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2011年4月 2日 (土)

ムラヴィンスキーのブルックナー

 震災で歌舞音曲が自粛の雰囲気でありますが、音楽は人の心を救うということで、本日のブログは久々の音楽ネタです。

 Altusレーベルからムラヴィンスキー&レニングラードフィルのリハーサル&コンサートというCD8枚組みが出ており、これを文京区の図書館で借りて聞きました。リハーサルは、ベートーヴェンとブラームスの各第4番の交響曲。ロシア語でのリハーサルは、CDの解説を読みながらなので十分にはわかりませんが、かなり細かいところまで指示を出しています。ところが金管楽器の音に対しては比較的甘い印象。音を外したからもう1度ということはない。これは優秀な指揮者だから当然だとしても、音が強すぎても音色が荒くても文句はつけない雰囲気。なんとなく聞き続けるのが疲れてやめてしまいました。

 そして、コンサートでは、これら2曲とブルックナーの第9番が入っているので、これを聞いてみました。ロシア特有の金管楽器がバリバリと鳴るオケでのブルックナーはどうだろうかと思ったからです。しかし、結果としては不満。オーケストラというのは、弦楽器の基盤の上に木管楽器や金管楽器が乗っかるものであり、これはハイドン、ベートーヴェンの時代だけでなく、ブルックナーの時代まで同じなのだと思います。実際、ギュンター・ヴァントが来日したときの北ドイツ交響楽団は、「こんなところで弦楽器ががんばっても聞こえないよ」というくらいに管楽器が鳴っている場所でも、弦楽器はがんばってフォルティッシモを弾いていました。そして、聞こえないのではなく、ちゃんと聞こえていたのだと思います。しかし、ムラヴィンスキーの演奏では、そういう雰囲気がない。金管楽器に弦楽器が負けてしまっている印象。これは、録音のせいかもしれません。

 また、ブルックナーの精神性みたいなものがあまり伝わってこないのもがっかり。終楽章の終了前5分ほどのフルオーケストラで不協和音が鳴り響いてゲネラルパウゼになり、ホルンが残って響かせるところ。強奏での不協和音の中、トランペットの鋭い音色が全体の響きの中を突き抜けていました。全体として混沌とした音が鳴ってほしい場所のように思うのですが。そして、その後、天国にいるかのような美しいヴァイオリンの音色で終結に向かいますが、スラーではなく、1音1音の輪郭をはっきりさせるようなマルカート的な旋律の弾かせ方。なんでこうなんだろう?という印象。レニングラードフィルを50年にわたって率いた名指揮者なので、もう少し期待していたのですが。

 と、不満だけで終わってしまうのもなんなので、最近聞いたCDの感想をもう1つ。このところ、バッハの無伴奏チェロ組曲のCDをいろいろ聴きました。主として第1番です。マイスキー、カザルス、フルニエ、シュタルケル、マイナルディ、モルク、堤剛、ビルスマなど。マイスキー、堤さんあたりは、割とサラサラと弾いてしまって上手なんですが、ややつまらない。フルニエは、雰囲気いいなぁという感じ。日本の来日公演の録音よりそれより10年位前のスタジオ録音のほうが良い。マイナルディはもたれるほどに遅いですが、アマチュアのチェロ奏者の練習用には良いと思います。が、それくらいに遅い。モルクは、この中では唯一の若手ですが、癖がある演奏だけれども、さらりと弾いていないのが面白い。チェロ1本でこれだけ違った演奏になるんだなぁと感じました。

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コメント

確かにムラヴィンスキーには,ブルックナーは相性よくないかなと思います。
もってるけど,あまり聴きたいなと手が伸びないですね。

投稿: 高木 | 2011年4月 8日 (金) 13時44分

やはり、ムラヴィンスキーとブルックナーというのはダメなんですね。ただ、こういう音の作り方をするのだと、すべての音楽ダメなんじゃないかと思っちゃったりします。
で、思い出したんですが、高校受験の頃、1つ志望校に落ちた後、チャイ5をムラヴィンスキーで聞いたら、第4楽章がやけにチャラチャラ聞こえて、途中で、止めてしまいました。
平静な精神状況でなかったので、フェアな判断ではなかったとは思いますが。

投稿: 佐久間 | 2011年4月 8日 (金) 17時17分

 楽しく拝読しております。金管がいかに咆哮しようと、確かに弦の音はだしのようにハーモニーをささえますよね。ムラヴィンスキーのころは録音が良くなかったかも知れません。私も中学のときにムラヴィンスキーのチャイ5を買いました。当時カラヤンの新録音が出たばっかりだったので敢えての選択でした。今思えば変わった演奏なんでしょうが、子どもにはそれがわからない。結構楽しみました。無茶なテンポの揺れを。
 ところでバッハの無伴奏、リストに入ってませんでしたが寺神戸さんの聞きました?モダン楽器じゃないですが、面白いですよ。舞曲って感じが伝わってきます。ぜひお勧めです。

投稿: 塩野 | 2011年6月10日 (金) 12時40分

塩野さん、コメントありがとうございます。
 寺神戸さんの、ビオラ・ダ・スパッラだったかな?そんな名前の復刻楽器の演奏ですね。聴きました。が、あまり好きではありませんでした。やはり、チェロのたっぷりした低音が私は好きなのだと思います。なのでモダンチェロでの演奏でないとダメ。ビルスマも感心しませんので。
 ま、その時代ごとの演奏形態というのがあり、伯爵邸の一室みたいなところで演奏するならバロックの楽器でも十分ですが、サントリーホールで聴くなら、そういうホールの出現に合わせて改良されたモダン楽器でないと。で、そういう音楽に慣らされている私の嗜好がそうなるのもやむなしということで。
 でも、ノリントン&N響の演奏なんかは面白いとは思います。あれはモダン楽器ですので。

投稿: 佐久間 | 2011年6月10日 (金) 16時23分

佐久間さん

先日はお世話になり、ありがとうございます。
偶然、他の調べ物をしていて、佐久間さんのブログに行きつきました。クラシック音楽がこれほどお好きだとは知りませんでした。私も実は室内楽ですが、熱狂的なファンです。

またお会いする機会を愉しみにしております。

服部夕紀

投稿: 服部夕紀 | 2011年7月26日 (火) 17時09分

服部さん、コメントありがとうございます。
クラシックファンだったんですね。室内楽は、弦楽四重奏ですか? あるいはピアノトリオとか管楽合奏でも何でもあり?
今度、音楽談義いたしましょう。

投稿: 佐久間裕幸 | 2011年7月26日 (火) 19時10分

ムラヴィンスキーの音楽、いろいろ聴かれるのをお勧めいたします。特にドイツもの。録音には恵まれていませんが。

投稿: 松浦 新 | 2011年8月14日 (日) 01時56分

佐久間さん

お返事ありがとうございます。
すみません、久しぶりにアクセスしました。

室内楽でしたら、何でも聴きますが、
ピアノトリオ、ピアノ四重奏、ピアノ五重奏など、ピアノと弦楽器の組み合わせが特に好きかもしれません。

毎年、8月下旬に、長野県の木曽福島というところで、室内楽の音楽祭(木曽音楽祭)が開催されます。
http://www.town-kiso.com/music/

4年前から毎年、行っていて、今年も行く予定です。充実したプログラムのわりに、入場料がお手頃で、とても気に入っています。

今度、佐久間さんと音楽談義をさせて頂くのを愉しみにしております。

投稿: 服部夕紀 | 2011年8月15日 (月) 13時15分

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