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2012年1月14日 (土)

1月14日日経「大機小機」欄について

 今朝(1月14日)の日経の大機小機欄「身を削ることの意味」は、面白かった。産業界の代弁をする日経というスタンスなのかもしれないが、要は、「消費税増税を提案する前に、定数削減や公務員給与の引き下げをするべきだという意見に反対し、同時にやってもいいはずだろう」という主張となっています。

 その論にやや強引さもあるが、観点としては非常に興味深かいものでした。なぜなら、毎年増えていく高齢者による年金支給や医療費の増大は巨額です。なので、議員定数を削減して支出を抑えても、公務員給与を7%とか引き下げても、公務員や議員の数と高齢者の数を比較してみれば一目瞭然、焼け石に水です。

 したがって、消費税は、引き上げざるを得ないと私は思っています。少なくとも法人税はすでに諸外国の中でも最も高く、あと10%下げてもおかしくない水準です。そして、所得税については、給与所得控除が圧倒的に大きかったり、195万円以下5%という低い税率設定のために年収500万円未満の納税者の負担が低すぎる以外は、所得3000万円以上の納税者の負担をもう10%程度引き上げるくらいしか増税の余地はありません。それに比べて、消費税は、ヨーロッパ各国と比較すれば、あと10%引き上げる余地がある世界的に低負担の税となっています。

 身を削ってから消費税増税をするべきだ論に対して、大機小機は、公務員の給与は財政黒字になったら引き上げてもよいというものであるなら財政赤字の現状は引き下げるべきだ。しかし、公務員の給与は民間の給与水準に準じて決められているのだから、消費税増税で「自分の所得が減るのだから、他人の所得も減らさないと気が済まないという感情論にすぎないのではないか。」といいます。

 そして、どうして増税と身を削るのを同時にやってはいけないのか?とも問いかけます。確かに次回の通常国会で定数削減と公務員給与の削減を実施して、それを見てから消費税増税を翌年の国会で決めなくても、両方同時に決めればよいではないか?ということですね。ま、これについては、消費税を引き上げたかったら身を削れという条件を付けないと、やるべき定数削減などが有耶無耶にされてしまうという政治と行政への不信感があるのだと思います。

 結局、身を削れ論は、現役世代の負担を先延ばしする口実として使われているのではないか、という主張は非常に説得力がありました。私は、消費税を引き上げ、議員定数を削減し、公務員給与を(本当の民間並みに)引き下げ、農家の個別補償制度をやめて10年後の農家を育成する制度にするといった一連の改革を一気に実行してほしいと思っています。いずれも早くやるべきもので、「まずは身を削ってから」などと段取りをしている場合ではないと思うからです。

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