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2011年4月12日 (火)

ダンサーやオペラ歌手は個人事業主か労働者か?

 2年ほど前、下記のようなブログを書きました。
http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-c564.html

 ダンサーなどの職業は、個人事業主であって、舞台で怪我をした場合に労災認定なんかされないだろう・・・と思っていたら、なんと労災認定する判決が出た。とはいえ医療費の自己負担分が只になるかどうかなんかより、その後の仕事が怪我で来なくなることのほうが大問題だ。個人事業主は、リスクが多い割りに収入が多いとは言えないというような趣旨でした。

 ところが、本日、「平成21(行ヒ)226 不当労働行為救済命令取消請求事件」について最高裁が、オペラ公演をしている財団法人はオペラ歌手が所属する職能別労働組合と団体交渉をする義務を負う、という判決を出したそうです。判決文によれば、「契約メンバーは,このようにして被上告財団により決定された公演日程等に従い,各個別公演及びその稽古につき,被上告財団の指定する日時,場所において,その指定する演目に応じて歌唱の労務を提供していたのであり」、「出演や稽古への参加のため新国立劇場に行った日数は,平成14年8月から同15年7月までのシーズンにおいて約230日であったというのであるから,契約メンバーは時間的にも場所的にも一定の拘束を受けていたものということができる」から「契約メンバーであるAは,被上告財団との関係において労働組合法上の労働者に当たると解するのが相当である。」ということなのだそうです。

 じゃ、ダンサーやオペラ歌手は、雇用保険にも入ったりするんでしょうか? そしたら怪我したり、声の不調で翌年のオーディションに落ちたら、失業保険がもらえることになってしまいます。当然、社会保険にも加入しなければいけないのでしょう。それは、すなわち雇用主の外注費が、給与に変わるだけでなく、2割ほどの社会保険料も加わることでコストが2割り増しになることを意味します。また、本体価格に消費税5%を乗せて払っていたでしょうから、給与は、5%カットするんでしょうけど、それでも雇用主のコストは増えます。そして、おそらく免税業者だったダンサーや歌手は、5%の消費税分がカットされて、手取りが減ります。その代わり、労働者として保護される。

 最高裁は、こういう変化まで想定しての判決を出したのでしょうか? 同じような論理で行くと大工、左官、とび職に関する通達に書いた下記のブログにも関係してくるかもしれません。
http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-c1d9.html
 最高裁の判決は、下記です。関心のある方は、どうぞ。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20110412150301.pdf

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