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2011年12月 9日 (金)

NPO法人や一般社団法人

 昨日、内閣府の社会起業家支援のプログラムを実施している支援団体のセミナーの講師をさせていただきました。起業初期に必要な経理や税務の話が内容です。講義後、受講者の方の数名とお話をしている中で、一般社団法人を立ち上げようとしているのですが、「会社の方でお付き合いしている税理士さんには前向きに相談に乗ってもらえなかった」みたいな話が出てきました。
 
 我々の業界の中には、不勉強な人がいて、たくさんの事例をこなして慣れている株式会社・有限会社の仕事で十分、よくわからない組織体の会計や税務を勉強してまではやりたくない・・・という人がいらっしゃいます。これ自体は、同じ税理士としてお恥ずかしい次第です。でも、やれないからと断るのも失礼とは言え、いい加減な状態で引き受けるよりは良いのかもしれませんが・・・。
 
 でも、1つ御理解いただきたいことがあります。株式会社という組織形態は非常によくできているし、また、日本でも明治時代に導入されて以来、100年以上使われてきた組織であり、200万社という数があるため、ビジネスを行うインフラとして極めて安定しています。安定しているというのは、取引相手になる相手(多くの場合は会社)も良く知っていて、例えば一番偉いのは代表取締役社長ということを知っているわけです。NPO法人の代表理事が同じ機能の役職であるということは、必ずしも同じようには知られていない。また、会社に関する規律を定めた会社法は多くの人が知っており、その内容もある程度知られています。それに対して、一般社団法人、NPO法人はマイナーです。そのため、我々税理士も、あるいは弁護士や司法書士も多くの場合、株式会社をデフォルトの業務対象として研さんを積み、プロフェッショナルとして活動しています。
 
 デフォルトの業務対象であるということは、多くの知識の集積があり、わざわざ法令等に立ち返って調べなくても業務ができる、定型書式などもある、したがって効率的に仕事ができるということを意味します。これを既製服と表現するならば、NPO法人や一般社団法人の場合、オーダーメイドだということになります。そのため、弁護士や税理士もある程度わかってくるまで手数がかかることを覚悟の上で引き受けることになります。十分な知識がないまま仕事をすると、思わぬところでミスが出たりします。例えば、一般社団法人は、定款の内容、社員・理事の構成などによって、税務上の恩恵が得られるかどうかが違ってきます。となれば、法人の設立前の段階で、税理士と接触して、検討する必要があります。もちろん、設立をお手伝いする司法書士がそういう知識を持っていれば、そこを想定しながら定款の作成、社員・理事の構成のアドバイスをしてくれます。でも、もし、司法書士も税理士もそこの知識がなかったら? そういう難しさが伴うものであるということは御理解いただければと思います。なので、もし、税理士さんなどに依頼する場合に株式会社の報酬のベースより安くなりませんか?なんて聞かないであげてくださいね。株式会社の報酬と同じであれば、実質的には割安なんです。

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