« 古楽(バロック音楽)のテンポ | トップページ | 公益的事業を行う主体に関する整理 »

2011年12月28日 (水)

正しい楽譜の読み方

 大島 富士子著「正しい楽譜の読み方 -バッハからシューベルトまで- ~ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート」(現代ギター社)を読みました。バッハから古典派までの演奏をする人には必ず価値がある本だと思いました。前回のブログで、やけに早いバロック演奏は変だという話を書いた後、テンポの決め方ってどうするんだろう?と思っていて見つけた本です。
 
 正しいテンポの決め方の話では、Lentoは速度の記号だがAdagioは曲想記号だという主張や、舞曲においてはそれぞれ踊ることができるテンポが必然的にあるので、そのテンポで弾くべきであり、その他の曲については・・・という記述などは、なるほど!と思いました。また、トリルの話なども「そうだったのか」という話が書かれていました。
 
 ただ、いかんせん、厚みがない。テンポの決め方、装飾音などそれだけでも1冊の本が書けそうですが、講義ノートなのできっとライナー教授は講義ではもっと語っているのでしょうけれど。もっと知りたければ、CPEバッハ「正しいクラヴィーア奏法への試論」、レオポルド・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ「フルート奏法試論」を読めということなのかもしれません、この3冊がお勧め本として挙げられていました。
 
 で、こうしたアプローチは、1975年くらいまで世界的になかったそうです。なので、これから音楽を学ぶ若い人たちは、こういうアプローチも含めて学習できるのでしょう。ま、ちゃんとした先生は、以前からこういう発想はあったはずです。ヴィヴァルディにチェロソナタホ短調という名曲があり、これのレッスンの時には「この楽章は、シチリアーノなんだよ。だから、そういうテンポ感で弾かないと」とか言われた体験が個人的にもありますので。
 
 バッハのフランス組曲、無伴奏ヴァイオリンパルティータ、無伴奏チェロ組曲などを弾くにあたっては、バロック舞踊の知識が不可欠なのだということはこの本により再認識しました。西洋音楽を学ぶには幅広い教養が必要なようです。ちなみに、これだけ良い本がなんで音楽の友社や全音ではなく、現代ギター社なんだ?というのが不思議です。逆に言えば、まだ、こういったアプローチがメジャーではないということなのか、あるいはギター界においてはバロックは重要なジャンルであって、相応に研究が進んでいるからなのか。
 
P.S. 本来は、そろそろ平成24年度税制改正大綱の感想などを書くべき時期なんですけどねぇ。

|

« 古楽(バロック音楽)のテンポ | トップページ | 公益的事業を行う主体に関する整理 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/181294/53589636

この記事へのトラックバック一覧です: 正しい楽譜の読み方:

« 古楽(バロック音楽)のテンポ | トップページ | 公益的事業を行う主体に関する整理 »