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2008年6月17日 (火)

喫煙ってなんだ?

 http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/1000_9204.html で書いたようにタバコを1000円にしちゃうと、第二のタバコ、第三のタバコが出ちゃうのではないか?という話題を書きましたら、いや、たばこ事業法には、製造たばこ代用品という規定もあるから、無理なのでは?というご指摘を受けました。
 
 たばこ事業法第2条
   この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
   一 たばこ タバコ属の植物をいう。

と書いてあるから、ナス科タバコ属の植物以外なら、紙に巻こうが、パイプで吸おうが、咬みタバコにしようが自由に読めるわけです。しかし、同法の第38条が次のように定めています。

 第三十八条(製造たばこ代用品)
  製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する。
 2 前項に規定する製造たばこ代用品とは、製造たばこ以外の物であつて、喫煙用に供されるもの(大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第一条に規定する大麻、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第二条第一号に規定する麻薬、あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第三条第二号に規定するあへん並びに薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品及び同条第二項に規定する医薬部外品を除く。)をいう。

 麻薬とかじゃなく、喫煙用に供されるものは、みんなタバコとみなしちゃうのですね。じゃ、「喫煙って、なんだ?」ということになるんですが、どうも法律に定義がないように見えます。電子政府の窓口の法令検索で「喫煙」と入れると、少年法から受動喫煙のああたらこうたら、という法律までいろいろ出てきますが、定義規定がありそうな法令には喫煙の定義はありません。そこで、ググったら、こんなのが。

 北九州市公共の場所における喫煙の防止に関する条例
 (定義)
 第2条 この条例において「喫煙」とは、たばこ(紙巻きたばこ、葉巻きたばこその他これらに類するものをいう。以下この項において同じ。)を吸うこと又は火の付いたたばこを現に所持することをいう。

 きっと北九州市も条例を作るにあたって、喫煙の定義がなくて困ったのでしょう。でも、これじゃ、ここでの議論、製造たばこ代用品の範疇を決めることはできません。

一般的な定義を見ると、
 きつえん【喫煙・喫烟】 タバコをすうこと。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
ですし、広辞苑の第二版(古い!)でも同じです。でも、これじゃ困る。

 神奈川歯科大学の奥村俊允さんという方(先生でしょうか?)のページには、「喫煙とは、たばこを吸う行為で、この行為は個人が楽しむ嗜好品であり、ニコチン摂取により血液の循環が悪くなり、感覚がかすかに鈍くなる。これにより一種の麻薬的効果が得られる。」http://www.kdcnet.ac.jp/college/kyoyo/jouhou/97stu/02397/sld003.htm とあります。これは、使えそうな定義であり、喫煙というのは、「ニコチンが含まれているものを吸って、それによる生理的作用を求めること」といったニュアンスなのでしょう。
 
 と、定義するならば、ニコチンが含まれている植物をタバコ状にしたら、製造たばこ代用品になってしまうので、第二のタバコはありえないのだということになります。しかし、ニコチンの化学式 C10H14N2 ではなく、かつ麻薬の類ではないけれど、ニコチン的な作用をする物質があって、それを含む植物があるならば・・・。ここから先は、タバコが1000円になったときに、真空地帯を突っ走ってお金儲けにチャレンジするような会社に研究していただくことにいたしましょう。でも、とりあえず、監督官庁の皆様は、喫煙の定義について、もう少し詰めておかないと、麦芽の使用量を何%未満にしたら・・・とかリキュールを混ぜたら・・・といった工夫とのいたちごっこをタバコの世界で再び繰り返すことになってしまうかもしれません。

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コメント

税のかからないタバコを開発するとすれば、煙の出ないタバコでしょうか。ホッカイロのように封を切ると熱くなって、熱で揮発する成分を吸うとか・・・・。煙がないから「喫煙」とは言えないのではないかと・・・・。

投稿: maeda | 2008年6月20日 (金) 23時23分

 なるほど、葉を燃やしてその煙と一緒に葉に含まれているニコチンを吸うから喫煙。なら、葉を燃やさなければ・・・というのですね。
 でも、噛みタバコのように火のないタバコもあるわけで、煙がなければよいといえるのかどうか。いずれにせよ、「喫煙」の法的定義がなされていないから、煙が出ないなら?とかニコチン類似成分を含む葉っぱなら?とか考えちゃうわけですよね。
 逆に言えば、「喫煙」の定義をあえて置いていないから、あとからどうにでも規制の輪をかけることができるともいえます。しかし、それは法律関係の安定性が欠けているともいえます。
 ま、つまらない頭の体操ですが、こんな話を法学部のゼミとかでやると、学生は鍛えられるのかもしれません。

投稿: 佐久間 | 2008年6月21日 (土) 09時16分

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