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2007年6月15日 (金)

労災保険の闇

 今日のネットニュースで、「NHKの番組収録中に大けがを負ったとして、出演者の女性が14日、渋谷労働基準監督署に労災申請した。女性は高い運動能力を見せることで人気の「マッスルミュージカル」の出演者で、同ミュージカルの運営会社の依頼で、NHKの番組「クイズ日本の顔」に出演した。」といった記事が出ていました。

 さて、この後、何がおきるかというと、この女性は、労働者だったのかどうか?という検討の結果、NHKは出演依頼をミュージカル運営会社にしただけで、雇用していたわけではないというだろうし、ミュージカル運営会社は所属タレントをNHKに派遣しただけだといい、雇用契約により給与を払っていたのではなく、番組等の出演料から売り込み費用に当るプロモーションフィーを抜いた額を本人に払うだけで、NHKと本人、あるいはミュージカル運営会社と本人の請負契約だ・・・という話になって、労災の対象じゃないということになるかもしれません。が、わざわざニュースにするからには、偽装請負のニュースと同様に、雇用か請負かの区分が曖昧だという問題提起なのではないかと思います。

 で、私は、逆にこう思いました。「なんで労災保険ってあるんだ?」

 怪我をすれば健康保険があります。ただ、2割負担。労災保険が適用になると10割が公的負担になって、本人は無料です。労災保険が適用になるかどうかで揉める事例も多く、そこにたいへんな労力を掛けるくらいなら、全部、健康保険にして、3割分の支払いができない人には公的扶助をすればよいのかなと思ったり。それより、怪我で休業せざるをえない期間の給与がどう保障されるかの方が大事だが、長期休業の際に給与の60%分が支給されるのは社会保険の健康保険のほうなのですね。国民健康保険ではそういう制度はない。そして、おそらくこのタレントは、給与ではなく、出演料でもらっていたから社会保険には加入できず、国民健康保険に加入していたのでしょう。したがって、怪我の結果、生活の糧を得る手段を失ってしまった。

 雇用契約の元に保護されるか、個人事業であるかによって、福祉上、非常に大きな差が出ている気がします。また、会社の社長も労働者ではないということで、労災保険の対象になりません。うっかりすると、健康保険のほうからは「業務上の災害でしょ、労災保険でどうぞ」と言われて、労災保険からは「代表取締役は労働者じゃないので、労災保険対象外です」と言われて、全額個人負担になっちゃう場合があるなんていう恐ろしい話も聞いたりします。 社会保険、年金だけでなく、雇用保険・労災保険も含めて、厚生労働省管轄の事業は、全部ゼロから見直さないといけないような気がするのですがいかがなものでしょうか。

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