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2008年10月29日 (水)

投機の功罪

 私が公認会計士試験の受験勉強をしている頃のことだから、今から25年以上昔の話ですが、公認会計士試験の経済学の過去問に「投機の功罪について述べよ」という一行問題がありました。この1行の問題でB4縦の解答用紙を埋めなければいけないのだから、勉強中の私は途方にくれました。投機の罪はわかるとして、功はあるのか?と思ったのです。とりあえず、模範解答を見てみると、大雑把には次のようなことが書かれていました。

 実需だけでなく、投機による需給が加わるということは、市場参加者の厚みが増えるということを意味するため、価格形成がされやすくなり、価格も安定的になる。これが投機の「功」の部分である。

 例えば、穀物の相場において、実需しかなければ、天候などの影響で収穫量が落ちるといった情報が入ったとたんに値段は高値に張り付き、翌年の収穫が見えてくる頃まで、穀物相場は高い値段になったままになる可能性がある。しかし、投機による需給があれば、あまりにも高いと思えば、投機での売りの注文が発生することで値段が付きやすくなる。また、翌年の収穫が見える前から、収穫量の見込みや予想(例えば、作付け面積などの情報)から翌年の収穫量の情報が形成されることで投機による買いや売りが出ることで、実際の実需に基づく受注により形成される価格に向けて緩やかに価格変動することが期待される。

 「罪」としては、市場参加者の持つ情報が一方に偏ることがあれば、実需を超えた大量の買い注文ないし売り注文が発生することになり、価格が一方的な方向にぶれ易くなる。

 といった雰囲気でしたが、昨今の状況を見ると、投機の元手となる資金の需給により投機参加者の市場への参入・撤退が大きな規模で変動するため、価格の変動が需給や需給予想を超えた要因で生じてしまい、現物経済を揺るがす危険が増大している・・・という「罪」も書き加えないと満点にはならなそうな気がしてきました。

 で、投機の参加者が銀行だったりして、金融のインフラを担っているセクターなので、そこが破綻すると、インフラが壊れてしまって、経済が困ることになります。そこで、その投機の参加者に公的資金を入れるようになっているわけですが、そうすると、再び、投機の元手が回復してしまうので、また、市場参入者が増えてしまう可能性もあるわけです。「投機は、まっとうな人間がするものじゃない」くらいの常識が行き渡っているくらいの方が経済の運営は楽なのかもしれません。

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