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2011年1月11日 (火)

役員給与等に係る給与所得控除の見直し

 いわゆる業務主宰者税制、すなわち平成22年度税制改正前の法人税法35条の制度は、22年にこの条文が廃止されたことで、とりあえず消えました。しかし、22年度税制改正大綱の中で、再検討はする旨が書かれており、実務サイドからは「平成23年度税制改正大綱で何が出てくるのだろうか?」という不安がありました。昨年末に決定した大綱に「役員給与等に係る給与所得控除の見直し」が登場したことで、これが業務主宰者税制に代わるものが登場したと考えられるようになりました。

 この結果、数年前に10%超の株式をオーナー一族以外の人に売却するといった対策をしたところも、さしあたりこの目的としての異動の必然性は消えたと言えます。もちろん、法人税を軽減するためだけに株式を異動するのでは良くないわけで、株主総会を開き、外部株主に経営成績を見てもらい、自分の会社を客観的に見る機会ができたことが収穫だった会社もあることでしょう。あるいは、給与額を無理やり引き下げたために生活費の設定が狂ってしまっていた社長さんもいたかもしれませんが、これで本来の自分の業務貢献に見合った役員報酬を取ることができるようになりました。

 ということで、この「役員給与等に係る給与所得控除の見直し」について、概略を説明しておきたいと思います。まず、この改正の前に、役員に限らずすべての給与について、給与所得控除の上限が定められ、1500万円超の給与に対する給与所得控除額は、245万円で打ち止めとなります。そして、2000万円超の役員給与等については、下記のような推移で給与所得控除額が下がっていきます。
 2000万円   245万円
  ↓      ↓(漸減)
 2500万円   185万円
  ↓      |
 3500万円   185万円
  ↓      ↓(漸減)
 4000万円   125万円
 
 なんとなく中小企業ではなく、大企業・中堅企業のお話しという感じもしますが、これが本来の業務主宰者税制が対処したかった層の役員給与対策だとも思えます。
 
 ちなみに「役員等」とは、次に掲げる者とされています。
 1.法人税法第2条第15号が定める役員
 2.国会議員及び地方議会議員
 3.国家公務員(特別職に属する職員のうち一定の者又は一般職に属する職員のうち指定職に該当する者)
 4.地方公務員(上記3.に準ずる者)
 
 なんで議員や公務員?という気もしますが、これらの方々は、自分の能力を高めるための費用として国や地方公共団体が負担する部分もあるので、役員と同じだということなのでしょう。2000万円以上の報酬を取っていた役員の方々には不満な改正かもしれませんが、財源がない我が国の状況の中では、やむを得ないというところなのでしょうか。少なくとも私の耳には、あまり大きな悪口は聞こえてきませんが。

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