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2012年11月 6日 (火)

政策を期待値で決めることの是非

 大飯原発の敷地を走る断層が活断層か否かの検討をしています。学者の間でも意見が分かれているようですが、仮に活断層だとして12万年に1度動くのか20万年に1回動くのかわかりませんが、ここからの1年で動く可能性はどれくらいなのでしょうか。10万分の1とかそういう確率かな?と思ったりします。そうすると、大飯原発が廃炉になるまで20年として、10万分の20、すなわち5000分の1くらいの確率で事故が起きるということになるのでしょうか。

 いざ、原発で事故が起きると大きな被害が出ます。福島ではどれくらいと見込まれているのでしょうか。風評被害から何から含めて大飯原発で事故が起きた時の損害額を仮に10兆円と見積もるとしましょう。そうすると、活断層が動くことによる損害の期待値は、10兆円に1/5000を乗じて、20億円ということになります。あくまで仮の数字による計算ですが。

 これに対して、大飯原発を止めることでの燃料費の増加、電力料金の増加、CO2の排出量の増加などを見積もると、これは止めれば100%発生ますが、おそらく50億、100億円というオーダーにはなると思います。ここから20年の話ですので。

 期待値で考えれば、大飯原発を稼働した時の損害と停止した時の損失とを比較すれば稼働し続けたほうが好ましいということが言えることになります。あくまで仮定の数値があっていればの話ですが。

 と書くと、おそらく期待値でそういう大事なことを決めるべきではないという意見が出てくるのだと思います。しかし、これ以外にどういう判断要素があるのかな?というのが私のわからないところです。「外出すると交通事故に遭う確率は家の中にいるより確実に高まる。だから外出はしません。」という引きこもりの人がいたら、「ばっかじゃない?」と思うはずです。家の中で火気を使うと火事の確率が高まるから、家での煮炊き、お風呂は使いませんという人がいても、ノイローゼに違いないと思うはずです。人間の行動は、何らかの形で期待値を利用しているはずで、船より飛行機のほうが事故の際の死亡率が高いとわかっていても、九州までフェリーで行くよりは飛行機で行く人のほうが多いはずです。それは明らかに時間コストが飛行機のほうが安いから。期待値として死ぬ確率は限りなく0に近いと踏んでいるわけです。もちろん九州に新幹線で行く人はいますが、これは時間コストより死ぬ確率のほうを大きいと判断する人の合理的な判断なのでしょう。

 結局、期待値以外に判断の基準がないのだとすれば、国の政策も期待値で決めるべきなのではないか、あるいはそれ以外に正しいといえる判断方法はないのではないか?という私の疑問です。この仮説が正しいとした場合には、そして、上記の仮定数値が誤りでない場合には、坂本龍一も大江健三郎も期待値の概念がない阿呆であるという結論になってしまう点で、非常に勇気のある判断になる点も悩ましいところなのですが。

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