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2006年8月23日 (水)

中小企業の生き方

 最近、お客さんとお話していて、よく出るのが、「楽に稼げる時代じゃないよね」という話。下請けで食べてきた会社は、発注元から「じゃ、今度はこの仕事、お願いね」という電話を受けて、ちゃんと仕上げればお金が黙っていてももらえた。しかし、バブル崩壊後の経済状況の中で、上場企業もボロボロ倒産し、中国やインドに生産拠点を動かす動きもあったりして、黙って仕事が降ってくるという環境が変わってしまう場合もある。やはり、企業たるもの、新規営業、製造や仕入販売や役務提供、請求、回収の全プロセスをフルセットで完備していないといけないのですね。小売店だからと言って、「うちの周りは子供がいなくなってね」とか「大きなスーパーができたからお客が取られた」とか「新しい通りができたので、飛び込みで来る客が掴まえられなくなった」などと愚痴をこぼすだけではダメ。お客がいなくなったら、いるところへお店を移さないといけないし、儲かっているときには、将来そういうことがあったときの備えとしての蓄えを持っておかないといけないわけです。

 店舗を出す場合に、けっこう出店調査のないままにお店を出す人、けっこういます。近隣の同種のお店の入客数とか、周辺人口とか、調べないまま、お店の間取りと金額(家賃なり売値)だけで決めちゃうんですね。で、漫然と赤字を出し続けて、そのうち閉店となります。近所で、お店の経営者が変わりながら、数年ずつしか続かない・・・という「何をやっても儲からないテナント物件」って見かけたことありませんか? そう、あの現象です。これも経営者がフルラインナップでビジネスとして商売を見ていないからですよね。ブティックをやりたい(洋服の縫製とかデザインがやりたい女性にありがち)とか自分の腕でおいしい料理を作りたいというだけでは駄目で、出店計画からスタートして収支予想を立てて、それも含めてビジネスです。製造業などなら新規営業に当たる部分ですね。昔なら、黙っていても人口が増えていましたので、最初の1年が苦しくても5年経てば利益が出てくるということもあったし、物価が継続的に上がっていたから、ちょっと借金が大きくても、物価上昇で売上高が増えるので借入返済が相対的に楽になりました。が、この10年、そんな夢の時代じゃないことは、みなさんご承知の通り。

 「医者とか歯医者とか(あるいは税理士とか)、資格のある商売はいいよねぇ」などという声もあったりしますが、住宅地域の歯医者さんなんか、夜は10時まで診療、とか土日診療とか、お客さんを掴むためにたいへんな営業努力をしています。が、「いいよねぇ」という小売店は、夜の7時には店を閉めて、晩御飯を食べていたりする。「コンビニ弁当には値段がかなわない」とか言っている蕎麦屋さんも、夜8時には店じまい。値段だけじゃない、営業時間も負けているわけですね。「冗談じゃない、アルバイトで回せる店とは違うんだ」と言われちゃうかもしれませんが、「夜8~11時はカレーライスのお店です」なんていう蕎麦屋を見たことがありません。カレーライスならアルバイトでもオペレーションできますよね。もちろん、単品営業でお客が来るという保証はないのですが、チャレンジすらされていないのが実情?

 という中で、そういう評論をしながら税理士事務所が漫然と経営していてはいけない・・・ということで、わが佐久間税務会計事務所でも大きな舵きりを準備中です。来月には、お客様にもご案内ができるよう作業をしております。お客様にもそれなりに影響があるし、職員にとっても大きな変化なのですが、変化を嫌って10年後、15年後に朽ち果てるわけにはいきませんし、経営努力のない税理士事務所では、お客様にも結果的にはご迷惑かと。来月になりましたら、このページでも、ご案内をしたいと思います。

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