家賃保証をビジネスモデルの中核の1つに据えていて上場もしている大手企業なので、名前を聞いたことがあるかもしれません。

 ただ、「30年家賃保証」といったキーワードで検索すると「騙されるな」というニュアンスのページがたくさん出てきます。基本的に、30年家賃保証には、私も良い印象を持っていません。以前、見た事例では、30年間の投資回収計画といった資料を作ってくれているのですが、家賃金額が建築直後から30年間同額で並べられていました。建築直後に8万円で貸せる部屋が、5年経って、10年経って、20年経って、同じ値段で貸せるでしょうか。逆に借りる立場で考えれば簡単、新築アパート8万円と築25年のアパート8万円があって、どちらも駅からの距離などの条件が同じなら新築の方を借りますよね。つまり築年数が経てば経つほど、賃貸収入は落ちてくるものです。もちろん、物価水準が変わらない場合ですが。そこでこの投資回収計画を10年後からは7万円、20年後からは6万円といった形に置き換えると、20年目からは家主に入ってくる賃貸料が月々の借入金返済を下回ってしまったりするわけです。

 バブル崩壊後の20年が異常で、基本は物価は継続的に上がるのだから、家賃は30年間変わらなくてよいのだ、ということかもしれません。しかし、90年代前半、株価、地価はすぐに戻るだろうと思って、結局は破たんしてしまった会社、いくつもありますよね。また、賃貸料は、その地域の人口動態の変化によっても上がったり下がったりするでしょう。日本の人口は、すでにピークを付けていて、あとは徐々に人口は減るのですね。30年間、空き室リスク、家賃下落リスクはありませんか?

 土地を持っていると毎年固定資産税がかかってきます。土地の活用を考えないと納税負担が大変だというという人は、必死に勉強したうえでアパートを建てて家主になったらどうなるかを考えたり、我々のような投資回収計画を作ったり、レビューできる人間に相談したりして、建築するかどうかを考えるべきでしょう。建築会社の営業マンに勧められて意思決定するというのは危険です。だって、相手は、建築してくれれば儲かるわけで、家賃保証部分は、空き室にならないように賃料を下げていけばよいのですから。会社によっては、不当に高い建築代金を請求し、その儲けで家賃保証部門の赤字を賄っているという話もあります。そうなると、次から次へと建築をしていかないと家賃保証部門の赤字で会社は潰れてしまうので自転車操業にならざるを得ません。契約を急がせる会社は、特に危険です。

 といった情報は、ネットで検索すればすぐに出てきます。「建築の知識や家主業の知識なんかないから、そんなこと言われても無理だよ」という人は、せいぜい駐車場くらいで固定資産税プラスアルファ程度の収益を得る、つまりローリスクローリターンで行くのが良いのではないでしょうか? リスクを取らずに、ミドルリターン、ハイリターンは期待するべきではないのです。

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2013年5月18日 (土)

リスクが怖くて投資ができない人のために

 昨日まで、投資には危険はつきもので、絶対安全というものはない。逆に言えば、何らかのリスクを取った結果としてリターンが得られるものだということを説明してきたつもりです。しかし、それを読んだ結果、国債ですら値動きがあって、特に今のように低金利かつこれから金利上昇の可能性がある時期には値下がりの危険があるのだとなると「どうしたらいいんだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。「危険がつきものだったら投資なんかしないよ」と言う人もいらっしゃるかもしれません。

 私は、それはそれで正しいと思います。その判断に自信を持っていただいてよいと思います。ある意味では、私もそれを実行してきた部分があります。それは住宅ローンです。自宅を建てて10年ちょっとになりますが、固定金利を選択しています。厳密に言えば、最初は銀行の人に強く勧められて(というか担当者の思い込みで)変動金利にしてしまいました。数年後、長期金利が上がってきた、もっと上がるかも?という記事を読んで、「固定金利に変えたい」と言ったのですが、リアクションが良くなかったので、別の銀行に借り換えをしてしまいました。そして10年固定。10年が経とうとしたところで再度10年の金利でのローンに借り換え。この10年間、変動金利にしたままだったら、多少は利息が減って、元本の返済がもう少し進んだのではないかとも思いますが、何千万円というローン残高の利息について長期金利相場に賭ける勇気が出ませんでした。支払う金利が多少高くても、安全な返済方法を選んだというわけです。

 100万円の資金運用なら、多少間違えて80万円に減ることがあっても、あるいは0になっても自分の読みが外れたことを後悔するだけです。しかし、住宅ローンで失敗したら、最悪は一家離散の危機です。なので、そこでリスクは取れませんでした。だから、より安い金利というリターンも取れませんでした。けど、後悔はありません。

 老後の資金4500万円を全額、米国医療債権での運用ファンドMRIに投資した人がいたというニュースを見ましたが、もし、リスクを恐れてリターンを欲張らないという判断ができていれば、せいぜい数百万円の損で済んだはず。競馬で1番人気の馬に持ち金全額を賭けるようなことをしてはいけないという単純な論理です。そんなことになるくらいなら、全額定期預金でほとんど増えない、けど、絶対に減らないというのはすばらしいことではありませんか。少なくともこの数年間、物価が下がってきました。実質購買力でみたら、お金の価値は増えているのです。かつての定期預金7%の時代には、物価が8%上がっていたりして、お金は目減りしていました。それに比べれば低金利時代は、夢のようです。預金が目減りしないのですから。

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2013年5月17日 (金)

金融の世界に「絶対安全」はない

 昨日まで国債の値動きの話を書いて、意外と債券も値動きがあるということを、そして今この時点を考えると、債券の値下がりのリスクがある時期だということをご理解いただけたと思います。

 でも、投資信託を売る人は、説明書きには元本を割れる可能性もあるとは書いてありますが、まずないと思いますとは言わないまでも(言ったら金融庁に怒られます)、常識的には損がないように運用されるようなニュアンスを漂わせるわけです。しかし、「絶対」はないのです。

 昔、「これは基本的に元本割れは絶対にないです」と言われていたし、私もそう思っていた中期国債ファンドという「銀行の普通預金のようなものです」と言われていた証券会社の商品が元本割れしたことがあります。2001年9月11日、そう米国のテロ事件の賠償金により日本の大成火災が破たんし、三洋投信の中期国債ファンドはここのコマーシャルペーパーと呼ばれる債券を持っていたために100円で買ったファンドが98円程度になってしまったということがあります。

 また、同じ年ですが、アメリカのエンロン社が破たんして、こちらも実質的に元本保証とされていたMMFが元本割れしました。MMF、マネー・マネジメント・ファンドは、基本的に債券の償還が長期ではない日本国債・普通社債(公社債)と、コマーシャルペーパーや無担保コール・譲渡性預金といった短期金融商品を組み入れることで(昨日も短期なら価格変動が小さいと書きました)安定した利回りを出す商品です。しかし、運用対象のごく一部かもしれませんが、安全な債券だと言われていたエンロン社の社債が紙くずになればそれまでです。

 金融の世界に「絶対」はないということも覚えておきたいです。

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なぜマネー運用の話をするのか

 このところ、連日でマネー運用関連の話を書いています。これは、NISAが出てきたということがきっかけですが、問題意識は2012年の確定申告時期に遡ります。あまりにも投資信託で損をしているお客様が多かったのです。そのため、事務所ニュースの中で次のようなことを書きました。それを読んでいただくと、私の問題意識をご理解いただけると思います。

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       投資信託について

1.毎月分配型の投資信託
 昨年あたりから確定申告をしている際に、証券投資信託をお持ちになっている方が多いように感じております。特に毎月分配型の投資信託や海外の債券等で運用する投資信託が目立ちます。証券関連商品が銀行で販売できるようになってから、「銀行が勧める商品だから」ということと、通常の銀行や郵便局の定期預金よりも圧倒的に利率が良いように見えるからだと思います。

 ところが毎月分配型の投資信託には問題があるように思っております。もし、こうした投資信託をお持ちでしたら、分配金の計算書をご覧になってみてください。普通分配金よりも特別分配金が多いという投資信託が目立つのではないでしょうか。特別分配金というのは、払い込んだ元本を払い戻すもので、利息や配当ではありません。そのため、利息や配当に係る源泉所得税や住民税が控除されていないのです。

 つまり1万円の基準価格で購入しても、特別分配金の支払いで基準価格が落ちてしまうのです。たとえば、「グロソブ」という通称すらあるグローバル・ソブリン・オープン(国際投信投資顧問)は、毎月35円、年間で420円の分配金を出していますが、基準価格は、3年前の6500ほどから現在は5000と、分配金の合計を超えるペースで下落しています。毎年1%以上の信託報酬を払いながら、この結果では、購入者は救われません。

2.新興国への投資
 投資信託を購入する際には、「新興国の金利の高い債券で運用ができる」「中国など新興国はやがて為替が円に対して強くなるから、利息がなくても為替相場で儲かる」などといったトークで有利性を説明されます。しかし、たとえば中国の元は、ドルと基本的にリンクしていますので、この数年間で1ドル120円から80円になったことで、元も同じ程度目減りしていることになります。そして、高い金利は、高いリスクの裏返しです。安全な国がなぜ高い金利で国債を発行しなければいけないのでしょうか。大きな利益はリスクを取らねば得られないという当然の理屈です。なので、減っては困る大事なお金は、安全な運用方法によるべきなのです。金利は安くても、物価上昇もないのですから、目減りはしません。

3.銀行もリスクのある商品を売る
 かつての私たちの常識では、銀行は元本保証、証券会社はリスクのある商品を売るという区分けでした。しかし、今は、銀行も投資信託など元本割れの可能性がある金融商品を売っています。したがって、定期預金や定期積金など内容を知り尽くしている預金以外のものを購入する際には、その内容をよく聞き、リスクの有無を調べてから購入するかどうかを決めるべきでしょう。少なくとも窓口で言われるまま、即断するべきではありません。ご家族に相談してもよいし、私どもにご相談いただいてもかまいません。

 こうした問題に触れた雑誌記事がありましたので、そのコピーを同封させていただきました。

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2013年5月16日 (木)

国債の値動きの理論(2)

 昨日、国債の値動きの話を書きましたが、その続きです。その前に便利なサイトを見つけましたので、ご紹介です。「債券の価格を算出する」というサイトです。FPの方のサイトですが、そこを勧めるわけではないですが、この債券価格の計算サービスは私の説明には便利で、ここで国債の理論価格を計算することができました。昨日の超ウルトラ国債の例では額面100で利息5%の国債の値段が市場金利が4%に落ちた時には125の時価になると説明しましたが、このサイトで残存年数を10000年と置くと、価格は「124.937655」といった価格が算定されました。

 では、もう少し一般的な雰囲気で上記の残存年数を10年と置くとどうなるか。107.14円となります。では、逆に4%で国債を発行したのに、市場金利が5%になったらどうなるか。93.33円となりました。

 続いて、2%で発行したのに3%になったら、92.31円、1%で発行したのに2%になったら、91.66円、0.4%で発行したのに1.4%になったら、91.22%です。金利水準が下がるほど、同じ1ポイントの変化でも下落幅が大きくなります。ケインズは、この現象を指摘して、金利水準が落ちてくると債券の上昇時の損失が増えるため、一定時点まで金利が落ちてくると債券需要は減って、貨幣需要が残り続ける。なのでLM曲線は金利が下がると水平になる、これを流動性の罠という・・・ってなことを言ったのですね。

 さて、日本の現状。0.5%で発行した国債ですが、アベノミクスが想定通りに成功するならば、物価目標と同様に名目金利も2%になると思われます。この場合、残存期間10年の国債だと額面100が87.5になると計算されます。残存期間が5年だと93.18、金融機関などは極力短期の国債にしているというので残存期間2年とすると97.12。確かに時価の低下は減るものの額面に対して3%近い下落をします。

 こういう文章を読んだところで、国債や公社債の値動きは安定的で安全だと思えるでしょうか。日本政府と日銀を信じるかどうかでも違ってくるわけですけど。また、本来なら流動性の罠の水準でこんなに国債が買われるわけはないのかもしれませんが、ケインズが現代日本には当てはまらないのか、それでも国債を買わざるを得ないくらい金余りなのか・・・。

 とりあえず、ここでは、債券の値動きの原理として「金利が上がると値段が下がる」ということは覚えておきたいと思います。

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2013年5月15日 (水)

国債の値動きの理論

 一般論として、株式は値動きが大きくてリスキー、それに対して国債や社債などの債券は値動きが小さく、安定的だという考え方があるように思います。しかし、債券も値動きがあり、これについてきちんと理解していないと、現在のような低金利時代における国債や社債のリスクを評価することができないと思います。

 まず、理論を単純にするために償還期限まで1000年くらいある超ウルトラ長期国債を考えてみます。ある時に発行された国債が額面100万円で利率5%とします。年間5万円の利息が1000年にわたってもらえることになります。ところが翌年には金利の水準が4%に下がりました。そこで額面100万円利率4%の国債が発行されました。さて、5%の金利の国債はどうなるでしょうか。その国債を買うと5%の金利がもらえてしまうので、4%の国債よりありがたい。だから、みんなそちらを購入する。その結果、値段が上がります。どこまで上がるのか。5万円を4%で割り戻した金額である125万円まで値上がりしてもよいという計算になります。

 この結果、5%債は125万円で売り買いされて、購入金額の4%に相当する5万円を受け取ることになり、4%債は100万円で売り買いされて、購入金額の4%に相当する4万円を受け取るということで、均衡することになるでしょう。償還期限を考えない場合、国債の値段は、25%も動く可能性があることになります。

 しかし、実際に発行されている国債は、3年とか10年とか30年です。それであれば、125万円も出して金利5%の国債を買ったら、償還時には100万円しかもらえないので、25万円も損することになります。たとえば、10年の国債なら、1年あたり、2.5万円損するので、4%国債の4万円より高い5万円の利息をもらえても、125万円で購入したのでは割に合わないということになります。

 では、110万円ならどうか。10年で10万円、1年あたり1万円の償還損があり、しかし、4%国債よりは1万円利息が多い。それなら、金利5%の国債は110万円なら買ってもいいかな?という雰囲気になるのでしょう(厳密には償還損の時期と毎年の利息での時間差があるので割引現在価値の計算が織り込まれなければなりません)。

 つまり、国債の価格変動は、額面に対する利率と市場金利、そして償還期限の長短の関係の中から決定されることになります。これが国債価格の変動の理論の基本だということで理解しておくとよいと思います。また、次回に続きを書きます。

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2013年5月14日 (火)

リスクのない運用とはどういうことか

 リスクがない運用ができたら、一番安心です。でも、ノーリスクでの運用の場合、どれくらいの利回りが期待できるのでしょうか?

 一般に破たんの可能性がない運用手段としては、日本国債が挙げられます。もちろん1千万円までの定期預金もそうです。今日の報道で、長期国債の利回りが0.8%に上昇した!という記事が出ていましたね。定期預金だと0.02%くらいが普通。ネット銀行やキャンペーン期間の金利でも0.1~0.4%くらい。結局、1%に満たない水準だということになります。

 つまり、これを超える運用には必ずリスクがあるということを理解しないといけないと思います。ちなみに国債でも一種の債券なので、値動きというリスクがあります。しかし、満期まで持っていれば・・・あるいは、個人向け国債なら値動きのリスクはないということになります。債券の価格変動の理論の話は別途するとして、とりあえず、ノーリスクの運用手段では、1%に満たない利回りしか期待できないということをしっかり頭に入れておきたいと思います。

 国債ではなく東京都債、神奈川県債といった公債もリスクが低いと思いますが、おそらく国債より若干だけ金利が高いのではないでしょうか。たとえば、国債が0.8%なら東京都債は0.81%とか。この差が国と都道府県の信用度の差です。最近、大手企業なども個人向けの社債を発行したりしますが、原理としては、これより高い金利が提示されるはずです。破たんの可能性がありますから。長銀でさえ、山一證券でさえ、日本航空でさえ破たんしたわけで、東京電力だって破たん寸前まで行くわけです。仮に明日、新日鉄や三菱商事が社債を発行したとしたら、1%とか1.2%くらいの金利になるのかもしれません。国債との差、0.2%とか0.4%がリスクに見合った報酬、リスクプレミアムだということになります。

 2%とか3%の利回りを達成したかったら、もっとリスクを取らないといけないわけです。

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2013年5月13日 (月)

投資信託ってどんなもの?

 投資信託って、はたしてそんなに有利なものなのか、販売手数料と信託報酬合わせて2~3%も払って、それを超えるリターンを投資家にもたらしてくれるものなのでしょうか?
 ネットにあった日経マネー2013年2月号の記事を基に再構成された国内の全公募投資信託を対象にした過去6カ月間の資金純流入額ランキング(2012年10月末時点)なるデータでベスト5の投資信託を調べてみました。

 首位、すなわち一番売れた投信は、フィデリティの「フィデリティ・USリート・ファンドB」です。信託報酬1.47%。フィデリティのサイトの情報によれば、この投信は、「主として米国の取引所に上場(これに準じるものを含みます。)されている不動産投資信託(リート)に投資を行ないます。」とのことです。そして、この名称の中のファンドBというのは為替ヘッジなしの商品で、為替ヘッジをするものはファンドAです。このランキングの作成基準時点2012年10月以降日本の株価は調子が良かったですが、米国でも現状、最高値圏ですから、基準価格は上がっていることと思います。しかも、円高のメリットを享受しているはず。

 しかし、このファンドを購入された方は、「これから、円安に向かうはずだから為替のヘッジなど不要だ」と判断した結果、この為替ヘッジなしの商品を購入したのだろうか?というと疑問だと思います。売り手に推奨されたから購入したのではないかと。このファンドの値動きは、米国のREITの相場変動と円ドル相場の変動の2つの影響を加味したものとなるということを認識されて購入されたのでしょうか。損をする可能性もある商品だということは読まれている方もご理解できると思います。このブログでご紹介しているNISAで買う商品としてはどうなのかな?と思う次第。

 続いて2位が野村の「米国ハイ・イールド債投 豪ドル 毎月」です。こちらは、信託報酬が0.92%です。野村のサイトによれば、このファンドは、「17本のファンド(「毎月分配型」と「年2回決算型」を有する、為替取引手法の異なる8つのコース(円コース、米ドルコース、ユーロコース、豪ドルコース、ブラジルレアルコース、南アフリカランドコース、トルコリラコース、通貨セレクトコース)およびマネープールファンド(年2回決算型))から構成されています。 」とのこと。さらにファンドである豪ドルコースは、「米ドル建て資産について、原則として米ドルを売り、豪ドルを買う為替取引を行ないます。 」となっています。米国のハイ・イールド債券を運用対象とすると同時に、米ドルを売って豪ドルを買う取引で豪ドルの高い金利を獲得しようという狙いを含めているのではないかと思います。つまり、債券価格の変動に加えて、米ドルと豪ドルのスワップが絡むのかなと。昨日のブログで書いたマネー運用の5原則の「気分の上での納得ではなく、数字を計算した上での冷静な損得判断が重要」とか「毎月分配型の投信は損だと山崎さんは断言しています。」という基準からすると失格だと思います。

 続いて3位は、ピクテの「ピクテ新興国インカム株式F(毎月決算型)」で、信託報酬は1.21%です。これは、「主に新興国の高配当利回りの株式に投資します。特定の銘柄、国や通貨に集中せず、分散投資します。毎月決算を行い、収益分配方針に基づき分配を行います。」ということで、「約70か国の6000~6500社の中から魅力的な高配当利回り銘柄を絞り込み投資」ということになっています。
 これと東証にETFとして上場されている「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング) 」(上場コード1681)とどれだけ内容が違うのかなと思います。もちろん高配当銘柄に投資するのとインデックスファンドではまったく内容が異なりますが、その違いよりはエマージング市場や為替相場の影響の方がはるかに大きいと思われます。それで、ETFの方は、ネット証券で注文すれば数百円の手数料で購入でき、信託報酬も0.25%程度とのこと。さらに毎月分配型は駄目ですよね、山崎説によれば。

 4位は、「野村豪ドル債オープン・プレミアム毎月」で、信用力の高い、豪ドル建て公社債を実質的な主要投資対象としつつ、「円に対する豪ドルのコール・オプションを売却し、オプションのプレミアム収入の獲得を目指す「通貨プレミアム戦略」を実質的に活用します。 」ということで、やはり投資家には理解できない商品だと思います。
 この通貨プレミアム戦略によれば、通貨オプションの満期時における対円での豪ドルの為替レート が権利行使価格と同じか、権利行使価格より円高・豪ドル安となった場合には、プレミアムと呼ばれる報酬がもらえることになります。しかし、権利行使価格を超えて円安・豪ドル高となった場合には、プレミアムの受け取れるものの、オプションにおける支払が発生し、損をする取引です。要するに為替相場に賭けているわけです。

 5位が「日興ピムコ・ハイインカム・ソブリン毎月リラ」です。信託報酬がなんと1.68%。2020年のオリンピックが開催されるかもしれないトルコリラが登場しますが、みなさんトルコについてそれ以上の知識をお持ちですか? さらにこのファンドは、「円建外国投資信託PIMCO エマージング・マーケット・ボンド・ファンドⅡ トルコリラクラス」と証券投資信託「マネー・オープン・マザーファンド」への投資を通じて、主に米ドル建の新興国ソブリン債に投資するのだそうで、「PIMCO エマージング・マーケット・ボンド・ファンドⅡ」なるものがどのような投信なのかも理解しないと買えないはずの商品です。

 私は、ここまで書いて、どれも欲しいとは思えなかったです。これを何千億円と売ったわけですから、同額だけ購入した投資家がいたわけです。たぶんこの半年で儲かったのではないかとは思いますが、来年NISAのスタート時に購入して儲かるかどうかは、まったく想像が付きません。みなさんはいかがでしょうか。

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2013年5月12日 (日)

マネー運用の5原則

 週刊ダイヤモンド5月11日号61頁で山崎元さんが「個人のマネー運用で守りたい5原則」という心得を示してくれていました。これは、NISA(日本版ISA)でも守るべき原則だと思いましたので、ご紹介です。

第1条 余計な手数料を払うな
 投資信託などでは、販売手数料1.5%、毎年の信託報酬1%といった商品がたくさん見られます。せっかく100万円投資してもこの手数料で97万5千円に目減りしたところから運用が開始したのでは、なかなか儲からないのではないでしょうか。

第2条 リスクの集中を避けよ
 これは、分散投資を勧めるということのようです。「特に株式に投資する場合業種の分散も含めて、投資対象を分散するほうが良い」ということだそうです。輸出株と内需株に分散すると為替相場の変動にはよいということになります。

第3条 金融マーケティングを解毒せよ
 投資家を騙すような、騙すとまではいかないまでも合理的とはいえない運用商品が存在するので、そういった商品を買わない、買わされないために「気分の上での納得ではなく、数字を計算した上での冷静な損得判断が重要」だとのことです。毎月分配型の投信は損だと山崎さんは断言しています。

第4条 長期的な妥当な運用から逸脱しない方がいい
 これもそうだなぁと思わせる原則です。株式相場が堅調だからといってすべての資産を株式にするのは危険ですし、円安基調だからFXにたくさん資金投下するのも危険です。同じことは、債券投資にも言えます。金利が下がってきた状況で、今まで債券価格は上昇してきました。しかし、アベノミクスで物価上昇率が2%を達成するならば、その時には金利も2%になっていると思われます。その場合、債券価格は下がるはずですね。

第5条 お金の問題では利害のある他人、特に金融マンや運用商品を紹介するFPを信用するな
 金融商品を紹介する人は、その金融商品を扱う会社からお金がもらえる人です。保険外交員なら生命保険会社からお金がもらえる人。銀行の資金運用窓口の人は、投信等を売ることで自分の成績が上がる人です。山崎さんは「あまりにも多くの場合、真に怖いのは、マーケットのリスクよりも、利害をもって関わる『人間』だ」と断言しています。

 極めて真っ当で、妥当な5原則だと思いましたので、ご紹介します。「NISAには投資信託が向いている」と言うFPその他金融関係者が多そうなので、よけいに上記の5原則は大事なのではないかと思います。

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2013年5月10日 (金)

NISA(日本版ISAへの対策)その2

 前回、このブログでNISAについて書いたところ、フェイスブックの方で「 NISAには損益通算の対象にならないという罠もあるようですね.毎年勝っている人でないとあまりお得にならないというような」(紀さん)といったコメントも寄せられました。他の株の売買損益と合算したり、損失の繰り越し控除を認めたら、この制度が骨抜きになってしまいます。なので、損失が出ても繰り越せないし、一般の口座の株式等の売却益との通算もできません。

 さらに「非課税期間終了後に特定口座・一般口座に移管した場合は、終了時の時価が取得価額になるため、100万円の投資額が5年後に70万円になり、それを特定口座に移管してから90万円で売ると、10万円損しているにも関わらず、20万円が課税対象になるそうです。」(江崎さん)という情報もいただきました。確かに100万円で買った投資信託の基準価格が70万円に下がっていて、それを6年目に一般口座で売却損として実現させて、一般口座の売却益と合算したら、口座を分離していた意味がなくなるのですね。なので、そういうことはさせず、一般口座へは70万円の取得価額として引き継がせ、もし、80万円で売却したら10万円課税しますということになります。
 逆に5年後に120万円に値上がりしていたら、やはり一般口座へ120万円で引き継がれ、もし、130万円で売ったら、10万円だけ課税する、つまりNISA口座の間の20万円の値上がりには課税しないということなのでしょう。

 ということで、NISAでは、利益が出る分にはいいけれど、損が出たまま5年を終了するわけにはいかないということになります。そしたら、損失の出にくい銘柄に投資しないといけないということになります。しかし、それって投資ですかね。リスクを取るからリターンがある。リスクがないから、定期預金は0.02%の金利なんですね。しかも、100万円で20万円利益が出た場合に20%の4万円が非課税という制度。ようは20万円利益で手取り16万円なのか、20万円なのかの違いで、損が出た場合のケアがない。一般口座でリスクも取りながら25万円稼いで、税引き後20万円の手取りと結果は同じ。となると、どこまでNISAに魅力があるのでしょうか。

 リスクへの対処なく、リターンへの報酬しかないというのは、リスクを取ってリターンを得る投資の原則から外れます。この制度がどのように普及するのか、普及しないのか。普及するとすれば、どのような金融商品や銘柄で普及するのか。今後も関心を持っていきたいと思います。

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2013年5月 1日 (水)

少額投資非課税制度

 先般もこのブログで触れたISAの話ですが、日本証券業協会では4月30日、2014年1月に開始される「少額投資非課税制度」(日本版ISA)の愛称を「NISA(ニーサ)」に決定したと発表したそうです。

 名前は、なんでもイーサなんですが(おじさんギャクです)、この利用の仕方については、きちんと詰められていないような気がしました。今朝の新聞では、投資信託についてのブログを書いている人に取材して「NISAでは投資信託を買うのが良いと思います。」というコメントを載せています。そりゃ投資信託のブログ書いている人に聞けば、そう答えるよなと。

 そこで私自身の頭で考えようと思います。これは、非課税制度です。単なる投資の優劣を考えるなら、運用資金の目的と狙うベネフィットとリスクの兼ね合いの中から検討すればよい。しかし、NISAが非課税制度であることに着目して、NISAで何を運用するべきかを考えたら、非課税額がマキシマムになり得るものを狙うべきなのではないかと。

 そこで試算です。3つの運用形態を考えます。
1.毎年4%の分配金がもらえると期待される投資信託100万円。
2.毎年3%の配当がもらえると期待される株式100万円で5年後に10%値上がりすると仮定。
3.1~2年で30%は値上がりすると期待できる株式100万円。

 NISAは、買ってから5年間非課税です。一見すると3の1~2年で売却してしまうのは枠を使い残すようなものでもったいない。でも、計算してみましょう。
1.毎年4万円の分配金が5年で20万円。その源泉税20%4万円が非課税となる。
2.毎年3万円の配当5年で15万円、5年後の売却益10万円の合計25万円の源泉税20%5万円が非課税となる。
3.1~2年で売却した売却益30万円の源泉税20%の6万円が非課税となる。

 この試算では、3が一番有利ということになりました。では、相場の状況が期待に反して、値上がり等がない場合にはどうなるか。相場の値上がりがほとんどない状態だと、債券利息や株式配当を原資に分配金が期待できる1と配当金が期待できる2が有利で、3が不利。損が出る場合も同じということになります。なお、私は投資信託が嫌いなので、補足するならば、もし、株式相場がこう着状態ならば、そして2の株式というのが株式相場に比例的に動く日経225連動のETFなどであったとすれば、1より2の方がお得です。1は、信託運用報酬分だけ毎年1%以上の率で基準価格が落ちるはずだからです。ETFの運用報酬比率の方が低いはずですので。

 と書いたところで、賢明な読者は、この試算例でなんで1は5年後の基準価格の上昇による利益を見込んでいないんだ?という疑問を持たれていることと思います。ここは説明をしておかないとフェアでないですね。1の試算の背景としては、配当で3%、株式や債券の売却益で2%の運用を行い、1%の信託運用報酬を抜き、4%の分配金を払うので、基準価格は上昇しないという想定なのです。世間一般で見られる人気のある毎月分配型の投資信託なんてものは、多額の分配金を支払いながら基準価格を同じ程度切り下げているわけですから、それに比べれば良心的な投資信託を想定しています。という良心的な投資信託が1なんだということを前提としているということをご理解いただければと思います。

 ということで、NISAが他の口座と違うのは、「非課税」というところだとするなら、5年という期間に縛られず、いかにして多額の運用益を上げるかに着目して投資対象を選択するのが良いように思います。100万円の株が500万円に値上がりすれば400万円の利益、その結果80万円の節税ということになるわけですから。

 といった想定でNISAが設計されたのではないような気がするので、自分で書いておきながらもなんか変な制度だなぁと思うわけです。ま、とりあえず、配当ではなく株主優待が魅力的といった銘柄をこの口座で買ってはいけないということは、ご理解いただけると思います。カゴメ、キリンビール、スターバックス、ゼンショー、オリエンタルランド・・・みたいな銘柄は向いていないということになります。

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