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2007年2月20日 (火)

貧困の罠

 この「貧困の罠」というのは、今週の週刊東洋経済2月24日号の特集のタイトルです。会社のリストラ、母子家庭、精神や体を病んだ時などに貧困状態に陥り、そこから抜け出せなくなるという怖さを伝えてくれています。働きたくても十分な給与がもらえず、生活保護の申請を出しても、そもそも申請書を渡してくれないという北九州市の悪夢など、どこが「再チャレンジのできる美しい日本」だ?という話が一杯。

 そんな話を電車の中で読みながら帰ってきて、社会保険料の改定の書類に目を通しました。今まで、98,000円から98万円までの39段階の健康保険料の標準報酬の等級が58,000円からの47等級に拡大されることになりました。「えっ、月給が58,000円の人からも健康保険料を徴収するの?」と思ったのですが、実は勘違い。従来は、月給が4万円だろうと、7万円だろうと、98,000円の人と同じ健康保険料4,620円を給与から差し引かれていたところ、今度は、70,000円なら3,206円でよくなったという改善のようです。

 しかしだ。社会保険への加入は、一般的な従業員の就業時間の3/4以上の就労の人がすべて対象となるわけで、月間100時間よりも多い人が加入することになります。それで7万円といったら時給700円を割り込むじゃないですか。東洋経済の記事の中でも札幌市の最低賃金は651円(記憶ですが)といった記述があったように思いますが、ようするに最低賃金法適用スレスレのところまで、容赦なく保険料を差っぴくぞ・・・とも読めるわけです。年間で84万円、給与所得控除を引いたら、所得19万円。基礎控除が38万円だから、十分に所得税の対象外の人からも健康保険料を年間トータル3万円以上も取るわけです。これでいいのかなぁ。

 国民健康保険の場合、減免とか免除の制度が所得水準によってあったように思いますが、社会保険のほうがシビア。もちろん、国民健康保険を払えなくて医者にもかかれない状態に陥った貧困者の事例も東洋経済には書いてありましたので、徴収免除の制度がどこまで有効に機能しているのかは疑問ではありますが。

 時給900円ではまともな人が取れない・・・というのはホワイトカラーの世界の話。3Kの世界では、時給600円、700円という相場があるようです。

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2007年2月19日 (月)

会計規則による会社混乱は続く

 資本剰余金からの配当において、信託銀行がミスをしたり・・・という混乱について、すでにご報告してきていますが、楽天で昨年9月29日から07年2月15日の間に4回も決算短信の訂正・修正をしたり、日本オフィス・システムでは、自己株式の取得枠を超えて自社株買いをしてしまったため、無効としたとか、混乱が続いていますね。上場企業なら、普通ありえないミスが連発しているわけです。いや、それくらい会社法施行、会計制度の変更・複雑化の影響で企業の財務が混乱しているのだと思います。楽天の場合、ファンドの連結の制度の取り扱いの変更が原因だが、監査法人の対応も問題・・・など、会計制度の変動が監査法人の監査体制をも混乱させていることを想像させる記事が出ていますね。以前、このブログでも、減損パニック(http://hsakuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_1931.html )という記事を書いたりもしておりますが。

 そろそろディスクロージャーの制約の緩和みたいな施策も必要なのではないでしょうかね。このままJ-SOXへと流れ込んじゃうのでしょうか。

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2007年2月15日 (木)

なんだ?この法律は

 衆議院のメールニュースを読んでいたら、「議案審議経過 衆法 第166回国会 2 平成十八年度の水田農業構造改革交付金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案」というのが出てきた。うちの顧問先に農家はないので、こんな法律知らなかったので、興味半分、要綱を見てみた。
 
 平成十八年度の水田農業構造改革交付金等についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案要綱
一 所得税及び法人税の臨時特例
  平成十八年度に地域水田農業推進協議会から交付される水田農業構造改革交付金等について、税制上次の軽減措置を講ずるものとすること。
1 個人が交付を受ける同交付金等については、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、その収入を得るために支出した金額とみなす。(第一条関係)
2 農業生産法人が交付を受ける同交付金等については、圧縮記帳の特例を設け、交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得又は改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入する。(第二条関係)
二 施行期日等
1 この法律は、公布の日から施行するものとすること。 (附則第一項関係)
 2 平成七年度の水田営農活性化助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律を廃止するものとすること。                            (附則第二項関係)

 要するに農家が交付金をもらったときに、一時所得にしていいよ。つまり、もらった額から50万円を引いて、さらに1/2を乗じた後で他の所得と合算してね・・・という税金の免除の法律ですね。

 水田農業の構造改革に何らかの経費支出をして、その支援に交付金をもらうなら、払う経費ともらう交付金でチャラだから、こんな税制は必要ありません。これは、「何にも支出しなくてももらえちゃうということだな」と思って、「水田農業構造改革交付金」というのを検索すると、こんなページが。http://www.tohoku.maff.go.jp/sr_miyagi/komekai/gaiyo/p_2.htm

 これを見ると、要するに水田で米を作らずに、他の農産物を作るように奨励するための制度のようですね。中には、「有機栽培等特別な栽培方法に取り組んだ場合、慣行栽培との減収分相当について助成する。」なんてのもありますが、「集落単位でブロックローテーション計画を作成し、麦、大豆、飼料作物等を団地化して作付けした場合、麦、大豆、飼料作物等の作付面積に応じて定額助成を行う。」なんてのは、団地化しての作付けで収穫効率が上がったりするから、それでの儲けと交付金の両取りになってます。ま、そこまで恩典をつけないと、団地化をしないのが農家というものなんでしょうか。んなもん、ワタミとか営利法人に農地を解放したら、すぐにやってくれそうなもので、ようは非効率を温存しているだけのような気がしますが。

 明日から確定申告シーズンです。納税者の意識も高まっている時期なので、ちょっと投げかけてみた次第です。良かったら、農水省および関連団体の方、そちらの立場からの趣旨説明をコメントでいただけると幸いです。私は農業における特別な事情を知らずに書いていますので。

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2007年2月13日 (火)

ホームページを開いたら

 ホームページを開いたら検索エンジンに登録しようというお話。

  脳外科医をしている義兄が昨年10月に病院を開院しました。脳神経外科、神経内科、内科・リハビリ科、ペインクリニックという診療科目でホームページも今年に入ってできていたと思います。が、検索エンジンでヒットしない。ロボットに検索に来てね・・・という登録作業をおそらくしていないためだと思いますが、それなら、このブログからリンクを貼ってあげれば、飛んでいくかな?ということで、今日は、そのためだけにこのテーマでブログを書きます。その病院とは、http://www.saitoclinic.net/さいとうクリニック(荒川区町屋2-6-14)です。

  病院に勤務していた頃は、「なんかあったら、いくらでも面倒見るけど、そもそも俺の診療科目に来るようなことがない方がいいんだよな」とか言っておりましたが、たしかに脳腫瘍、脳溢血、脳動脈瘤とか、くも膜下出血とか、一生関わらないで済めば、済むに越したことがない病気ですね。

  で、開業にあたっては、そういう手術設備までは置かずに、大病院に紹介するわけで、その分内科も開設。「なんか頭痛が」とか「めまいがする」といった時でも、最悪の場合を想定しながら、「最近、ストレス多くないですか。肩がバリバリに凝っているけど、そんなことでも神経を圧迫して頭痛が起きたりするのよ」とか診察してくれるのは安心です。で、3人の子持ちですので、内科といいつつも、子供を連れて行ってもたぶん小児科としての仕事もしてくれると見た(^_^)。

  ということで、荒川、足立、北、文京、台東区などにお住まいの方、一度、お尋ねください。場所は、尾竹橋通りから一本入ったところにあります。何かの折に受診してみてください。

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2007年2月10日 (土)

法人税制の困惑

 11月下旬と今月と2件続いて、ソフトウェア開発をやっている会社の税務調査がありました。そのときに、ちょっと論点になったのが研究開発費の処理。自社の販売用ソフトウェアの開発をした場合、企業会計審議会の「研究開発費の会計基準」によって大部分が研究開発費として、発生した期の費用となってしまいます。これが平成12年くらいからの処理。税務もこれを受けて、研究開発費となる部分は、資産計上しなくて良いという通達が出ています。が、案外、これを知らない調査官がいらっしゃる。で、直感的に、「もう、来期に販売が見えているのに、期末で資産計上しないのはおかしい。だって、資産性が認められるじゃないですか」と思われるようだ。

 たしかにその直感は、従来の法人税法の思考法の延長線上にあるため、正しい直感だと思う。なのに通達に反している。つまり、平成12年以降、法人税法が会計ビックバンの影響を受けて、国際会計基準を受けた国内の会計基準の改正を丸呑みする形で、改正されているのです。

 法人税法では、損益アプローチを採ってきたように思います。すなわち、売上が決まったら、それに対応するものが経費。対応しないものは、明らかに将来の収益に寄与しないと判断されるものでない限り、資産計上。つまり、当期の費用にならないもの、いわばゴミを放り込むゴミ箱が資産だったわけです。これに対して、国際会計基準は、資産の定義として、将来の経済的価値であると考え、経済的価値が見込めないもの、明確でないものは費用としてしまえ、という考え方を取っています。いわば資産アプローチ。販売用ソフトウェアは、将来、売れるとは限らないし、開発している間に市場動向の変化で売れ行きが見込めなくなっているかもしれないし、開発中に技術的に開発を断念するかもしれない。つまり将来の経済的価値がないと見ておいたほうが無難だから、経費処理しろとなる。

 法人税法は、従来持ってきた損益アプローチの中に、会計基準との整合性のために部分的に資産アプローチを持ち込んでしまったわけです。なので、思考の一貫性がなくなってきている。そんな気がするのですね。アメリカのFASBも国際会計基準も、そしてわが国の財務会計基準機構も個別基準をいくつも出した後になって、理論的な整合性を取りたくなって、基礎的概念の研究をして、公表する。まず、「取引の概念」とか「資産の概念」です。法人税法でも、そろそろこういった検討をしないと、体系のない法律に成り果ててしまうのではないかと考え始めた次第です。

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