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2008年7月 7日 (月)

M&A株式の減損

前回 http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_22d8.html
で書いていた疑問の一部が解決できたような気がするので、ご報告です。前回のブログでは、背景事情があまり鮮明ではありませんでしたが、M&Aで取得した子会社株式の減損はどういうタイミングでどういうプロセスを経て行うのか?という疑問です。

 「金融商品会計に関するQ&A」Q33で、突然、M&A株式の減損の話が出てくるのは、金融商品会計基準の適用指針としてではなく、固定資産の減損会計における「のれんの減損」が金融商品の評価に影響することがあるのだよ・・・という意味合いで受け止めればよいのだと思いました。これなら、Q&Aは、あくまでも実務上の適用指針であって、日本公認会計士協会が会計基準を設定したのではないことになります。

 「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」95項に「個別財務諸表において、取得原価をもって貸借対照表価額とされている子会社株式及び関連会社株式にも、のれん相当額は含まれているが、それは別途、把握されておらず、したがって償却もされていない。このため、当該のれん相当額は減損会計基準及び本適用指針でいうのれんには含まれず、当該株式は「金融商品会計基準」にしたがって会計処理されることになる。」とあって、金融商品会計基準へ渡すような解説があります。つまり「金融商品会計に関するQ&A」34項は、この95項の規定を受けての規定なのだと考えるのでしょう。

 でも、それは個別財務諸表においては、別途把握がないから金融商品会計基準の中でやるのであって、その精神は、減損会計基準にのっとってよいと思います。だって、固定資産のすべてに減損の認識をすべきかの判定をするのは実務上たいへんだから、第1段階の簡便なチェック機能として減損の兆候のプロセスをおいたわけですから(減損会計に関する意見書四2(1))。個別の有価証券の中に分別されずに含まれていたら、余計にわかりにくいのだと思うのです。

 すると、有価証券に含まれるのれんの減損に関しては、固定資産の減損会計基準どおりに減損の兆候、認識、測定の3プロセスで実務を進めることで良いのでしょうか? で、何をもって減損の兆候とするかについては、「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」の12項から17項に列挙されていますが、これを準用するのでしょうか。それで良ければ、疑問1については、これで解決します。

 疑問2については、四半期決算でも実施とは限らないのだと思います。「通常の企業活動において実務的に入手可能なタイミングにおいて利用可能な情報に基づき」判定するのだと減損会計の適用指針の11項にありますので。また、土地など市場価格の入手のタイミングが限定されるものについては、そのタイミングごとに年に1回でも良さそうなことを適用指針の90項で書いてあります。

 そして、疑問3については、減損の適用指針12項で「営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナスの場合」とあるように、「当初の収益計画通りには実績は出なそうだ・・・」という程度の乖離は減損の兆候ではないと判断してよさそうです。でも、金融商品会計基準のQ33では、「超過収益力が見込めなくなった場合には」という「場合」の判断基準が書いてないのですよね。やはり、すっきりしないというところです。

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