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2009年12月21日 (月)

税制調査会もがんばっているようですが

 第22回(!)の税制調査会の議事録を読みました。冒頭に高校の授業料の無償化の話と特定扶養控除の話が出ています。
 
 「従来の自民党型のいわゆる社会保障的な授業料減免」ということではなくて、「子ども手当と同じ考え方で、社会全体で子どもを養育していくということ、それから、教育をしていくということを支えていく、そういう社会システムをつくっていくんだ」という発想の政策なんだよというのですね。そういう風に授業料無償化のほうは、所得制限なしに高校生なら全員授業料は無料とするなら、これまで高校生・大学生を扶養しているときに通常の38万円の控除ではなく、63万円の特定控除が取れていました。これは、所得控除ですから、この63万円×税率分だけ所得税や住民税(ちょっとだけ控除額が違いますが)が安くなる形で、支援がなされていたわけです。課税総所得金額195万円以下の人なら63万円×5%の31,500円が、課税総所得金額1800万円超の人は、63万円×40%の252,000円の所得税が減っていました。
 
 今度は、授業料を無償化して、特定控除をなくして普通の38万円の控除にするとどうなるか。議事録の中で、ちゃんと書いてありました。
 「例えば150 万円のレベルでいくと、9万4,300 円。本来なら実質無償化で11 万8,800円ということになるんですが、それが調整されて9万4,300 円ということになっていきまして、250 万円、500 万円のそれぞれの世帯で8万1,800 円、5万6,800 円ということで、徐々に逓減はしていきます。1,500 万円のクラスになると、それが2万4,300円。2,000 万円になりますと、6,800 円という形で調整をされていくという結果になるんですが、是非、こういう形で財源と兼ね合わせて、この特定扶養控除の新たな縮小制度改革ということに踏み切っていただきたいと思います。」

 つまり、高校の授業料無償化と同時に低所得層は、12万円近く年間の可処分所得が増え、セレブな2000万円超の世帯は、6,800円しか恩典がもたらされないということになります。ところで、私立高校の授業料は無料化にはできないでしょうけど、そこはどうするんでしたっけ。セレブな世帯は、私立の中高一貫校とかに通わせていたりするので、公立高校の授業料だけが無償化されるのだと、無償化の恩典なしに特定扶養控除が消滅した分で10万円以上の増税になってしまうのですね。いろいろ格好良いこと言っても、けっきょくは、取れるところから取って、ないところへ配分する所得の再配分に過ぎないのではないか?と思ってしまったりもします。
 
 ただ、今回の措置で明確なのは、高校の授業料を滞納している世帯主のところでは、特定扶養控除の分が年末調整で還付されますので、お金は、親に入ってしまう。その還付されたお金で授業料の滞納分を納めればよいけれど、実は、タバコ代、競馬代、飲み代、携帯電話の料金に消えていたかもしれない部分が、高校の授業料に確実に補填されるようになるということになります。これは、政策の実現性、達成度の観点では、良いことなのだと評価できると思います。
 
 来年度の税制改正は、このように税制だけを見ていても趣旨がわからない部分があり、理解が難しいものになりそうです。でも、良いものも確実に織り込まれていると思います。が、なにより、早く固めないと予算も固まらないのですが。

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