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2007年11月27日 (火)

政府税調の答申(所得税編)

 11月20日に政府税制調査会の答申「抜本的な税制改革に向けた基本的な考え方」が提出されました。さらっと、解説と私見をメモしておきます。これらのうち、来年度の税制で何がどのように反映されるかは、自民税調の答申(来月中旬)を見るまでわからないのですが。
 
 所得税については、現状では「所得税の納税者の大部分に5%又は10%という低い税率が適用される構造となっている」という指摘があり、ブラケット幅に言及しています。なので、将来的に5~40%の税率は、10~50%くらいに変更されそうな雰囲気ですね。でも、その際には、他の税目の見直し、基礎控除等の見直しとセットで、低所得者の可処分所得が圧迫されることがないようにはするのだと思いますが。
 
 そして、所得税については、配偶者控除について廃止の方向性の意見が強いと書かれていました。しかし、「現行制度は配偶者の流動の中立性を阻害している」などと書いているものの、じゃ、結婚して妊娠して、妊娠8~10ヶ月の妊婦さんにも働け、出産直後の生後数ヶ月の新生児をどこに預けて働けというのでしょうか。また、子供が3歳になろうと5歳になろうと、毎日残業で帰宅が23時みたいな就労を夫と妻と両方が行うことはできず、ディンクスに比べれば子持ちの妻の所得の獲得力は低下すると考えるべきではないのでしょうか。なら、配偶者控除は廃止しても、扶養控除は拡充すべきだし、場合によっては母子手帳のコピーを提出すれば扶養控除を適用というのもありかな?などと思います。答申でも「見直しを図ることも考えられる。その際、配偶者控除等の見直しにより税負担が急激に増えることは避けるべきであり、他の控除の見直し等も踏まえる必要がある。」と書かれています。
 
 給与所得控除は、圧縮の方向のようです。「勤務費用の概算控除の部分については給与所得者の勤務の実態をより正しく反映する仕組みが望まれる。」と書かれています。年間70万円のパートをする人が65万円の勤務費用をかけているわけないですものね。ま、答申の中では、実額に基づく控除の拡充を図る見地からとか、上限の設定などと書かれていますが。
 
 事業所得では、複式簿記がより一層、重視されそうです。複式簿記でなければ実額での必要経費は認めず、相対的に少額になる概算経費とするといったことも考えられると書かれています。が、この概算経費って、問題ありそうな気がしますけどね。昔、こういうのがあったんです。原稿料は30%の概算経費、生命保険の募集人は・・・とかって。
 
 そのほか、退職所得、年金所得も課税強化の方向でしょうか。また、所得控除よりは税額控除の方向性が示唆されています。ふるさと納税については、寄付金税制の範疇で実現するのでしょうけど、一応、問題点の指摘などをしています。私は、変な税制だと思っていますけどね、寄付金税制って。

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