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2011年6月 6日 (月)

資本金の額による会社の見栄え

 我々税理士は、顧客が会社を設立する際、あるいは増資をするべきか検討する際に「資本金が30万円と300万円と1000万円と3000万円で信用度は違うんですか?」といった質問をされます。しかし、具体的な根拠はなく、イメージで回答してきたような気がします。
 
 しかし、速報税理という雑誌の中に、「税務統計からみた法人企業の実態(平成21年度分)」という国税庁の資料が載っており、これを使ったら、企業規模を統計的に裏付けることができ、これが結果として「世間の目」なのではないかと考えました。以下、概略をかいつまんでご報告です。
 
 まず、会社の数。261万社ほどのうち、資本金1億円以上(いわゆる中小企業ではない規模)は、26,882社で残りは、すべて1億円未満。資本金5000万円以上~1億円が63,250社しかないので、資本金5000万円以上で約9万社、残りの252万社は資本金5000万円未満です。上位3%ほどの大企業に見せたかったら、資本金5000万円を目指せばよいのです。
 
 さて、大部分の中小企業のうち、1000万円以上2000万円が74万社、200万円以上500万円が109万社と膨らんでいます。これは、かつての最低資本金制度、株式会社1000万円、有限会社300万円の名残だと思います。そして、資本金0~200万円未満は、14万社です。261万社の中小企業の中でも5%しかなく、やはり少ない。会社法施行後は、この規模で設立されている会社も多いでしょうけれど、まだ、5%。あまりにも小さいとみられたり、「平成18年以後の駆け出しの会社だね」と見くびられてしまう可能性もあるかもしれません。
 
 次に資本金別の営業収入金額、つまり資本金規模別売上高が出ています。これを1社当たりに均して、算出してみました。

資本金区分 1社当たり営業収入金額
100万円未満   54,528,951円
100万円以上   58,294,385円
200万円以上   69,319,478円
500万円以上  108,639,121円
1000万円以上  253,869,753円
2000万円以上  689,378,981円
5000万円以上 1,692,475,193円

 こんなに資本金ときれいに比例するものかと思いましたが、そうなんですね。また、私の実感より非常に売上高が大きいように思いますが、おそらく、大企業の子会社などで、異様に売上高が多い会社や卸売業なども含まれているのでしょう。  次に資本金別の申告所得金額です。利益と欠損に分かれて出ていますので、利益の出ている企業だけ、欠損の出た企業だけで絞ってあるデータのようです。

資本金区分 1社当たり利益金額
100万円未満  1,288,300円
100万円以上   953,840円
200万円以上   939,399円
500万円以上  1,609,312円
1000万円以上  4,163,627円
2000万円以上 12,950,071円
5000万円以上 34,903,478円

 まあ、規模が小さいと役員報酬を取ると、ほとんど利益がなくなるので、こんな感じでイメージどおりかもしれません。資本金500万円未満までは、儲かってもチョボチョボ。その後は資本金の額に応じて、利益が増えていく雰囲気。
 
 以上を見ると、実態として個人事業だけれども法人になりたいという範疇であれば、資本金はあまり関係なく、資本金100万円でもok。大きくしていきたいなら、売上の増大に応じて、運転資金も必要でしょうから、資本金500万円以上、できればかつての最低資本金制度の1000万円を目指すというところでしょうか。ちなみに設立時に資本金1000万円にすると、消費税が初年度からかかる課税事業者とみなされますので、設立時は100~500万円、その後順調に成長し始めたら1000万円にするというのが最初のイメージではないでしょうか。

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