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2008年1月 6日 (日)

中小企業には厳しい新年か?

 昨年から物価の上昇が目立ってきています。消費者物価指数で見るとそれほどでもないですが、企業間物価指数で見るとけっこう上がってきている印象が。消費者物価指数は、ほとんど上昇していないのに、連合からの要請を受けて、日経連は賃金の上昇を受け入れる発言をしています。格差社会の解消を目指して、パート・アルバイトの賃金上昇に向けての活動も、連合は打ち出しています。

 そんな中で、下請けの仕事で暮らしている中小の外注事業者は、大企業による原価低減、言い換えれば外注費削減と素材価格の上昇に苦しんでいます。給与生活者は、連合が守ってくれるようですが、外注事業者は誰も守ってくれません。そういう活動をしてくれる団体としては、日本商工会議所とかはそうなのかもしれませんが、果たして今年の年頭の会頭挨拶などで、切り詰めに切り詰められてきた外注単価の引き上げに触れてくれているのでありましょうか。連合が春闘を組織するのに匹敵した活動は、日本商工会議所の活動にはないと思います。

 結局、中小企業、個人事業者は、各自の才覚で、発注先と交渉しながら、単価アップ、いや、昔の単価に戻してもらう膝詰め談判をしなければいけないのですね。日経連の会長などは、給与所得者向けの格好いいことは発言していますが、その会長のお膝元のキヤノンでは偽装請負を回避すべく、ソフトウェアの発注は原則として派遣契約に切り替えています。他の会社にはできない能力で仕事を請けていたから請負契約が適しているのに(つまり、バカSEよりも少ない時間でバグのないソフトを書けるから時間契約は向かない)、無理やり派遣契約にさせられ、その挙句、「そんな高い単価での派遣契約は過去に例がない」などという言いがかりで、月額100万円以上だった請負金額を減らしたりしています。その結果、ある外注先は、キヤノンとの取引を止めざるを得なくなり、他社の外注を受けるようになっています。有能な開発者だからそれができましたが、普通の能力の人なら、単純な単価引き下げに生活が困窮するはずです。

 請負契約なら、納期までの仕事が見えているし、「こうしたほうがよいですよ」という助言もしてあげながら仕事を進められる。もちろん、その値段も含めての請負金額だったわけですが、派遣だと「来月から来なくて良い」と言われれば、それまで。相手の仕様の範疇なら、過去の自社のノウハウを投入しても良いけれど、派遣じゃいつ切られるかわからないし、労働者として出向いているのだから自社のノウハウを投入する余地はない。でも、そのノウハウを投入しなければ、「派遣にしてから君の貢献度合いは落ちたね」といわれて、切られるだけ。

 そもそも、雇用、派遣、請負などの切り分けの矛盾、労働者だけを守る労働法が弱小外注事業者は関係ないとしていること自体の矛盾やら、大きな改善テーマがあるんじゃないかと思っていますが。制度が変わらない中で、我々の顧客である中小企業は、まだまだ自力でがんばるしかないのでしょうね。

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