« オペラ座の怪人 | トップページ | GoogleのPageRank »

2006年8月 2日 (水)

ハリーポッター翻訳者と35億円(続)

 7月26日にハリーポッター翻訳者の課税処分に関する記事を書きました。

 その後、日刊ゲンダイでは、「予想外のミリオンセラーで巨額の翻訳料が転がり込めば、生活は一変しそうだが、彼女の派手な暮らしぶりは聞こえてこない。今も日本での居住先は、かつて出版社の事務所と兼ねていた東京・新宿区のマンションのままだ。」なんていう記事があったよ・・・という記事を紹介してくれる人がいたり、本日、事務所を訪ねてきてくれた人は、「私、松岡さんは、以前から知っていますが、節税のためにどうこうするという人じゃないです。なので、この事件、スイスと日本の税務当局を巻き込んで時間がかかると思います。」という話を披露してくださった。

 という話からすると、国税の行き過ぎた課税処分だったのかもしれないという気もしてきました。少し前に武田薬品工業が570億円の移転価格税制による課税処分を受けていたりしますが、これも移転価格税制が適用されるような話ではないという意見が聞かれます。

 たとえば、大和総研の情報誌では、「移転価格税制を巡っては、近年、企業と税務当局との間で意見の相違が生じるケースが増えているが、大型の更正処分の多くが、無形資産から得られる所得の算定方法を巡る税務当局との見解の相違を原因としている。しかし、武田薬品工業では、今回更正処分の対象となった取引には、そもそも移転価格税制が適用されるべきではないとの見解を示しており、他のケースとは若干様相が異なる。」という記述がなされている。この件では、武田の米国の合弁による子会社TAPへの輸出価格が安すぎるという論点であるが、子会社に利益を落とすように安い値段で輸出をすると、その利益が持分割合に応じてアボット社にも行くため、武田がこういうことで日本の課税を免れるわけはないのです。武田薬品工業のニュースリリースでも、そういう趣旨が書かれています。

 ちょっと、最近の国税局も強引な課税処分が多いような気がしています。ストックオプション課税だって、それまで一時所得でよいと言っていたのだから、変えるなら法律から変えて改正後の事例に対応すればよいのに、勝手に見解を変えて過去の申告に遡って修正申告を求めたから訴訟事件になったんですね。東南アジア進出の企業に「国によっては、遡及効なんかないから、税金上げたくなったら去年分から増税されたりするから怖いよ」なんていう話をすることがありましたが(どこの国だかわかりますよね)。日本でも運用においては、それに近い一面があったりしたのだとすると、困ったことです。今後の展開を注視したいと思います。

|

« オペラ座の怪人 | トップページ | GoogleのPageRank »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/181294/11218783

この記事へのトラックバック一覧です: ハリーポッター翻訳者と35億円(続):

« オペラ座の怪人 | トップページ | GoogleのPageRank »