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2010年1月22日 (金)

雑誌のデジタル化

 中央経済社から郵便物が届き、中を見てみると平成元年以降の同社の会計・税務の雑誌を画像化した形式でTKC税務・会計情報データーベースに収録したいという使用許諾の依頼が書いてあった。そして、平成元年以降の私の執筆した記事、原稿の一覧があったが、ちょうど21本。私が雑誌論文を書き始めたのは1997年くらいからで、中央経済社には1999年に初登場。そこから昨年末まで12年の間に21本書いたことになり、年平均1.75本。旬刊経理情報と税務弘報の2つでそれだけ書いたかぁ・・・とちょっと感慨を。

 ちなみに使用許諾は「する」とお返事いたしました。たぶん、ぎょうせいの「税理」「速報税理」にも同じくらいの本数を書いているかもしれませんが、税務経理協会と税務研究会さんは、1度も書いたことがありません。あ、いや税務経理協会には「税経セミナー」という受験雑誌に合格体験談を書いたかもしれません。でも、それって実務論文じゃないですね。って、書いておいて執筆依頼がきたらすごいなぁ。

 さて、この雑誌のデジタル化、TKCと中央経済社との収益具合はどうなっているのでしょうか。中央経済社にもダウンロード回数に比例した売上が立つようなら、長年にわたって検索されるような雑誌原稿や記事を誌面に載せて、二次収入を期待するという編集方針の変更もあるのかもしれないのですが。そうすると、「読み捨てら~れる~、雑誌のよ~おに~♪」(古いなぁ、と自分で突っ込んでおきます)という雑誌が違った性格をもつようになるのかもしれないのですが。

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2010年1月19日 (火)

エコーが売れたりして

 某社、会長さんに「佐久間さん、またタバコねたで書いてる」とか笑われそうですが、いや、真面目な話、昨日、税理士会の研修会で財務省の課長さんの税制改正の講義を拝聴してきた中でヒントを得ましたので。

 タバコには、旧3級品という規格があるそうで、今度の値上げでもこれらの値上げ率は低いのだそうです。現在の値段で一番安いのが「ゴールデンバット」の140円。次に「しんせい」。フィルター付きの「エコー」が180円、ロングサイズの「わかば」が190円。沖縄には、エコーはなくて、うるま、とバイオレットという銘柄があるそうです。

 で、これら旧3級品は、1本当たり2.5円程度の値上げになりそうで、そうすると、フィルター付きのエコーで230円。400円のマイルドセブンその他に比べてほぼ半額。研修会の後で、タバコを吸う税理士さんに「しんせいに外付けのフィルターつけてタバコを吹かす風景が出てきたりして」とか言ったら、「いや、タバコの好みの味は変えられないですよ。」とメンソールのタバコを手に持ちながら語ってくれました。ま、それでこそ、嗜好品です。

 となると、小売価格が300円から400円になるという33%の値上げで需要はどう変わるか。経済学の需要曲線を目の当たりにする絶好の機会かなと思います。必需品の需要曲線は価格に対する弾力性が低くて、必需品ではない嗜好品は弾力性が高い。さて、タバコは、必需品なのか、嗜好品なのか。そして、味は違うが代替品が半額近い価格で存在していたときに需要曲線のシフトは生じるのか。

 自分自身がタバコを吸わないからこその興味深い題材です。昨日の税理士との話の中では、数年に2~3割ずつジワジワと1000円まで値上げしても、財務省の予測ほどは数量は落ちなかったりしてね・・・と笑っていました。反面、街角の自販機やコンビニにゴールデンバットが置かれたり、禁煙パイポでわかばを吸ったり、吸い残しを拾う「モク拾い」という風景が見られるようになったら、日本も経済大国ではなくなったということなのでしょう。GDPでも中国に抜かされるそうですし。

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2010年1月12日 (火)

日経(1/12)の政府税調に関する記事

 今朝の日経で政府税調について書いた論説記事があった。その中で、民主党からの圧力でゆがめられた改正項目として業務主宰者税制の廃止のことが挙げられていた。税理士会から民主党議員に圧力がかかったためだと書いてある。この税制以来、税理士は「節税商品」を奪われたからだという書き方。

 この記事のスタンスがそもそも間違っている。節税商品というなら言ってもよいが、給与所得控除があまりに有利にできているから、個人事業者が法人を設立して、事業所得から給与所得を利用したくなるだけのこと。有利すぎる恩典は、給与所得者も得ているのである。じゃ、給与所得控除がどのように有利かといえば、次の通り。
 ・給与の収入が162.5万円以下なら、65万円を引いた額が給与所得となる。
 つまり、1年で50万円稼いでも税金はゼロ。103万円稼いでも、基礎控除と合わせて、税金はゼロ。個人事業者なら、住民税と合わせて9万円くらいは課税される。
 ・800万円の給与収入なら、200万円を引いた額が給与所得となる。
 ・1億円の給与収入なら、670万円を引いた額が給与所得となる。
 
 じゃ、この給与所得控除とは何か?という問題には、次のような理由付けがある。
   ・サラリーマンの必要経費である。スーツや書籍代。
   ・給与についての税の補足率が高いのでクロヨン是正のための控除

 しかし、162.5万円以下の場合の65万円の給与所得控除の内訳を説明する資料はない。全額が必要経費? だって、年間70万円稼いでいるパートタイマーがその稼ぎのために65万円も経費を使うか? 使わないだろう。通勤にスーツを着るわけではなく、スーパーではジーンズを880円で売っているのだから。800万円の給与の人が、スーツ、靴、鞄を買い、部下を飲みに連れて行き、本を買って勉強し、家でも仕事できるようにパソコンを買っていたとしても毎年200万円ということはない。
 
 では、クロヨンの金額が大きいのか? いや、それなら、宗教法人や個人事業主など補足率が低いと思われるところに税務調査をすればよい。あるいは、まじめに納税している事業主もいるとするなら、不真面目な事業主の存在を前提に、サラリーマンだけを優遇するのはおかしい。70万円のパートに必要経費がないだろうという想定からすれば、所得70万円の個人事業主は65万円の架空経費を乗せていることになる。すべての個人事業主が不真面目だとして、一律65万円。不真面目な個人事業主が4人に1人なら不真面目な個人事業主は260万円もの架空経費計上や売上除外をしていることになる。本当にそうなのか?
 
 以前、先輩の税理士から聞いた話だが、年末調整を会社にさせるにあたって、所得の低いパートやアルバイトの年末調整まではやってられないから、給与所得控除を多めに設定して、今で言えば103万円までは一律所得税がかからないから、年末調整の手数がないでしょ・・・という理由で65万円のような高額に設定されたのが真実なのだ・・・という。そうであれば、給与所得控除を高めに設定するよりは、基礎控除を70~80万円のように高めにして、給与所得控除は30万円くらいでよいのではないか?
 
 個人事業主もそうだが、会社の社長は、会社が銀行借り入れをすれば連帯保証人。破産のリスクを負う。つまりリスクテイクして、利益を獲得しようとチャレンジした人である。リスクの裏側にベネフィットがなければ、誰もリスクなど取ろうとしないだろう。日経の記者が、会社の倒産リスクがほとんどないままに年収1500万円を得ているとするならば、リスクを取った中小企業の社長が2000万円、3000万円を得て何が悪いのだろう。業務主宰者税制は、給与所得控除のそもそもの矛盾を放置したまま、社長と会社が合わせて1600万円以上稼いだときに、不当に税金が増える悪法だったのだから、なくした民主党の判断が正しく、先延ばしにしようとした政府税調が間違っていたので、是正されたと判断するべきなのではなかろうか。日経は、企業の味方の視点で記事を書くと思っていたが、間違うこともあるのだと認識させられた。税金の勉強してないのかもしれない、最近の記者は。

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2010年1月 6日 (水)

相続税改正の動向

 昨年、税制改正大綱が出ました。自民党時代は、相続税の改正は遺産取得課税への改正を志向し、民主党は遺産課税への改正を志向しているように見えます。そして、大綱の資料の中では、「相続税は、100人に4人しか負担しない構造となり、最高税率の引き下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配機能が果たせているとは言えません。」と書かれている。
 
 そこで資料として添付されている「最近における相続税の課税割合・負担割合及び税収の推移」という表を見てみると以下のようなことが読み取れます。
 (1) 相続税を納める人の割合、すなわち死亡者に占める課税件数の割合は、バブル前の昭和58年に5.3%、バブルが始まった昭和62年に7.9%、平成3年に6.8%となり、その後は、相続税制の改正や地価の下落により減少を続けて、平成19年に4.2%に至っています。
 (2) 相続税の納税額は、バブル前の昭和58年は7861億円で、7.9%の課税割合になった昭和62年が17,791億円、平成3年に25,830億円と大幅に増え、課税割合は落ち始めているその後も2兆円を超える税収は平成9年まで続き、平成19年でも15,026億円です。
 
 この2点で考えると、今でも昭和58年の倍の金額の税収があり、十分に再分配機能が果たせているように見えます。でも、課税割合は4.2%に低下しているということは、「基礎控除その他相続税の課税最低限の上昇により、少額の財産しか持っていない人は課税を免れ、しかし、相応の財産を持っている人は、相応の額を納税させられている」ということなのだと思います。
 
 とはいえ、もう1つ図表から読み取れるのは、次のポイントです。
 (3) 納付税額/合計課税価格で計算される負担割合(財産に対する課税の負担率)は、昭和58年14.3%、平成3年22.2%、平成19年11.9%と推移しているということ。

 最高税率を下げたためでしょうか、相応の財産を持っている人にしか課税されていないにも関わらず負担割合は低下しています。
 
 以上を総合すると、将来の相続税の改正は、課税最低限を少し引き下げる形で、亡くなった方のうち5~6%くらいが相続税の申告、納税をするようになり、税率を上げたり、累進税率の区分を変更することで、負担割合が14~15%くらいまで上がるようにする雰囲気かと思います。

 ということは、相続税の申告を年に4件やっていた税理士は5~6件になるので、業務量が25~50%増しになるということです。相続税の申告をやりたがらない税理士さんが増えているようだし、抜本改正があるなら、「もう改正後の相続税はわからないからやらない」とかいう税理士が増えるかもしれないので、引き受ける税理士ベースでは倍増かもしれません。また、事前の対策も重要になってくるのでしょう。

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