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2011年12月28日 (水)

公益的事業を行う主体に関する整理

 公益法人改革により従来の社団法人、財団法人がなくなり、一般法人(一般社団法人、一般財団法人)制度になり、平成23年6月にはNPO法人法が改正になって、24年4月から施行されます。そんな中で、これら様々な法人格によって、税制上の優遇措置なども変わってきます。そこで、これらを整理したものがあると便利だと思っていたところ、見つけましたので、自分の記憶に残すことも含めて、ブログにまとめておこうと思います。

山岡義典稿・非営利・公益法人制度とその課税措置の比較(「税理」2011/11号P.99)より
法人の種類等 設立手続 収益事業課税の範囲 軽減税率の適用 みなし寄附の適用 利子等非課税の適用 寄附金控除の適用
(旧公益法人)
特例民法法人
主務官庁の許可
(旧公益法人)
特定公益増進法人
主務官庁と財務省の認定
公益法人 行政庁(認定委員会)の認定
非営利一般法人 準則主義(届出)
その他の一般法人 準則主義(届出)
特定非営利活動法人 所轄庁の認証
認定特定非営利活動法人 国税庁の認証
社会福祉法人、学校法人、更生保護法人 国税庁の認可
消費生活協同組合 所轄庁の認可
普通法人(株式会社など) 準則主義(届出)
任意団体(法人格なし) 手続不要

 
 これらの中で重要なのは、収益事業課税の適用があるか否か、公益法人向けの軽減税率の適用があるか否かだと思います。公益的な活動(赤字)と収益事業の活動の2つを営む場合には、みなし寄附の適用があるか否かは重要です。また、多くの人から寄附金を集めて事業の資金とする組織の場合には、寄附金控除の適用があるかどうかが重要になってくると思います。
 

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正しい楽譜の読み方

 大島 富士子著「正しい楽譜の読み方 -バッハからシューベルトまで- ~ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート」(現代ギター社)を読みました。バッハから古典派までの演奏をする人には必ず価値がある本だと思いました。前回のブログで、やけに早いバロック演奏は変だという話を書いた後、テンポの決め方ってどうするんだろう?と思っていて見つけた本です。
 
 正しいテンポの決め方の話では、Lentoは速度の記号だがAdagioは曲想記号だという主張や、舞曲においてはそれぞれ踊ることができるテンポが必然的にあるので、そのテンポで弾くべきであり、その他の曲については・・・という記述などは、なるほど!と思いました。また、トリルの話なども「そうだったのか」という話が書かれていました。
 
 ただ、いかんせん、厚みがない。テンポの決め方、装飾音などそれだけでも1冊の本が書けそうですが、講義ノートなのできっとライナー教授は講義ではもっと語っているのでしょうけれど。もっと知りたければ、CPEバッハ「正しいクラヴィーア奏法への試論」、レオポルド・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ「フルート奏法試論」を読めということなのかもしれません、この3冊がお勧め本として挙げられていました。
 
 で、こうしたアプローチは、1975年くらいまで世界的になかったそうです。なので、これから音楽を学ぶ若い人たちは、こういうアプローチも含めて学習できるのでしょう。ま、ちゃんとした先生は、以前からこういう発想はあったはずです。ヴィヴァルディにチェロソナタホ短調という名曲があり、これのレッスンの時には「この楽章は、シチリアーノなんだよ。だから、そういうテンポ感で弾かないと」とか言われた体験が個人的にもありますので。
 
 バッハのフランス組曲、無伴奏ヴァイオリンパルティータ、無伴奏チェロ組曲などを弾くにあたっては、バロック舞踊の知識が不可欠なのだということはこの本により再認識しました。西洋音楽を学ぶには幅広い教養が必要なようです。ちなみに、これだけ良い本がなんで音楽の友社や全音ではなく、現代ギター社なんだ?というのが不思議です。逆に言えば、まだ、こういったアプローチがメジャーではないということなのか、あるいはギター界においてはバロックは重要なジャンルであって、相応に研究が進んでいるからなのか。
 
P.S. 本来は、そろそろ平成24年度税制改正大綱の感想などを書くべき時期なんですけどねぇ。

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2011年12月11日 (日)

古楽(バロック音楽)のテンポ

 今朝、止め忘れていつも通りの時間に鳴りだしたラジオのせいで、朝6時からの音楽番組を聞いてしまいました。ピーター・ウィスペルウェイが弾くバッハの無伴奏チェロ組曲第1番。異様に早い。生き急いでいるのか、速く弾くことを最大の目的にしているかの如くに速い。

 バロック音楽をその時代の楽器で再現するような方々の演奏にしばしば見られるテンポ感。あれに私はついていけません。無伴奏チェロ組曲は、プレリュードの後、5曲の舞曲でできています。あのテンポでバロック風の提灯みたいなドレス着たご婦人が踊れるのか?と思うわけです。石造りの宮殿の広間など音が反響しそうな場であのテンポで弾いたら前の音と混ざってしまって何が何だか分からなくなりそうな気も。お風呂場で「熊蜂は飛ぶ」を演奏したらどうなるか?という想像をしていただく感じ?

 しかし、私も含め、現代のクラシックファンの耳は、2~3千名収容される大ホールを前提に作られてしまっており、バロック時代のようにもっと小さな場で演奏されるならば、あれくらい速くないと間が持たないのか?と思ったり。バロック音楽にはメトロノーム指示がない(メトロノームが発明されたのはベートーヴェンの時代)ので、真実はなんともわからないですね。少し、バロックダンスでも観にいってみるしかないのかもしれません。

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2011年12月 9日 (金)

NPO法人や一般社団法人

 昨日、内閣府の社会起業家支援のプログラムを実施している支援団体のセミナーの講師をさせていただきました。起業初期に必要な経理や税務の話が内容です。講義後、受講者の方の数名とお話をしている中で、一般社団法人を立ち上げようとしているのですが、「会社の方でお付き合いしている税理士さんには前向きに相談に乗ってもらえなかった」みたいな話が出てきました。
 
 我々の業界の中には、不勉強な人がいて、たくさんの事例をこなして慣れている株式会社・有限会社の仕事で十分、よくわからない組織体の会計や税務を勉強してまではやりたくない・・・という人がいらっしゃいます。これ自体は、同じ税理士としてお恥ずかしい次第です。でも、やれないからと断るのも失礼とは言え、いい加減な状態で引き受けるよりは良いのかもしれませんが・・・。
 
 でも、1つ御理解いただきたいことがあります。株式会社という組織形態は非常によくできているし、また、日本でも明治時代に導入されて以来、100年以上使われてきた組織であり、200万社という数があるため、ビジネスを行うインフラとして極めて安定しています。安定しているというのは、取引相手になる相手(多くの場合は会社)も良く知っていて、例えば一番偉いのは代表取締役社長ということを知っているわけです。NPO法人の代表理事が同じ機能の役職であるということは、必ずしも同じようには知られていない。また、会社に関する規律を定めた会社法は多くの人が知っており、その内容もある程度知られています。それに対して、一般社団法人、NPO法人はマイナーです。そのため、我々税理士も、あるいは弁護士や司法書士も多くの場合、株式会社をデフォルトの業務対象として研さんを積み、プロフェッショナルとして活動しています。
 
 デフォルトの業務対象であるということは、多くの知識の集積があり、わざわざ法令等に立ち返って調べなくても業務ができる、定型書式などもある、したがって効率的に仕事ができるということを意味します。これを既製服と表現するならば、NPO法人や一般社団法人の場合、オーダーメイドだということになります。そのため、弁護士や税理士もある程度わかってくるまで手数がかかることを覚悟の上で引き受けることになります。十分な知識がないまま仕事をすると、思わぬところでミスが出たりします。例えば、一般社団法人は、定款の内容、社員・理事の構成などによって、税務上の恩恵が得られるかどうかが違ってきます。となれば、法人の設立前の段階で、税理士と接触して、検討する必要があります。もちろん、設立をお手伝いする司法書士がそういう知識を持っていれば、そこを想定しながら定款の作成、社員・理事の構成のアドバイスをしてくれます。でも、もし、司法書士も税理士もそこの知識がなかったら? そういう難しさが伴うものであるということは御理解いただければと思います。なので、もし、税理士さんなどに依頼する場合に株式会社の報酬のベースより安くなりませんか?なんて聞かないであげてくださいね。株式会社の報酬と同じであれば、実質的には割安なんです。

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2011年12月 5日 (月)

イタリアが3兆円規模の緊縮策

 300億ユーロと言われてもあまり実感がわかないけれど、3兆円なのですね。歳出削減と増税のセットで300億ユーロのようですが、年金のインフレ連動性を廃止、70歳までの雇用を促すインセンティブの一方で、年金の支給開始を段階的に66歳に引き上げる。増税の方は、不動産税の再導入で100~110億ユーロ。付加価値税の税率が2ポイント。ヨットや一部車種など贅沢品に対する新税の導入。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111205-00000002-reut-bus_all
 
 不動産税というのは、日本でいう固定資産税でしょうか。これは、日本には昔からあるので当然と思っていましたが、再導入ということは一時期止めていたのでしょうね。資産家への課税の強化。そして、贅沢品への新税は、日本でいうと自動車取得税とか自動車重量税なのかもしれませんが、一種の物品税というのはどうなのかな?と思いつつも、担税力のあるところへ課税しないとこの危機は・・・ということなのでしょう。そして、付加価値税。
 
 日本だとイタリアより経済規模が大きいので一概にいえないものの、消費税を1.5ポイント引き上げると3兆円なので、財政再建のためにはやはり消費税の10%なのかなぁと思ったりします。ただ、イタリアは年金のインフレ連動性を廃止するのに対して、日本では、デフレ非連動性を廃止することすら反対する議員がいるというのはどういうことなのでしょう。イタリアも資産家に負担をしてもらう増税をしようとしているわけで、日本も資産家すなわち高齢者に対して厳しい対応をしないと、イタリア化してしまうように思います。

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2011年12月 2日 (金)

平成23年度の税制改正

 震災対応やらいろいろあって、訳がわからない状態ながら何とか平成23年度税制改正法案が11月成立しました。
 結局、相続税や所得税は法案から削除され、成立したのは、法人税と納税環境整備のみ。でも、法人税は結構影響があります。

(1) 基本税率の引き下げ
 現行30%の法人税率が25.5%になります。また、中小企業の軽減税率は現行22%が19%になります。これらは平成24年4月1日以後に開始する事業年度から。なお、特別措置法側で現行18%の税率が課税所得800万円以下には適用されていますが、これが15%に引き下げられ、震災特例で10%上乗せなので、実際には平成24年4月1日以降開始する事業年度から、軽減税率は16.5%。平成27年度から19%ということになります。
(2) 減価償却制度
 現在の定率法は、250%定率法と呼ばれておりますが、これが200%定率法となり、使用開始直後の償却額が圧縮されることになります。税率引き下げに対する課税ベースの拡大という側面です。ただ、250%定率法だと最初の1~2年間の償却費の負担がかなり大きいような気がして、費用配分の原則の観点からはどうかな?という気もありました。なので、それほど筋の悪い改正ではないと私は思っています。
(3) 繰越欠損金の期限と控除の制限
 現在7年間の繰越欠損金の繰越期間が9年に延びました。また、中小法人等を除いた法人では、繰越控除をできる金額が繰越控除前の所得の80/100までという制約が加わりました。9年に延長の方は、平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金に対して適用されます。
(4) 貸倒引当金
 貸倒引当金は、中小法人、銀行等、リース業は関係だけの制度となり、一般の事業の大法人は、貸倒引当金の計上ができなくなりました。ただ、経過規定はあります。
 
 以上が主要なところと言えるようです。

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