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2006年10月27日 (金)

役所は間違わないという常識

 高校での必修科目の履修漏れが問題となっています。教育委員会が監督不十分だったとか言っても、教育委員会には実質機能はなくて(委員は常勤じゃないから)、担当の事務局役の県庁の人がいるんだと思うのですね。お役所の人が仕事をしていて、各高校の履修状況のチェックが行われていないわけはありません。そもそも公立高校の先生も公務員だから、法令違反を自発的にやるようなことはありえません。なのにこれだけ多くの高校で違反があったということは、「違反していいよ」という指示があったと考えるのが普通でしょう。しかも、全国の都道府県にまたがっている。それじゃ、その指示は、文部科学省が出したとしか思えないですよね。もちろん、かつて山一證券に大蔵省証券局が「多少の含み損くらい、御社の規模なら一相場あれば解消しますよね」という言い方をして、この一言で山一證券は「ヨーロッパへの飛ばしを黙認してもらえた」と解釈したように、「中高一貫の私立校に席巻されていると、公立高校の存立基盤が危うくなります」とか指示らしくない命令で各都道府県の教育委員会が右へならえで動いたに違いないと思ったりします。

 なんでこんなことになったのか。学校の週休2日制の導入も、ゆとり教育もあるんだと思います。しかし、役所は間違いはしないという前提があるから、方針の変更ができず、結果として運用の中でなんとか誤魔化すという動きになっているんではないでしょうかね。「国民の税金を使って運営している以上、間違いは許されない」って言っても、間違うんだから、その事実を認めたほうが良いような気がするんですね。

 先日、最高裁でストックオプション訴訟で、「法令や通達を変更する前に、ストックオプションを一時所得から給与所得に勝手に変更しておいて、そういう現場の変更を知らないで従来どおりの申告をした納税者に修正申告をさせるのはともかくとして、過少申告加算税まで課したのは課税庁のやりすぎである」という趣旨の判決が出ました。これだって、「よくよく研究してみると、ストックオプションは給与だね」と思ったけど、「一時所得だよ」って、内部通達を出し、法人税課長が出している本で「一時所得だ」と明記しちゃっている中で、表立って修正できなかったから、こっそり変更したところに問題の原因があるのだと思います。

 水俣病の認定とかでも認定が厳しすぎるというミスはあるし、逆に同和行政のように手厚くやりすぎて、その中で利権を生んだというミスもある。海外移民が海外棄民になってしまったドミニカの事例もある。やはり、公務員も人間だから、間違いはあります。役所は間違わないという大原則が逆に不幸を生むことが少なくないような気がします。

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