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2010年1月 6日 (水)

相続税改正の動向

 昨年、税制改正大綱が出ました。自民党時代は、相続税の改正は遺産取得課税への改正を志向し、民主党は遺産課税への改正を志向しているように見えます。そして、大綱の資料の中では、「相続税は、100人に4人しか負担しない構造となり、最高税率の引き下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配機能が果たせているとは言えません。」と書かれている。
 
 そこで資料として添付されている「最近における相続税の課税割合・負担割合及び税収の推移」という表を見てみると以下のようなことが読み取れます。
 (1) 相続税を納める人の割合、すなわち死亡者に占める課税件数の割合は、バブル前の昭和58年に5.3%、バブルが始まった昭和62年に7.9%、平成3年に6.8%となり、その後は、相続税制の改正や地価の下落により減少を続けて、平成19年に4.2%に至っています。
 (2) 相続税の納税額は、バブル前の昭和58年は7861億円で、7.9%の課税割合になった昭和62年が17,791億円、平成3年に25,830億円と大幅に増え、課税割合は落ち始めているその後も2兆円を超える税収は平成9年まで続き、平成19年でも15,026億円です。
 
 この2点で考えると、今でも昭和58年の倍の金額の税収があり、十分に再分配機能が果たせているように見えます。でも、課税割合は4.2%に低下しているということは、「基礎控除その他相続税の課税最低限の上昇により、少額の財産しか持っていない人は課税を免れ、しかし、相応の財産を持っている人は、相応の額を納税させられている」ということなのだと思います。
 
 とはいえ、もう1つ図表から読み取れるのは、次のポイントです。
 (3) 納付税額/合計課税価格で計算される負担割合(財産に対する課税の負担率)は、昭和58年14.3%、平成3年22.2%、平成19年11.9%と推移しているということ。

 最高税率を下げたためでしょうか、相応の財産を持っている人にしか課税されていないにも関わらず負担割合は低下しています。
 
 以上を総合すると、将来の相続税の改正は、課税最低限を少し引き下げる形で、亡くなった方のうち5~6%くらいが相続税の申告、納税をするようになり、税率を上げたり、累進税率の区分を変更することで、負担割合が14~15%くらいまで上がるようにする雰囲気かと思います。

 ということは、相続税の申告を年に4件やっていた税理士は5~6件になるので、業務量が25~50%増しになるということです。相続税の申告をやりたがらない税理士さんが増えているようだし、抜本改正があるなら、「もう改正後の相続税はわからないからやらない」とかいう税理士が増えるかもしれないので、引き受ける税理士ベースでは倍増かもしれません。また、事前の対策も重要になってくるのでしょう。

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